戦術的要求と創造性について

いかに自分らしさを発揮できるか

先日、マンチャスターシティのペップグラウディオラ監督に記者が

現代の戦術的要求は選手の創造性を制限しているのでは?と質問をしていた。

それに対して、ペップは良い議論ですね、

ただ、「戦術とは選手の創造性を表現する為」にあります。

私は誰もが安心して才能を発揮できるようなパターンを作るために

戦術を使っています。と返しているのが目に止まった。

 

戦術的なプレーの要求は選手の創造性とトレードオフの関係なのか?

実は、この問いに近い事を大学院のオペレーション戦略という科目でも学んだ。

それは、8割の標準化と2割の柔軟性という言葉で教えて頂いた。

 

様々な仕事において、オペレーションを標準化する事は効率性の向上につながる

一方でサービスの柔軟性という自分らしさを発揮する事ができないように感じる。

まさに、トレードオフの関係にあるという問題である。

 

しかし、この標準化と創造性について、しっかりと仕組み化すること。

具体的には、標準化するべき仕事と、創造性を発揮する仕事を分けることで

より、創造的であるべき仕事に対して、自分らしさを発揮できるという内容であり、

先程のペップの言葉ともリンクする興味深い話だった。

 

例えば、見積書や工程表を作る作業プロセスは標準化できる。

他にも、掃除だったり、ホームページの管理プロセスなども標準化できる。

しかし、デザインやお客様とサービスについて考える仕事は標準化よりも

自分らしさから生まれる創造性を発揮する仕事だといえる。

 

飲食店であれば、調理工程や、メニュー説明などは標準化できるが

オーダーのときの、お客様との距離感や、その場の対応は標準化できない。

このように極端だけど、標準化できる部分は徹底して標準化し

企業としてのサービスレベルを一定に保つことと、効率化を高める事に注力し

そのおかげで作られた時間で自分らしさを存分に発揮することで

素晴らしいオペレーションの仕組みが実現できるという。

 

僕たちのしごとは、ひとつとして同じものを作る事がなく

そのプロセスは、まさにサービス業だと捉えている。

完成するお店はもちろん大切だけど、そのプロセスこそが

お客様にとっては、とても想い出深いものになると思っているし

そのプロセスによって今後のお店を後押しすることもできる。

 

だからこそ、標準化できる部分を整理しながら

より、お客様の期待に答えられる自分らしさという創造性を

僕たちは発揮できるように、務めるべきなんだと感じるし

そのような業務プロセスを見直すべきときだと感じている。

 

見直すといっても、再設計するわけではなく

実は、今できている事を整理するだけで良いと思っている。

本当にきめ細やかなサービスを行ってくれるスタッフには

いつも感謝してもしきれない想いでいっぱいだけど

どうしてもサービス業特有の異質性は存在する。

 

人それぞれに得意な部分は異なっているし

提供するデザインや想いを解釈できる能力は異なっているからこそ

担当者が変われば、絶対に同じものをつくることはできない。

 

だからこそ、それぞれの良い部分を活かせる経営を目指し

標準化できることについては、しっかり標準化し

創造性を発揮すべき仕事に対していかに時間を作れるかを議論し

今まで以上に良いオペレーションを目指したいと考えている。

 

組織的なスポーツである、サッカーにおいても

個の能力を最大に活かす為に、戦術的な要素が存在している。

僕たちも、一人ひとりの創造性を最大限に発揮する為の

仕事の在り方を改めて問い直し続ける事で

他社に模倣されないくらいのお店づくりのサービスを創りたいと思う。

カテゴリー: MBA(経営学修士), サッカーのコト, 仕事論   タグ: , , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

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