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- 京都・仏光寺のアパレル店舗内装現場


こんにちは。コトスタイルの穴澤です。今日は、タナカさんが担当してくれている仏光寺のアパレルショップの現場へ行ってきました。
期末ということもあり、最近は社内で資料を確認したり、次の動き方を考えたりする時間が続いていたのですが、やっぱり現場に行くと気持ちが切り替わります。図面や見積書だけでは感じられない、木の匂いや工具の音、職人さん同士の会話のテンポがある。こういう空気を吸うと、改めて現場っていいなと思います。

空き家をテナントとして整えた仏光寺のプロジェクト

今回の現場は、以前からテナント開発で関わらせていただいている仏光寺のプロジェクトです。もともとは、オーナー様が使い方に迷われていた建物でした。
そこを複数のテナントが入れるように区画を整え、募集も同時に進めながら、建物としてもう一度動き出せるようにしてきました。ありがたいことに、こちらの建物はすでに満室になっています。
そして今回は、その2階区画に入られるアパレルショップの工事まで、引き続きコトスタイルでお手伝いさせていただいています。テナント仲介で終わるのではなく、店舗デザイン、設計施工までつながっていく。こういう現場を見ると、僕たちがやりたい仕事が一つの形になっているなと感じます。
空き家や使われていない建物が、必要としている出店者さんにつながる。オーナー様にとっては収益につながり、出店者さんにとってはお店を始める場所になる。そして街には、人が立ち寄る理由がまたひとつ増える。この循環をつくっていくことが、これからの京都には本当に大切だと思っています。
2階へ上がる時間も、お店の印象になる
階段を上がっていくと、通りの明るさから少しずつ建物の中の落ち着いた空気に変わっていきます。2階の店舗では、この“上がっていく時間”もお店の印象の一部になります。
1階路面のように、通りすがりでふっと入るお店とは少し違うからこそ、入口から店内までの流れを丁寧に考える必要があります。アパレルショップの場合、目的を持って来られるお客様も多いと思いますが、空間に入った瞬間に「もう少し見ていきたい」と思ってもらえるかどうか。そこに店舗内装の力があります。
京都でカフェやバー、飲食店の居抜き物件を探している方からも、立地や階数について相談をいただくことがあります。もちろん条件は大切ですが、数字だけでは判断しきれない部分もあります。実際に歩いて、上がって、扉を開ける。その体験まで見ておくことが、テナント選びでは大事だと思っています。
まだ下地の段階。でも、いいお店になる気配がある
2階に入ると、大工さんとタナカさんが打ち合わせをしていました。床には養生がされ、材料が積まれ、工具が置かれている。まだ仕上げ前の下地段階ですが、この段階がいちばん現場らしくて、僕は結構好きです。
完成してしまうと見えなくなる部分が、まだ全部見えています。どこに壁が立って、どこに余白が残って、どこに光を落としていくのか。そんなことを想像しながら見ていると、まだ工事中なのにお店の姿が少しずつ浮かんできます。

店舗工事には、どうしてもスピード感があります。オープンまでの工程があり、材料の手配があり、職人さんの段取りがあり、お客様の準備も同時に進んでいきます。でも、早く進めることと、雑に進めることはまったく違います。
一つひとつ確認しながら、現場の状況に合わせて順番を組み直していく。その積み重ねが、最後の仕上がりに出ます。タナカさんが職人さんと自然に話しながら、必要なところをきちんと確認している姿を見て、安心しました。
既存の梁とレースウェイが、いい空気をつくっていました
今回の現場で一番印象に残ったのは、天井まわりです。既存の大きな梁が残っていて、そこに建物が積み重ねてきた時間がしっかり出ていました。黒く締まった梁と、木の天井。その下に、照明用のレースウェイがすっと通っています。

全部を新しくしてしまえば、きれいにはなります。でも、それだけではこの建物らしさが薄くなることもあります。京都で店舗改装をしていると、古い建物の表情に助けられる場面が本当に多いです。梁の存在感、少し暗さのある天井、窓から入るやわらかい光。新品の材料だけでは出せないものがあります。
もちろん、何でも残せばいいわけではありません。見た目が良くても、あとで困る部分はきちんと確認する必要があります。逆に、少し古さがあっても、お店の魅力になるものはあります。今回の現場は、その残し方と手の入れ方のバランスがとても良いなと感じました。
小さなサンプルにも、打ち合わせの跡が残っている
現場の一角には、仕上げ材のサンプルが置かれていました。小さなカーペットのサンプルや、確認した跡。こういうものを見ると、ここまでに何度も話し合いながら決めてきたことが伝わってきます。

