1. HOME
  2. NEWS
  3. 物件探しテクニック京都のエリア・街情報
  4. 【京都・木屋町&祇園】バー開業のためのテナント選び・居抜き物件の探し方

【京都・木屋町&祇園】バー開業のためのテナント選び・居抜き物件の探し方

この記事でわかること

  • 木屋町・祇園エリアのテナント家賃相場と物件の特徴
  • バー・スナック開業で居抜き物件が圧倒的に有利な理由
  • 深夜営業許可と京都の景観条例、契約前に確認すべき法律の壁
  • 10坪以下の狭小物件を活かしたバーの施工事例

夜の木屋町を歩いていると、ふと足が止まる瞬間があります。

細い路地の奥に、ぼんやりと灯りが見える。暖簾なのか、すりガラスなのか、外からはほとんど何も見えない。でも、なんとなく引き寄せられる。あの感覚、私はけっこう好きなんですよね。「何があるんだろう」という気持ちで一歩踏み込んで、カウンターに座って、知らないウイスキーを一杯飲む。そういう夜の過ごし方が、木屋町や祇園には似合っています。

そして、そういうお店を自分で開きたいという方が、コトスタイルに相談に来られることも多いです。バー、スナック、ワインバー、小さなダイニングバー。業態はさまざまですが、「夜の京都に自分の店を持ちたい」という気持ちは共通しています。

結論から言います。木屋町・祇園エリアでのバー開業は、居抜き物件を使うことが費用・工期・法規制のすべての面で有利です。ただし、エリア特有の法律と条例の壁を事前に把握していないと、契約後に取り返しのつかない問題が発生します。

この記事では、夜の京都でお店を開きたい方に向けて、物件探しのリアルな話をします。

京都の人気エリア(木屋町・祇園)のテナント事情と家賃相場

木屋町と祇園は、京都の夜の街として別格の存在感を持つエリアです。高瀬川沿いに飲食店が立ち並ぶ木屋町は、学生から観光客まで幅広い層が集まります。一方、祇園は花見小路を中心に、高単価の料亭や小料理屋が密集し、よりハイエンドな客層が中心です。

どちらのエリアも、物件の希少性が高く、家賃は京都市内でも上位に入ります。

エリア・条件 坪単価の目安 10坪あたりの月額家賃
木屋町・1階路面 1.5万〜2.5万円/坪 15万〜25万円
木屋町・2階以上(空中階) 0.8万〜1.5万円/坪 8万〜15万円
祇園・花見小路周辺 2.0万〜3.5万円/坪 20万〜35万円
祇園・一本入った路地 1.2万〜2.0万円/坪 12万〜20万円
先斗町・木屋町周辺路地 1.0万〜1.8万円/坪 10万〜18万円

この家賃相場を見て「高い」と感じた方も多いと思います。正直、高いです。ただ、バーという業態で考えたとき、このエリアの家賃を払ってでも出店する価値があるかどうかは、客単価と回転の計算次第です。

バーは席数が少なくても、客単価が高ければ成立します。木屋町の10坪の空中階バーで、客単価4,000〜6,000円、1日に15〜20人を回せれば、月商は180万〜360万円の計算になります。家賃比率(売上に対する家賃の割合)を10〜15%以内に収められるかどうか、開業前に必ずシミュレーションしてください。

もうひとつ、このエリアの物件で知っておくべきことがあります。木屋町・祇園の良い物件は、ほとんどが表に出る前に決まります。ポータルサイトに掲載される頃には、すでに複数の申し込みが入っているケースも珍しくない。だからこそ、エリアに強い業者との繋がりを持って、未公開物件の情報を早めにキャッチできる環境を作っておくことが重要です。

バー・スナックの開業は「居抜き物件」が圧倒的に有利な理由

バーやスナックの開業において、居抜き物件を選ぶことは単なる「節約」ではありません。費用・工期・法規制という3つの面で、居抜きには構造的な優位性があります。

初期費用と工期の削減

バーの内装で費用がかさむのは、カウンター造作、照明計画、防音工事、そして酒類の保管設備です。前がバーやスナックだった居抜き物件なら、これらの設備がそのまま残っていることが多く、改装の範囲を絞り込めます。

