いつまでも成長できる人である為におこなうべきこと

なぜ人と組織は変われないのかを読んで

気づけば3年前のコロナ禍の中

もっと企業として成長するにはどうするべきかを考え

以前から考えていたMBAに挑戦してみようと思い

グロービス経営大学院に通わせてもらった。

 

気がつけばもう卒業間近となり、卒業の単位も概ね取得できた。

クリシンという思考方法から衝撃の学びがはじまり

経営戦略、財務、リーダーシップ、人材マネジメント、マーケティングと

本当に知らなかった事が恐ろしいと感じる日々の中で

経営を体系的に学び意味、そして威力を感じている。

 

自分でも、本当に成長させてもらった3年だと思うし

卒業しても取り切れていない興味深い科目を引き続き学ぶ決意もしている。

そして、学んだ事を中心に13期の経営についてというよりも

今後の自企業のありかたや方向性を固める日々が続き

ようやく、進むべき方向と、進めるためのコクピットの設計ができたと思う。

 

そんなタイミングで、ふと購入していて、

目に止まったのがこの本

なぜ人と組織は変われないのか

やっぱり色々学ぶ中で思うのは結局は人だなという事。

だからこそ、今読むタイミングなのかもしれないと手に取った。

 

結論としては、自分を含め、多くのひとに読んでもらいたいけど

なかなかボリュームのある本なので、自分の振返りと

関わる人達にも、是非伝わるようにまとめてみようと思う。

 

まず、人は成長し続ける事ができる生き物であるという事。

意外と歳をとると、学びに対する意欲や期待値も下がってしまうけど

そんな事は決してなく、成長し続ける事ができるという事が前提となる。

 

では、人の成長とはどのように捉えることができるか?

本書では環境順応型、自己主導型、自己変容型と定義されている。

そして環境順応型から自己主動型へ、そして自己変容型へと

人は成長するということを前提に書かれている。

もう少し詳しく3つのパターンについて詳しく記載内容を紐解くと。

 

環境順応型はまわりの状況で自分の判断を行うタイプ。

このように定義すると良く聞こえてしまうけれど

グループの方向性に合わせてしまうという捉え方もできる。

要するに情報に対して受け身であるという点が特徴。

しかし、情報を捉える事は容易ではないというのが注意点でもある。

要するに自らの意思が少し他のタイプよりは低いと記載されている。

 

自己主動型は自らの意志によって判断を行うタイプ。

一見環境順応型に比べて利己的な印象を持つかもしれないけど

そうではなく、自らの意思を持ちながらコミュニケーションを取る点が特徴。

情報については自ら取り入れるべき情報を選別する事や

より自らの目標や課題に対して明確な行動を行おうとする。

この点は環境順応型に比べて積極的といえる点は優れている。

但し、自己の主張が強すぎるゆえに、環境が変わったりする事に

対応できにくい点は注意が必要であると記載されている。

 

最後に自己変容型とあるが、自らの意思や自らの考えはあるものの

決して、それに囚われすぎる事なく、客観視できる状態とある。

自己主動型タイプでは感じる事ができない情報にも興味を持ち

興味を持つだけでなく、その情報を取り入れさらに良い目標を設定し

進むべき道すらも柔軟に変化させる事ができる。

このように書くと、少しイメージしてもらえるかなと思う。

 

そして、自分は今どのあたりにいるかという事に対して

多くの人がこのような認識がないまま、今の自分に対する問題意識を持っていない。

より、柔軟性を持って自らを高みに成長させたいと考える事がないと

本書でも書かれていたが、なかなか普通に生活をしているだけでは

このような視座を持って日々の生活を送るのは難しいとも感じた。

 

しかし、世の中の多くのビジネスマンをリサーチした結果

優秀な職についている人の多くは自己変容型であることも実証されているそうで

こういうときにデータは言葉を重くさせてくれる。

 

このなぜ人や組織は変われないのかというタイトルなのか

その意味こそ人は自己変容タイプへと変わることに対する

意識や動機づけを行う難しさがあることについて理解してもらえると思う。

 

そして、ここまで来てようやく、

ではなぜ変われないと言い切るのかという問いが生まれる。

その問いに答えるキーワードが阻害要因である。

 

人は今の状態について何か不安でありつつも居心地のよさを感じてしまう。

そして変化に対して阻害しているものがあることに気づくことができない。

しかし、それを客観視する事ができれば変化を受け入れるきっかが作れる。

 

本書では部下に仕事を任せたいけれど任せられない上司について

その阻害要因が自分の仕事を認めてもらいたいというものであったことが記載されていた

決して、これはすべてのひとに通じるものではないと思う。

例えば、僕も昔は任せることが苦手で、度々現場に足を運んだ。

自分にしかできない。部下の責任をとる勇気がないといった阻害要因が

働いたことによって、部下の権限委譲をやりきれなかった経験もある。

 

しかし、当時この阻害要因を指摘されていたとしても

きっと素直に受け入れることはできなかったと思う。

それが、固定概念という自分の主観に強く引っ張られる阻害要因だから。

ここまで書けば人が変わる事に対する難しさはよりリアルに伝わると思う。

 

では、どうすれば人や組織は変われるのか?

ますますこの問いの答えに対するモヤモヤとした気持ちは深まる。

しかし、この阻害要因を素直に受け入れたらどうなるだろうか。

そこに、この本書での重要なメッセージがあると思った。

より良くなりたいと思っていない人はおそらくいないだろう。

但し、ここまで自らを俯瞰している人も少ないと思う。

僕自身も、何に問題があるのか、どうしたいのか、まだまだ道半ばだから

阻害要因を知る手前の段階にいると思う。

 

最後に、本書より。

 

“誠実に、そして危機感をもって取り組みさえすれば、

課題の克服がうまくいくというものではない。

目標への前進を妨げている自己防衛のメカニズムを変えてはじめて、変革はうまくいく。

そのための活動に乗り出せば、メンバーが自発的に計画外の行動を次々と取り、

やがて改善目標は達成される。さらにはもっと大きな成果も得られる場合が多い。”

 

この変化に対する阻害要因の発見、さらにはその阻害要因に対して

いかに自らの心の持ちようを変化させることができるか。

これを組織で獲得できれば、学習する組織として

大きな事を成し遂げられるんだと感じた。

 

環境が大きく変化する中で

変わらないことは、衰退を意味する。

自らも変化を起こし続けなければいけない。

この事を肝に命じながら

日々進化できる人、そして組織になろう。

カテゴリー: MBA(経営学修士), ヒトリゴト, 仕事論, 読書メモ   タグ:   この投稿のパーマリンク

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