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- コト飲み第8弾|四条烏丸Roji-okuで迎えた新メンバーと、「絞る」という店づくりの本質


7月27日、四条烏丸から路地に入ったところに、今回の店があった。
「Roji-oku(ロジオク)」。名前のとおり、路地の奥にある。大通りから一本入って、さらに奥へ。地図を見ながら歩いていると、「ほんまにここか?」ってなる。でも、それでいい。その「ここか?」感が、もう店の始まりやと思う。
コト飲みも第8弾。今回はDesigner カナザワさん と General Affairs オカモトさん、ふたりの新メンバーを迎えての歓迎会です。場所は四条烏丸にある洋食ビストロ、「Roji-oku(ロジオク)」。今日はその一夜で感じたこと、デザイナー皆と考えたこと、そして社長としてふたりに伝えたかったこと、まとめてお届けします。
この記事でわかること
- 「路地の奥」という立地をブランドにした、Roji-okuの戦略
- 看板メニューを1週間かけて「ローストビーフ一本」に絞った理由
- キャラクター・グッズ展開まで一貫したブランド体験の作り方
- 新メンバーへ伝えた、チームで動くことの意味
Roji-oku(ロジオク)ってどんな店?
まず店の説明を。Roji-okuは、京都・四条烏丸エリアにある洋食ビストロです。
大通りから路地へ折れて、さらに奥へ進む。そのロケーション自体が、もう店の「つかみ」になっています。「Roji-oku」という店名も、「路地の奥」をそのまま名前にしたもの。ネーミングと立地がぴったり重なっていて、一度聞いたら忘れない。
内装は明るくて、天井は低め。でも不思議と圧迫感がない。カウンター6席、テーブル40席、個室が複数という構成で、アクセスのわりに席数があることに驚きます。ゾーニングが優秀で、使い方のバリエーションが広い。
そしてもうひとつ、この店のいちばんの特徴が看板メニューの「京野菜×黒毛和牛A5ローストビーフ」です。このメニューに辿り着くまで、オーナーが1週間試行錯誤したという話を聞いて、私はちょっと身を乗り出してしまいました。それについては後で詳しく書きます。
路地に入った瞬間から、体験は始まっていた
当日、コトスタイルのメンバーが集まって路地を歩いていると、誰かが言いました。「なんか、もうすでに楽しい気持ちになってきた」と。
わかる、と私は思った。路地を歩くという行為自体に、日常から切り離される感覚がある。路地の奥という立地は、一般的には「わかりにくい」「集客しにくい」とマイナスに捉えられがちです。でも、Roji-okuはそれをひっくり返している。
「路地の奥にある」ことそのものを、体験の入口にしてしまった。入る前からすでに、店の世界観の中にいる。これは意図してやらないとなかなかできないことです。
私が長年店舗デザインに携わってきた中で、ロケーションを「弱点」と捉えるオーナーは多い。でも逆張りして、そのロケーションをブランドの核心にした事例は、記憶に残り続けます。Roji-okuはその好例のひとつだと感じました。
「絞る」という意思決定の強さ
入店して、まず目に飛び込んでくるのは、店内のあちこちにあるオリジナルキャラクターの存在です。壁にも、メニューにも、グッズにも。ソックスまでキャラクターのグッズが展開されているという話を聞いて、「そこまでやるか」と思わず笑った。

一貫しているんです。店のトーンが。路地・ビストロ・キャラクター、これらが全部ひとつの世界観の中に収まっている。バラバラではなく、全部がひとつの話の中にある感じ。
そしてフードとドリンクの提供が速い。これもデザイナー目線で言うと、バックヤードとホールのゾーニングが機能している証拠です。席数が多くても回転が乱れない設計というのは意外と難しい。お客さんが多くてトイレ待ちになるほどの繁盛ぶりでしたが、それ以外のオペレーションは淀んでいなかった。
1週間かけて「一本」に絞った看板メニュー
私が一番印象に残ったのは、メニューの話でした。

Roji-okuの看板メニューは「京野菜×黒毛和牛A5ローストビーフ」ひとつに絞られています。いろいろ試した中で、1週間試行錯誤した末に「ローストビーフ一本」という結論に辿り着いたと聞きました。
これ、すごく大事なことだと思う。
店をやる人のほとんどは、「あれもこれも」と広げたがります。それは不安だから。「一本だけだと飽きられるんじゃないか」という恐れから、メニューを増やして守ろうとする。でも実際は逆で、絞った店のほうが印象に残る。絞った店のほうが語られる。絞った店のほうが「また行きたい」が生まれやすい。
ローストビーフを食べながら、私はそんなことを考えていました。
「絞る」という意思決定は、勇気の産物です。広げるのは誰でもできる。でも絞るのは怖い。その怖さを超えた先に、ブランドが生まれる。

デザイナー目線でのRoji-oku評価まとめ
- 路地の奥という弱点をブランドの入口に変えた発想
- 店名・立地・世界観が三位一体になっている
- キャラクターが随所に展開され、体験の統一感がある
- フード・ドリンクの提供スピードが速く、ゾーニングが機能している
- 天井が低くても圧迫感のない空間構成
- 看板メニューを絞ることで記憶に残る店になっている
新メンバー、カナザワさんとオカモトさんへ

コト飲みの主役は、今回はやっぱりふたりです。
カナザワさんとオカモトさんが、コトスタイルに加わってくれた。歓迎会という名目でRoji-okuを選んだのは、「記憶に残る場所に連れて行きたい」という気持ちからでした。初めて行くチームの飲み会というのは、緊張するものだから。その緊張を路地の奥の非日常感でちょっと解いてあげられたらと思っていた。
食事をしながら、私がふたりに伝えたのはシンプルなことでした。
「誠実であること」と「チームで動くこと」。この2つだけです。
誠実というのは、お客さんに対してだけではない。チームのメンバーに対しても、自分自身に対しても誠実であること。できないことをできると言わない。困ったら助けを求める。そういう当たり前のことが、積み重なってチームの信頼になっていく。
チームで動くというのも、「みんなで仲良くしましょう」という話ではなくて。自分の仕事が、誰かの仕事と繋がっている感覚を持てるかどうか、ということ。そのつながりを意識したとき、仕事の質が変わる。
コトスタイルが店づくりに込めること
Roji-okuの夜を経て、改めて思う。
私たちコトスタイルは、実績400件以上の店舗デザイン・内装工事を手がけてきました。その経験の中で確信していることがある。それは、「記憶に残る店には、オーナーの意思決定が宿っている」ということ。
立地を言い訳にしない。メニューを絞る勇気を持つ。キャラクターを全方位に展開する。これらはどれも、「こうする」という明確な意思決定の結果です。
Roji-okuがそれをやっている。だから私たちデザイナーも、その意思決定をどう空間に落とし込むかを考えながら店を作っています。オーナーの「こうしたい」を形にする。それがコトスタイルの仕事です。
カナザワさん、オカモトさん、これからよろしく。ふたりと一緒に、そういう仕事をたくさんやっていきたいと思っています。
コト飲み、次回もどこかおもしろい店を探します。楽しみにしておいてください。

Roji-okuの詳細やメニューは、Roji-oku公式サイトもあわせてご覧ください。
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