

出店で失敗しないために。事業計画と店舗デザインで「戦わずして勝つ」仕組みを整える
こんにちは、コトスタイルの穴澤です。
今日も、ビジネスに役立つ言葉として『孫子の兵法』から一節をご紹介します。数千年前に書かれた中国の戦略書でありながら、今も経営者や起業家に広く読まれ続けている一冊です。
その中に、こんな言葉があります。
勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む。
(勝つ軍は、まず勝てる状況を整えてから戦いに臨む。負ける軍は、とにかく戦い始めてから勝とうとする)
この言葉、まさにテナント出店や店舗開業を目指す方にぴったりの教訓だと思いませんか?
ノープランで始めない。勝てる準備を整える
「とにかくお店を持ちたい」
「内装だけ整えて、あとはなんとかなるだろう」
そんな声を耳にすることがありますが、現実はそう甘くありません。
たとえば、物件を契約してから「お客様が来ない」と焦り、ビラ配りやSNSで必死に集客し始めるのは、戦いながら勝ちを求める“敗兵”のパターン。
そうではなく、「誰に、どこで、どんな価値を届けるか」をしっかりと描き、オープン前から取引先・仕入先・PR計画・想定客層などを設計しておけば、開業と同時にスタートダッシュが切れる“勝兵”の状態になります。
京都での出店成功には、戦略が欠かせない
京都は観光地でありながら、ローカルな街でもあります。
繁華街は競合も多く、場所によっては賃料が高く、生活動線や人の流れも複雑です。
そんな土地でテナントを選ぶなら、やはり事前の調査と計画が不可欠です。
- 周辺にどんな業種が多いか
- 平日と休日の人通りにどれだけ差があるか
- 観光客か地元客か、どちらをターゲットにするか
こうした視点を踏まえて、“勝てる場所”で、“勝てる設計”の店舗デザインを計画することが、開業成功の第一歩です。
事業計画は“勝てる戦略”の設計図
孫子が言う“勝兵”の条件とは、戦いの前にすべてが整っていること。
そのために私たちが活用するのが、事業計画書です。
中でも「SWOT分析」は強力なツール。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
この4つの視点から、自分のビジネスを客観的に見直すことで、どこで勝負すべきかが明確になります。
たとえば「料理は絶品で価格も手頃。でも出店候補地には人通りがほとんどない」──そんな場合、戦う場所を変えるべきだと、事前に気づくことができます。
例:最高の弁当を売りたい。でも立地が…
「うちのお弁当は絶対に美味しいし安い。だから売れるはずだ」と自信満々で開業。
けれど、その出店場所にはオフィスも学校もなく、需要がまったくなかった──
これは極端な例に見えますが、実際の現場ではよくあることです。
「勝てる力」があっても、「戦う場所」を間違えると負ける。
これもまた、孫子の言う通りです。
店舗デザインも“戦略”の一部である
テナントが決まり、立地とターゲットが明確になったら、いよいよ店舗デザインのフェーズです。
ここでも「なんとなく雰囲気のいい空間」ではなく、戦略的に設計された空間が必要になります。
- 客単価を上げたいなら座席の配置や動線を見直す
- 長く滞在してほしいなら照明や素材で心地よさを演出する
- テイクアウト中心ならファサードやオーダー導線を最適化する
空間は、目に見えるコミュニケーション。
デザインの力も、勝つための武器になるのです。
最後に|“勝ってから戦う”準備を
テナント開業は、決してゴールではありません。
そこから始まる「戦い」に勝てるかどうかは、事前の準備ですべてが決まります。
勝兵は先ず勝ちて、而る後に戦いを求む。
京都でお店を出したいと考えている方へ。
ぜひ、“戦いの前に勝ちを描く”という視点で、出店計画・事業計画・店舗設計に取り組んでみてください。
私たちコトスタイルは、テナント探しから設計・施工・販促支援まで、一貫してお手伝いしています。
孫子の兵法に学ぶように、勝てる準備を、一緒に整えていきましょう。