コトスタイルでこれまで手がけてきたバーの施工案件を振り返ると、スケルトンから作る場合と居抜きを改装する場合の費用差は、坪数が小さいほど大きくなる傾向があります。

坪数 スケルトンから新装 バー居抜きの改装 工期の目安
6〜10坪 400万〜700万円 100万〜250万円 居抜き:3〜5週間
10〜15坪 600万〜1,000万円 200万〜400万円 居抜き:4〜7週間
15〜20坪 900万〜1,400万円 350万〜650万円 居抜き:5〜8週間

工期が短いことは、単に「早く開けられる」というだけではありません。テナントを借りている間は家賃が発生します。工期が1ヶ月短縮できれば、家賃10〜20万円分のコストが浮く計算になります。資金繰りが厳しい開業初期において、これは小さくない数字です。

防音・排気ダクトのルールをクリアしやすい

バーを開業するうえで、多くの方が見落としがちなのが「防音」と「排気ダクト」の問題です。

まず防音について。深夜に音楽を流す業態では、近隣への騒音対策が必要です。特にビルの2階以上や、住居が隣接するエリアでは、壁・床・天井への防音工事が求められることがあります。スケルトン物件でゼロから防音工事をすると、6〜10坪の小規模店舗でも50万〜150万円程度の追加費用が発生します。

一方、前がバーやスナックだった居抜き物件なら、すでに一定の防音対策が施されていることが多い。もちろん劣化している部分の補修は必要ですが、ゼロから作るよりはるかにコストを抑えられます。

排気ダクトについても同様です。バーでフードを提供する場合、厨房からの排気ルートが必要です。ダクトを新設するには建物の構造に穴を開ける必要があり、オーナーの許可が必要なうえ、工事費も高額になります。前のテナントが飲食を提供していた居抜き物件なら、排気ルートがすでに確保されているため、この問題をクリアしやすいのです。


ポイント

防音・排気ダクトの問題は、スケルトン物件を選んだ後に発覚すると、追加で数百万円の工事費が必要になることがあります。物件を選ぶ段階で「前は何の業態だったか」を確認し、バーや飲食店の居抜きを優先して探すことをおすすめします。

契約前に確認!深夜営業の許可と京都の景観条例

木屋町・祇園でバーを開業するにあたって、法律と条例の確認は絶対に外せません。ここを軽く見て契約を進めると、開業後に営業できない、あるいは大幅な改修を余儀なくされる事態になりかねません。

確認すべき項目は主に3つです。

① 深夜酒類提供飲食店営業の届出
深夜0時以降にアルコールを提供する場合、警察署への「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要です。これはバーやスナックを営業するうえでほぼ必須の手続きになります。

ただし、この届出ができない用途地域があります。住居系の用途地域(第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域など)では、深夜酒類提供飲食店の届出ができません。木屋町・祇園の中心部は商業地域や近隣商業地域が多いため概ね問題ありませんが、エリアの外れや路地の奥になると用途地域が変わることがあります。物件の住所で用途地域を確認してから動くことが必要です。

② 風俗営業許可(スナック・カラオケの場合)
接待を伴うスナックや、ダンスフロアを設けるバー、カラオケを提供する店舗は「風俗営業許可」が必要になります。この許可は取得に時間がかかり(申請から許可まで2〜3ヶ月)、店舗の構造要件(見通しが確保できる配置など)も定められています。内装の設計段階からこの要件を織り込む必要があるため、物件を選ぶ前に営業スタイルを明確にしておくことが重要です。

③ 京都市の景観条例と屋外広告物条例
京都市は全国でも特に厳しい景観規制を持つ都市です。祇園・木屋町エリアは「歴史的景観保全修景地区」に指定されている箇所が多く、看板のサイズ・色・素材、外壁の色彩、ネオンサインの使用などに細かい制限があります。

