

お店づくりは、決意したその日から「経営」がはじまっている
ちょっと前のことになりますが、グロービス経営大学院を卒業しまして、ずっと憧れてたMBAをなんとか取得することができました。自分のお店づくりの仕事に活かすのはもちろんやけど、一緒に動いてるオーナーさんたちにも少しでも力になれたらと思って、仕事の合間に予習・授業・復習を繰り返してました。応用科目はまだ取得中なんですけどね(笑)。
で、せっかくやし、これからお店を出したいと思ってる方にも、学んだことをちょっとずつお伝えしていこうと思います。第一回目のテーマは「経営戦略」です。
「戦略」ってそもそも何やろ?
「戦略」って聞いて、何を思い浮かべますか?
差別化?ビジョン?ポジショニング?……いろんな答えがありますよね。個人的にしっくりきてるのは、孫子の兵法にある「戦を略す」という考え方です。いかに戦わずして勝つか、ということ。
まあ、著名な先生方がいろんな切り口で書かれてるので、「経営戦略とは」でぐぐって好みのものを見つけてみてください。ここでは、お店づくりの現場に引きつけて話を進めます。
お店をつくるとき、何から考えますか?
「誰に・何を・どうやって提供するか」——お店づくりを考えるとき、まずここから入る方がほとんどだと思います。もちろん、これは大切。間違いない。
でも、ここで止まってしまうと落とし穴があります。
「うまいもん出したらお客さん来るやろ!」って思ってたら、同じ味でもっと安いお店が隣にできた——なんて話、珍しくないんですよね。
自分がやりたいことへの想いは強いのに、「そのニーズが本当にあるのか」という視点が抜けてしまう。これが、ひとりよがりな事業計画になる一番の原因です。
外部環境分析——「勝ち筋」は外の世界にある
経営戦略の第一歩は、外の世界を徹底的に調べることです。
こんなことを調べてみてください
- そのエリアの客単価の相場はどのくらい?
- お客さんが来る動機は「安さ」なのか、「体験」なのか?
- 競合のお店はどんな強みで戦ってる?
- 業界全体として今どんな流れにある?
飲食店なら周辺の客層や競合店、美容室ならリピート率や来店動機……業種によって調べるポイントは変わりますが、「外の世界を知る」という姿勢は共通です。
この分析をしっかりやることで、「自分のお店が勝てる場所」=勝ち筋が見えてきます。
内部環境分析——「できること」を正直に棚卸しする
勝ち筋が見つかったとして、次に問わないといけないのが「それ、自分たちにできるか?」という問いです。
内部環境として確認すること
- そのサービスを実現できる人材はいるか?
- 必要な資金は用意できるか?
- 自分たちの強み・弱みを客観的に把握できてるか?
「自分のことやからわかってる」で済ませてしまうのが一番危ない。自分自身のことこそ、ちゃんと調べる。これが内部環境分析の肝です。
ギャップを埋めることが、経営の仕事
外部分析で見つけた「目指すべき姿」と、内部分析で見えた「今できること」——このギャップをしっかり把握して、どう埋めるかを考える。それがお店づくりにおける経営戦略の核心です。
図にするとこんな流れです。
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① 外部環境分析 | 競合・客層・業界を調べて「勝ち筋」を見つける |
| ② 内部環境分析 | 自分たちの人材・資金・強みを棚卸しする |
| ③ ギャップ把握 | 「目指す姿」と「今できること」の差分を明確にする |
| ④ アクション | ギャップを埋めるための具体的な手を打つ |
この繰り返しが経営です。人事・財務・マーケティングといった細かい話は、また別の回に書いていきます。
まとめ——お店づくりは「決意の瞬間」から経営がはじまる
お店を出すと決めた瞬間から、時間もお金も動き始めます。だからこそ、決意する前から動けることはあるんです。
やりたい想いはもちろん大事。でも、その想いを現実にするためには、外の世界を調べて、自分たちを正直に見つめて、ギャップを埋めていく——この地道な作業が、理想のお店への一番の近道です。
コトスタイルでは、そんなオーナーさんと一緒に考えながら、経験と知識をお伝えして、失敗しないお店づくりをサポートしています。これからも少しずつ情報を発信していくので、ぜひチェックしてみてください。
※ 次回は「ビジョン・理念のつくり方」について書く予定です。







