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- 店舗内装デザインの要望の伝え方7つのコツ|理想を叶える準備リストと注意点


美容室で、なりたい髪型をうまく言えなかったこと、ありませんか。私はよくあります。「こう、軽い感じで、でも重すぎず……」なんて、ふわっとした言葉しか出てこない。それでも腕のいい美容師さんは、こちらの言いたいことを汲み取って、いい感じに仕上げてくれます。あの安心感、いいですよね。
じつは、お店の内装デザインも、これとまったく同じです。私はコトスタイルで京都の店舗開業をお手伝いしていますが、これから打ち合わせを始める方から、こんなご相談をよくいただきます。「頭のなかにイメージはあるのに、うまく言葉にできない」「『おしゃれで落ち着くカフェ』と伝えたのに、出てきた案が、なんか違う……」。
店舗デザインは、洋服のように「完成品を見て買う」ことができません。何もない空間に、あなたの想いを伝え、それをプロがカタチにしていく「ゼロからの共同作業」です。だから、伝え方を少し間違えると、「イメージと違う」「見た目はいいけど働きづらい」「予算を大きくオーバーした案が出てきた」という行き違いが起きてしまいます。
でも、安心してください。プロに要望を伝えるのに、専門用語や建築の知識は、いっさい要りません。必要なのは、ちょっとした「事前の準備」と「伝え方のコツ」だけ。この記事で、その全部をお話しします。初回打ち合わせを、最高のスタートにしましょう。
📌 この記事でわかること
- ①「イメージと違う」が起きる、要望伝達の3つのズレ
- ②打ち合わせ前に準備しておきたい、5つの持ち物・資料
- ③デザイナーに想いを100%伝える、7つの会話のコツ
- ④出てきた図面・パースの、正しいチェックの仕方
なぜ「イメージ通り」にならないのか?3つのズレ

「一生けんめい伝えたのに、出てきた案がしっくりこない」。この悲劇の多くは、オーナー様とデザイナーの間で、3つのズレが起きていることが原因です。
ズレ①:感覚的な言葉の、定義のズレ
「カフェ風」「ナチュラル」「和モダン」「落ち着いた雰囲気」。よく使う言葉ですが、人によって、頭に浮かぶ絵がまったくちがいます。「ナチュラルなカフェ」と言っても、ある人は「白壁と明るい木の北欧風」を、デザイナーは「観葉植物と無骨なコンクリートと古材」を思い浮かべているかもしれません。言葉だけで伝えようとすると、この認識のズレが、致命的なミスマッチを生みます。
ズレ②:「見た目」だけ伝えて「機能(動線)」を忘れるズレ
「SNS映えするカウンターに」「間接照明で高級感を」——見た目の要望に終始してしまうケースです。でも、店舗は人が動き、働き、売上を生む商業空間。レジの位置、商品を運ぶ動線、スタッフの人数、厨房の配線といった、運営に必要な情報が抜けると、見た目はきれいでも、営業しづらくてストレスの溜まるお店になってしまいます。
ズレ③:「予算」を隠して、要望だけふくらませるズレ
「予算を正直に言うと、そのギリギリまで高く見積もられそう」という警戒から、予算を隠したまま、やりたいことだけを伝えてしまうケースです。すると、デザイナーは「上限がない」と受け取り、1,500万円の豪華なプランを作成。でも実際の予算が800万円なら、それはただの「絵に描いた餅」。そこから1ヶ月かけて削る、という悲しい作業が始まります。
【比較】プロに伝わる伝え方 vs 失敗する伝え方
打ち合わせで、どう伝えるか。「失敗する伝え方」と「プロに伝わる伝え方」を、並べてみます。
| 項目 | 失敗する伝え方 | プロに伝わる伝え方 |
|---|---|---|
| イメージ | 「木目調でおしゃれに」と言葉だけ | 画像3〜5枚を見せ「この木の質感と照明の暗さが好き」 |
| 好みの絞り込み | 「好きなお店」の写真だけ見せる | 「絶対に嫌なデザイン(NG画像)」もセットで見せる |
| コンセプト | 「コーヒーとスイーツを出します」 | 「誰に」「どんな居心地を」味わってほしいかを語る |
| 使い勝手 | デザインが固まってから動線を考える | 「ワンオペで回す」などの条件を最初に伝える |
| 予算 | 「安ければ安いほど」「いくらでできますか?」 | 「総工事費◯◯万円以内で」と上限を明確に開示 |
打ち合わせ前に準備したい「5つの資料」