具体的には、蛍光色や原色系の看板は認められないケースが多く、突き出し看板のサイズにも上限があります。「このエリアでネオンの看板を出したい」という希望が、条例上できないと判明するケースを私は何度も見てきました。


注意

景観条例の確認は、物件を契約する前に行ってください。契約後に「この看板は出せない」「この外装色は認められない」と判明しても、契約を解除することは難しい。京都市の景観政策室への事前相談は無料で受け付けており、計画段階で確認しておくことをおすすめします。コトスタイルでは、こうした行政手続きのサポートも対応しています。

10坪以下の狭小店舗を最大限に活かしたバー施工事例

木屋町・祇園で現実的に狙える物件サイズは、6〜15坪が中心になります。特に予算を抑えたい場合や、空中階の物件を選ぶ場合は、10坪以下の狭小店舗になることも多い。

「10坪以下では狭すぎる」と思う方もいますが、バーという業態においては、狭さは必ずしもデメリットではありません。むしろ、狭いからこそ生まれる親密な空気感、カウンター越しの会話が生まれやすい距離感は、バーの本質的な魅力と重なります。

コトスタイルが手がけた狭小バーの施工事例を2件紹介します。

【事例A】木屋町・空中階・8坪・ウイスキーバーの居抜き改装
前のテナントもバーだった物件で、カウンター7席、ボトル棚、簡易的な厨房設備が残っていました。造作譲渡料は60万円。カウンターの高さが少し低かったため天板を張り替え、照明をすべて間接照明に変更、壁に杉板を貼ってウイスキーバーらしい落ち着いた空間に仕上げました。工事費用は約160万円。造作譲渡料を含めた初期工事コストは220万円で、オープンまで約4週間でした。

オーナーは「最初から居抜き一択で探していた」という方で、工事費を抑えた分を酒のラインナップに充てたいという方針でした。その判断は正解だったと思っています。お酒の品質と品揃えがそのバーの核になるわけで、内装に過剰に投資するより、商品力に投資した方が長く続けられるお店になる、という考え方は理にかなっています。

【事例B】祇園・路地裏・6坪・スケルトンからの新装ミニマルバー
希望エリアで居抜き物件が見つからなかったため、元々倉庫として使われていたスケルトン物件を選択。6坪という極小スペースで、カウンター5席のみのストイックな構成にしました。

防音工事を優先し、壁・天井に吸音材を入れたうえで仕上げ材を施工。深夜に音楽を流しても近隣に迷惑がかからない構造にしました。カウンターは大工の手刻みで製作した一枚板を使用し、照明はダウンライトのみ。余計なものを一切置かない、引き算の美学で設計しました。工事費用は約480万円。6坪にしてはコストがかかりましたが、オーナーの「妥協したくない」という意志を形にした結果です。


この2つの事例が対照的なのは、オーナーの優先事項が違ったからです。一方は「費用を抑えて商品力に投資」、もう一方は「空間そのものにこだわる」。どちらが正解ということではなく、自分が何を大切にするかによって、物件の選び方も内装の方向性も変わってきます。

木屋町・祇園でバーを開業したいと思っているなら、まず「どんなお店にしたいか」を言語化することから始めてください。それが固まれば、物件選びの基準も、居抜きかスケルトンかの判断も、自然と見えてきます。

そして、このエリアの良い物件は本当に早く動きます。表に出る前に決まってしまうものが多い。「良い物件が出たら教えてほしい」という状態を作っておくために、早めに動いておくことをおすすめします。

コトスタイルの物件検索で10坪(33.0579㎡)以下で検索すると400件以上ヒットします。ぜひ物件検索もご利用ください。 → 物件検索


ネットに出回らない非公開物件をご案内|会員登録はこちら

物件契約前にプロと一緒に内見しませんか?無料レイアウト相談受付中