店舗デザインは、完成した絵を描くだけの仕事ではありません。実際の材料を見て、触って、現場の光の中で確認する。そのうえで、お客様のイメージや商品との相性を考えていきます。
低コストで店舗内装を考えたいというご相談も多いですが、費用を抑えることと、考える手間を省くことは別です。むしろ限られた予算のときほど、どこに力を入れて、どこをシンプルにするかを丁寧に決める必要があります。
DIYで関われる部分があるなら、それもお店への愛着につながります。ただ、安全や後戻りの大きい工事は、やはりプロが担った方が安心です。どこを任せて、どこを自分たちで関わるのか。その線引きを最初に決めておくことが、低コストで進めるうえでも大切です。
職人さんと話すと、現場の見え方が変わる
現場では、大工さんたちが実際に材料を見ながら、納まりを確認されていました。図面上では成立していても、既存の建物に合わせると現場で考えることが出てくる。そこに職人さんの経験が必要になります。

今回お会いした大工さんは、創業当初からお世話になっている塗装屋さんのご紹介でご縁をいただいた方です。お話をしていると、ずいぶん前からコトスタイルのことを知ってくださっていたそうで、そんな話を現場で聞けたことがとても嬉しかったです。
店舗工事というと、どうしてもバタバタしている印象を持たれることがあります。でも、僕たちはできるだけ丁寧に工程を組み、職人さんが無理なく力を出せる現場にしたいと思っています。そのことを、これまで一緒に仕事をしてきた職人さんが、別の職人さんへ伝えてくださっていた。そう聞いて、ほんまにありがたいなと思いました。

現場を進めるということ
タナカさんが職人さんと話している姿を見ていると、現場を進めるというのは段取り表をつくるだけではないなと改めて思います。お客様の思いを聞き、職人さんに相談しながら形にしていく。その間には、迷うこともありますし、予定通りにいかないこともあります。
僕自身も現場を担当していた頃は、休みの日でも頭の片隅に現場のことがありました。この仕事が好きだから続けられる部分はあります。でも、好きだから大丈夫、で済ませてはいけないとも思っています。スタッフが働きやすく、職人さんにも気持ちよく関わっていただける会社にしていくこと。それは、僕がもっと考え続けないといけないことです。
それでも、こうして現場で笑顔で話してくれている姿を見ると、やっぱり嬉しいです。いろんな方に支えていただいて、今のコトスタイルがある。そのことを、現場に行くたびに感じます。
空き家が店になると、街の景色が変わる
今回の仏光寺のプロジェクトは、僕たちがこれからもっと力を入れていきたい仕事の流れが、とてもわかりやすく表れている現場です。使い方に迷う建物があり、そこをテナントとして使えるように整え、出店したい方とつなぎ、その方のお店づくりを設計施工で支える。一つひとつは別の仕事に見えるかもしれませんが、実際には全部つながっています。
思いのこもったお店ができると、そこに人が集まります。人が集まる場所ができると、また次にお店を出したい人が現れるかもしれません。そういう小さな循環が、京都の街を少しずつ面白くしていくのだと思います。
仏光寺のこのアパレルショップも、まだ下地の段階ではありますが、すでに素敵なお店になる気配がありました。既存の梁、天井の表情、現場に残るサンプル、職人さんとタナカさんの会話。その一つひとつから、丁寧に進んでいることが伝わってきました。
完成した空間だけを見ると、最初からそうだったように見えるかもしれません。でも、その手前にはたくさんの判断と会話があります。現場で悩み、確認し、少しずつ形にしていく時間があります。僕たちは、そういう時間も含めてお店づくりだと思っています。
仏光寺のプロジェクトについては、以前のブログでも紹介しています。
仏光寺の現場から ― 古民家を活かしたテナント開発
空き家をテナントとして活用したい家主様向けのサービスについては、こちらをご覧ください。
テナントを貸したい家主さんへ
これまでの店舗デザインや店舗内装の事例も、参考にしていただけると思います。
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