完璧な資料は要りません。次の5つを用意しておくだけで、打ち合わせの質とスピードが、ぐっと上がります。
💡 打ち合わせ前の準備リスト
- ①ビジュアル資料(好きな写真・嫌いな写真)
- ②お店のコンセプトメモ(誰に・何を・どんな体験で)
- ③メニュー案&導入したい機器・備品リスト(サイズ入り)
- ④オペレーションの想定(スタッフ人数・客席数・動き)
- ⑤総工事予算枠&希望のオープン時期
①ビジュアル資料(画像を集める)
いちばん強力な伝達ツールは、「画像」です。PinterestやInstagram、施工会社の施工事例から、直感的に「いいな」と思った写真を10〜20枚スクラップしておきましょう。そして、「好きな画像」以上に効くのが、「絶対に嫌な画像(NG)」です。「木は好きだけど、山小屋のようなカントリー調は嫌」——NG画像があると、デザイナーは一瞬で方向性を絞り込めます。
②コンセプトメモ(誰に・何を・どんな体験で)
デザインは、コンセプトを表現する「手段」です。難しく書かず、スマホのメモに3つだけ。ターゲット(誰に)「30〜40代の近隣の方」、提供価値(何を)「1人で静かに読書できる時間」、滞在シーン「友人と2時間ゆったり」。これがあると、「では椅子は柔らかく」「会話が弾む低めのカウンターに」と、コンセプトに沿った提案が返ってきます。
③メニュー案&機器・備品リスト
メニューで必要な厨房設備は変わります。「使いたいエスプレッソマシンがある」「大型ショーケースを持ち込みたい」など、サイズの決まった機器・家具は、品番と寸法(幅・奥行・高さ)を必ずメモして持参してください。これが抜けると、あとで「置けない」という事態になります。
④オペレーションの想定
毎日お店を回す条件です。「ワンオペか、ピーク時は厨房2人・ホール2人か」「客席は最低15席ほしい」「フルサービスかセルフか」。たとえばワンオペなら、レジに立ちながら厨房と客席を見渡せるレイアウトが必須。先に伝えれば、ムダな歩数を減らす動線が組めます。
⑤総予算枠&オープン時期
何度でも言います。工事に使える総予算(税込上限)は、最初に包みかくさず伝えましょう。「内装工事費として◯◯万円が上限です」「◯月◯日にオープンしたい」。予算とスケジュールは、設計でいちばん大事な制約条件。先に示せば、プロは「その枠で最もクオリティの高い現実的なプラン」を逆算できます。
想いを100%伝える、7つの会話のコツ
打ち合わせ当日、デザイナーを前にしたとき。理想を引き出す、7つのコツです。
- 画像の「どこが好きか」をピンポイントで指さす:「この写真の“天井の無骨さ”が好き」「この“モルタルの質感”が好き(家具の形は違う)」と、素材・照明・色味のどこに惹かれたかを添えます。
- 「好き」と「嫌い(NG)」の境界線を引く:「高級感はほしいが、ホテルのように冷たいのはNG。暖かみのある木の高級感がいい」。NGを伝えると、ムダな回り道がゼロになります。
- 店の「主役」を1つ決める:「入った瞬間に目に入る一枚板のカウンターを主役に」。軸が決まれば、そこに予算を集中し、他は抑えるメリハリ設計ができます。
- デザインと機能の優先順位を共有する:「客席を減らしてでも席間隔を広く」「見た目より回転率を優先」。何を最優先するかが分かれば、デザイナーは迷ったとき正しく判断できます。
- 予算は上限を伝え、コストダウンも相談する:「800万円が上限。オーバーしそうなら、素材のランク調整や居抜き活用のコストダウン案(V/E)も一緒に出してください」と添えると、最初からA案とB案を用意してくれます。
- 憧れの店の「体験」をストーリーで語る:「あのカフェの、カウンターの高さと照明の暗さで、つい長居した。あんな隠れ家の居心地を」。寸法の指定以上に、感性が伝わります。
- 指示しすぎず「プロの余白」を残す:最後に「プロの目で、もっと使いやすく・もっと安くなる提案があれば自由に出してください」と。自分では思いつかない、素晴らしいアイデアが返ってきます。
業態別・伝えるときの固有ポイント
カフェ・飲食店
- 厨房を見せる(オープン)か隠す(クローズド)か
- 調理の煙・匂い、BGMの音響をどうするか
- テイクアウト客と店内客の列(動線)が交差しない工夫が要るか
- ピーク時の食器・カップのストック量
美容室・サロン
- シャンプー台のタイプと台数、給湯・ボイラーの条件
- 通行人や隣席と目が合わないパーティション・席配置
- 照明の演色性:ヘアカラーやメイクの色が正しく見える高演色LEDの指定。色の見え方は平均演色評価数(Ra)で表され、一般にRa80以上が目安。サロンではより高演色のものを選びます。
- ワゴンが動かせる床のフラット化と通路幅
物販・アパレル
- 一番売りたい商品をどこに置き、どう照らすか(VMD)
- ハンガー掛けと棚置きの割合
- ラッピング・袋詰めができるレジ周りの広さ
- 在庫を効率よく積めるバックヤードの棚
図面・パースが出てきたときの、正しいチェック法

