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- 京都・店舗デザインの現場で考える、直感の時代の終わりとこれからの意思決定


予測精度が変える、価値づくりと経営の形
僕たちコトスタイルは、店舗デザインの仕事を通じて、お客様一人ひとりの想いが詰まった場をカタチにしています。
街に新しい景色が生まれるその瞬間に立ち会えるこの仕事が、本当に好きですし、これからもずっと大切にしていきたい。
でも今は、そんな店舗づくりの現場にも、テクノロジーの進化がじわじわと影響してきていることを感じています。
だからこそ、少しでも未来に備えて、テクノロジーと戦略について学び続けることが欠かせないと思っています。
今回のプチ連載、6冊目は『プラットフォームの経済学』。 読めば読むほど、「予測」という視点の重要さがひしひしと伝わってきました。
勘と経験ではもう追いつけない
本のなかでもとりわけ印象に残ったのは、予測精度がもたらす影響についての記述。
もはや、勘やコツ、経験といった“肌感覚”だけではビジネスは進められない。
予測の精度がどんどん上がっていくなかで、直感に頼る判断はむしろリスクになりかねない。
読んでいて焦りも感じました。でも、目の前の仕事は待ってくれない。
未来に意識を向けながらも、今すぐに解決しなければならない現実がある。
この両方を同時に進めなければならないのが、今の時代の難しさだなと改めて思います。
データドリブンな経営へのシフト
では、どうすればこの変化の時代に、お店づくりという仕事も進化させていけるのか?
そのヒントはやはりAIやテクノロジーの存在だと感じています。
最近は周りでも、AIを実際に活用している人と、そうでない人との間に明確な差が出てきている。
だからこそ、自分たちももっと柔軟に、学びながら取り入れていかなければと思っています。
ただ、「今あるビジネスにデータを加える」だけでは足りない。
顧客体験そのものをデータで設計し直す視点が必要。
お店づくりのプロセスでも、どんなデータを蓄積するか、どんな予測に基づいて動くか。
さらに、予測が外れたときにどう次の一手を打つか。
その柔軟な姿勢が、これからの街とお店に求められる新しい価値につながる気がしています。
正解ではなく、学習を繰り返す仕組みを
すべてを完璧に設計してから動き出すのではなく、まず動いてみて、修正を繰り返しながら進めていくこと。
そのプロセスこそが、いまのビジネスに必要な「アジャイル」な姿勢なのだと改めて実感しました。
予測をもとに施策を実行し、ズレがあれば素早くチューニングする。
その繰り返しのなかでしか、本当に求められている価値にはたどり着けない。
これは店舗デザインでも同じだと感じます。
完璧な正解は最初からなくて、現場の声を聞きながら、お客様の体験を育てていく。
そんな柔らかさを持って、ものづくりに取り組んでいきたいと思います。
変化の中でも、変えないもの
ただ、変化を恐れずに柔軟に動きながらも、変えてはいけない「軸」はしっかり持っていたい。
私たちは、どんな価値を届けたいのか?
誰のために働いているのか?
この問いに向き合い続けながら、テクノロジーやAIの力も活かしつつ、店舗デザインという仕事を進化させていきたい。
テクノロジーと戦略を学べば学ぶほど、焦りが生まれる瞬間もあります。
でも、だからこそ大切なものをしっかりと持って、しなやかに価値を届けられる企業でありたい。
そんな思いを改めて抱きながら、また次の学びに進んでいきたいと思います。
▶ 前回の記事はこちら
京都・店舗デザインの現場で考える、AIファーストの時代におけるビジネスの見直し