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- 【前編|6月商戦の読み方】W杯と梅雨を味方につける|飲食店・物販店の導線設計と空間戦略


📋 この記事でわかること
- W杯の深夜放送が生む「押し出し効果」の正体と、飲食店が取るべき対策
- 「家へ急ぐ客」を逃さないテイクアウト導線設計とファサード(外観)の作り方
- 梅雨のジメジメを空間デザインで払拭する照明・BGM・VMDの具体的な方法
- 物販店が6月に仕掛けるべき「におい対策商品」の陳列・見せ方のポイント
- 京都・関西エリアの飲食店・物販店が今月から動き出すための準備リスト
京都を拠点に飲食店・物販店の店舗デザインと導線設計を手がけるコトスタイル株式会社代表の穴澤陸平です。
5月に入りましたね。GWの連休前半、お店を切り盛りして怒涛の忙しさを乗り切った皆さんに、まずは「ひと息ついてくださいね」とお伝えしたいです。本当にお疲れ様でした。
私の方は相変わらず、休日は子どもたちの用事でバタバタと過ごしています。先週末は小学生の次男のサッカーの試合を観に行ってきました。砂埃にまみれながら一生懸命ボールを追いかける姿を見ると、ついつい力が入ってしまって、大きな声で応援してしまいます。家に帰れば、今度は一番下の娘がリビングを占領してダンスの練習をしている。千葉出身の嫁さんは「京都はもうすぐジメジメしてくるね」と笑いながら、子どもたちの大量の洗濯物と格闘してくれています。
そういえば最近、自宅用にランニングマシンを買ったんですよ。もともと夜に北大路の自宅周辺を走るのが日課やったんやけど、天気が悪いとどうしても走れなくて、身体のリズムが崩れるのが嫌やったんです。でもマシンを買ってからは、雨が降っていても自宅でしっかり走れる。走りながらふと、「もうすぐ厄介な梅雨が来るけど、これで雨でも関係ないな」なんて思ったりします。
季節がグラデーションで移り変わっていく中で、環境のせいにせず「どう対応するか」を先回りして準備しておくのって、商売でもホンマに大事やなって改めて感じているところです。
ということで今回は、1ヶ月後に迫った「2026年6月商戦の読み方」について、私なりの視点をお話しします。今年の6月は、「いつもの梅雨やろ」と構えていたら足元をすくわれるかもしれません。根っこから順を追って説明しますね。
1. W杯の「押し出し効果」とは何か。飲食店が知っておくべき6月の客動向
深夜・早朝放送が生む「家へ急ぐ」心理のメカニズム
今年の6月最大のトピック、それは6月11日に開幕するサッカーW杯(アメリカ・カナダ・メキシコ共催)です。サッカー好きの私としてはたまらないイベントなんやけど、商売となると少し慎重な見方が必要です。
「W杯って飲食店やスポーツバーが儲かるんちゃうの?」と思うかもしれません。でも今回は開催地との時差が13〜16時間ほどあり、日本での放送時間が「深夜3時頃」や「翌朝9時〜午後1時頃」になります。
これが何を意味するか。深夜から早朝にかけて試合があるということは、翌日の試合に備えて「早く帰って寝る人」や、試合観戦後の寝不足で「まっすぐ帰る人」が急増するということです。外食や買い物を控えて家路を急ぐ「押し出し効果」が起こる可能性が高い。夜の集客が落ちる。飲食店さんにとってはホンマにしんどい話です。
私が昔、焼肉屋のオーナーをやっていた時も、天候や大きなイベントの日は客足がピタッと止まって、胃が痛くなる思いをしました。でも「人が出歩かへんのやからしゃあない」と諦めるんやなくて、「その状況の中で、どう自分たちのペースに引きずり込むか」という戦術の転換が必要です。
「押し出し」をチャンスに変える発想の転換
サッカーで例えるなら、相手がボールを持って引いて守っている時間帯に無理に攻め込んでカウンターを食らうのではなく、相手の隙を突いてどう自分たちのペースに引きずり込むか、という戦術の話です。
人がまっすぐ家に帰るなら、その「家での時間」にうちのお店の商品をどう滑り込ませるか。ここに発想を転換することが、W杯期間中の飲食店・物販店の勝ち筋になります。
💡 W杯期間(6月〜7月)の客動向まとめ
- 夜の集客:試合前後の「帰宅急ぎ」でナイト需要が減少傾向
- 昼の需要:試合が午前中の日は「寝不足+外出意欲低下」で昼も影響あり
- 伸びる需要:テイクアウト・デリバリー・家で楽しむための食材・飲み物
- スポーツバー:深夜営業対応なら別だが、一般飲食店は別戦略が必要
2. 【飲食店向け】まっすぐ帰る客の足を止める「テイクアウト導線設計」
店内に入らせない。ファサードの余白で「買いやすさ」をデザインする
「家での時間」に商品を滑り込ませるなら、飲食店さんが強化すべきはテイクアウトです。「寝不足でも食べやすい、ちょっとええお惣菜」や「今夜の深夜観戦のお供に! 極上家飲みオードブル」といった切り口で、テレビ観戦用のおつまみや持ち帰り商品を一気に強化する。
ここで、店舗デザインの視点が決定的に重要になります。「テイクアウト始めました!」と店内の黒板に書いても、急いで帰りたい人はわざわざ店内に入ってきません。大事なのはお店の「ファサード(外観)」です。
入り口のすぐそばに、外からでもパッと買えるような「テイクアウト専用の小窓」や「販売ワゴン」を仮設で作ってみてください。「あ、店に入らんでもここで晩飯買って帰れるやん」って直感でわかる導線をデザインしてあげる。お客さんの「早く帰りたい」という気持ちを邪魔せず、スッと懐に入り込む空間づくりです。