1〜2週間後、図面やパース(3Dイメージ)が提案されます。受け取ったとき、どこを見るか。3つの原則です。
原則1:見た目でなく、平面図で「人の動き」を指でなぞる
きれいなパースを見ると、つい「おしゃれ!」と見た目だけで満足しがちです。でも、必ず平面図(上から見た図)を開いてください。そして、自分がお店にいる姿を想像し、指でなぞってシミュレーションします。お客様の動き(入店→着席→トイレ→会計→退店)、スタッフの動き(調理→配膳→下げる→洗い場→レジ)。すると、「トイレが客席から丸見え」「レジ待ちの人とトイレの人が狭い通路でぶつかる」といった、見た目では気づかない問題が見えてきます。
原則2:違和感があれば「なぜこの配置に?(設計意図)」を聞く
「なんでここに壁が?」と感じたら、否定する前に、まず「この配置にした意図を教えてください」と聞いてみましょう。「トイレを客席から隠すため」「ワンオペでも全席に目が届くようカウンターを斜めに」——プロならではの計算が隠れていることが、よくあります。意図を聞いたうえで、納得するか・やはり変えたいか判断すれば、お互いに気持ちよく進められます。
原則3:修正は「理由」をセットで伝える
修正を頼むとき、結果だけでなく「なぜ変えたいか(不都合な点)」を添えます。「カウンターを50cm縮めて」ではなく、「テイクアウトで3人並ぶと入口が混みそう(理由)。だから50cm縮められますか?」と。理由が伝われば、「縮めるより、壁側にベンチを作れば客席を減らさず解決できますよ」と、よりスマートな解決策が返ってきます。
コトスタイルが「対話」をいちばん大切にする理由

私たちが、300件以上のお店づくりでいちばん時間と情熱を注いでいるのが、最初の「ヒアリングと対話」です。お店の本当の主役は、デザイナーの自己満足ではなく、オーナー様の想いと、そこを訪れるお客様だと知っているからです。
1. 言葉にならない想いを、プロが翻訳する
「うまく説明できるか不安」「用語が分からない」——大丈夫です。雑談を交えながら、大切にしている価値観や理想の居心地を、ていねいに紐解きます。雑多な画像や手書きメモからでも、コンセプトの核をつかみ、洗練された図面やパースへと翻訳します。
2. 契約前の無料現地調査で、現場とデザインを直結
初回ヒアリングの段階から、設計と施工が連携し、気になる物件へ現地調査に同行します。要望と同時に、電気容量・配管・景観条例をその場で確認するので、「デザインは良いが現場で作れない」「追加費用で予算オーバー」を最初から防ぎます。
3. 自社で店を運営してきた知見で、売上が立つ動線を提案
私たちは、自社でも飲食店を運営してきました。だから、見た目のおしゃれさだけでなく、スタッフの歩数を減らす厨房動線、回転率と満足度を両立する客席、清掃しやすい素材選びまで、オープン後に売上が立つ提案ができます。
まとめ:正しい準備と伝え方で、理想のスタートを

店舗デザインの成功に、専門知識は要りません。必要なのは、ほんの少しの準備と、プロとの誠実な対話だけです。
💡 要望を伝える、5つの要点
- イメージは言葉でなく「画像」で(好きな写真+嫌いな写真)
- 見た目だけでなく「コンセプト・メニュー・オペレーション」を伝える
- 総予算枠は隠さず最初に提示し、コストダウン案も相談する
- パースの見た目でなく、平面図で「人の動線」を指でなぞる
- 修正は「なぜ不都合か(理由)」をセットで伝える
これらを押さえて打ち合わせに臨めば、あなたの頭のなかの「理想のお店」は、プロの手で何倍も素敵なカタチになります。「まだイメージがまとまっていないけど、話を聞いてほしい」——そんな段階こそ、私たちの出番です。うまく言葉にできなくて大丈夫。一緒に、想いをカタチにしていきましょう。
よくある質問
Q. デザインの専門用語が分からなくても、大丈夫ですか?
まったく問題ありません。専門用語より、「好きな写真」「嫌いな写真」や、憧れのお店で感じた居心地を、そのままの言葉で伝えるほうが、ずっと正確に伝わります。あとはプロが翻訳します。
Q. まだイメージがふわっとしているのですが、相談していいですか?
はい、その段階こそご相談ください。対話のなかで、大切にしたい価値観や理想の居心地を一緒に言語化していきます。むしろ、固まりすぎる前のほうが、良い提案が生まれやすいこともあります。
Q. 予算は、正直に伝えたほうがいいですか?
はい、上限を最初に開示するのがおすすめです。予算を隠すと、現実離れした提案になり、あとで削る作業が発生します。上限を伝えれば、その枠で最もクオリティの高いプランを逆算してもらえます。
京都で店舗の設計・施工をお考えなら、コトスタイルへ
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「まだイメージがまとまっていない」段階からのご相談も、大歓迎です。
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