ワゴン一つで売上が変わる。シズル感を出すファサード演出の具体策
ワゴンを出すなら、ただテーブルを置くのではなくひと手間かけてください。暖かみのあるクリップライトで商品を照らしてシズル感を出す。手書きのPOPで「W杯観戦セット、残り3つ!」と書いておく。これだけで通りすがりのお客さんの足はピタッと止まります。
店舗の工事現場でも、職人さんが動きやすい導線が確保されていないとええ仕事はできません。お客さんも同じです。スタッフさんが外に出て声掛けしやすい「空間の余白」を作ってあげることで、W杯の逆風を追い風に変えられます。
| 施策 | コスト感 | 効果・ポイント |
|---|---|---|
| テイクアウト専用ワゴン設置 | 低(DIY可) | 店内に入らなくても買える導線をつくる |
| クリップライトで商品を照らす | 低(2,000円〜) | シズル感・食欲を刺激する |
| 手書きPOP「残り〇個!」 | ほぼ無料 | 希少性・購買意欲を煽る |
| 「W杯観戦セット」メニュー化 | 低 | W杯を逆手に取ったストーリー訴求 |
| ファサードへの幟・タペストリー | 低〜中 | 遠くからでも認知させる視認性アップ |
3. 【物販店向け】梅雨の「におい」と「不快感」を吹き飛ばす空間デザイン
「においケア商品」だけ並べても勝てない。お店の空間そのものを変える
6月といえば梅雨です。今年は特に湿度が上がり、「部屋干しのにおい」や「体臭・口臭」などのにおい予防商品が好調に売れると言われています。物販店やドラッグストアの皆さんは、入り口のVP(ビジュアルプレゼンテーション:お店の顔となる陳列スペース)に消臭グッズや爽やかな香りのアイテムを集めるかと思います。
でも、もう一歩踏み込んでほしいことがあります。「お店の空間そのもの」で不快感を拭い去る工夫です。
ジメジメして気分が重いときに、商品がギュウギュウに陳列された暗い店に入りたいとは思いませんよね。6月は、お客さんがお店に入った瞬間に「あ、なんかここ、スッキリして居心地ええな」と身体で感じてもらうことが最初のハードルです。商品という「モノ」を売る前に、空間という「コト」で梅雨の不快感を解決してあげる。これが物販店の空間デザインにおける6月の核心です。
照明・BGM・陳列。梅雨仕様の空間チューニング3ステップ
ステップ1:照明を「昼白色」寄りに変える
冬場の暖かみのあるオレンジ色(電球色)から、少しスッキリした昼白色(白っぽい光)を混ぜてみてください。それだけで空間の印象がグッと爽やかになります。
ステップ2:BGMのテンポを上げる
ゆったりした曲調から、少しアップテンポで涼しげなものに変える。視覚だけでなく聴覚も空間体験の一部です。お客さんの体感温度と気分は、音楽でも変わります。
ステップ3:メイン導線の幅を広げる
店内のメインの通り道を少し広げて風通しを良く見せる。商品が密集していると「圧迫感」と「暑さ」を感じさせます。「余白」こそが涼しさの演出になるんです。
お客さんは「この店は照明が昼白色だから涼しい」とは意識しません。でも、無意識のレベルで「なんとなく長居したくなる」と感じてもらえれば、それが滞在時間を伸ばし、売上に繋がっていきます。こういう細かい環境のチューニングの積み重ねが、6月の勝ち筋です。
「においケア」コーナーをVMDで演出する具体的なアイデア
においケア商品のVMD(ビジュアルマーチャンダイジング:視覚的な陳列・演出)では、以下のポイントを押さえてください。
- 白・水色・ミントグリーンを基調にした配色でコーナーを統一し「清潔感」を演出する
- 商品の香りのサンプルを試せるようにして「体験型」にする
- 「梅雨の不安、これで解決!」と書いた手書きPOPで課題解決型の訴求をする
- 入り口の一等地(VP)に配置してお店の第一印象を「爽やか」にコントロールする
💡 6月・物販店の空間デザイン チェックリスト
- 照明を電球色から昼白色(または混合)に切り替えているか
- BGMを爽やか・アップテンポなものに変えているか
- メイン導線に「余白」があり、圧迫感がないか
- においケアコーナーを入り口近くのVPに配置しているか
- コーナーの配色が清潔感・涼しさを演出しているか
前編まとめ:W杯と梅雨の「マイナス」を空間でひっくり返す
6月の2大逆風を追い風に変えるための発想
前編では、W杯の深夜放送がもたらす「押し出し効果」と、梅雨の不快感を逆手に取った空間づくりについてお話しました。改めてポイントを整理します。
- 飲食店:夜の集客減をテイクアウト強化とファサード演出でカバーする
- 物販店:においケア商品の陳列と同時に「空間そのもの」を爽やかにチューニングする
- 共通:「環境のせいにしない」発想と、先回りした空間の仕掛けが差を生む
後編では、6月のもう一つのビッグイベント「父の日」と、私たちの商売の根底を揺るがし始めた「AI検索」の波、そしてお中元市場の異変について、がっつり掘り下げていきます。
京都・滋賀・関西エリアで飲食店・物販店の店舗デザイン・テイクアウト導線設計についてご相談したい方は、ぜひ下記よりお気軽にご連絡ください。
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