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店舗開業の見落とされがちな費用を解説するコトスタイルの資料イメージ

店舗開業で見落としがちな費用とは?供託金の話から気づいた開業資金の死角

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選挙の「供託金」を知って、朝から少し驚いた話

お世話になっております。池田です。

先週末はオリンピックの結果と東京都知事選のニュースをテレビで眺めながら、一日のんびり過ごしていました。体調が優れなかったこともあって、ほぼ動かずにいたのですが、こういう日に限ってテレビから妙に気になる情報が飛び込んでくるものですね。

知事選の報道の中で「供託金」という言葉が出てきました。選挙に立候補するには、事前に一定のお金を預けなければいけない制度で、今回の都知事選では一人あたり300万円が必要だそうです。しかも、有効投票数の10分の1を下回った候補者はそのお金が没収される。没収されたお金は、ポスター掲示板の設置費用や投票用紙の印刷代など選挙にかかる費用の一部に充てられるとのこと。

何度も投票に行っているのに、こんな仕組みがあることを全く知りませんでした。

調べてみると、供託金制度は乱立候補を防ぐための仕組みとして機能しているようで、なるほど、確かに候補者が数十人いる選挙なんかはよく見かけます。知らなかったことが一つ、形になった気がしました。

「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、気になったことを自分で調べていく習慣は、どんな仕事にも通じる力になるのかもしれない。そんなことを考えていたら、ふと思ったんです。

この「知らないうちにかかっている費用」という構造、お店の開業にも全く同じことが起きているな、と。

開業資金の「見えない費用」に気づかないまま進む人が多い

私はコトスタイルで、店舗の設計・施工から物件探しまでお手伝いしていますが、相談に来られるお客様の中で、資金計画の段階でつまずく方が一定数いらっしゃいます。

ほとんどの場合、問題は「資金が足りない」ことよりも「想定していなかった費用が出てきた」ことです。

居抜き物件だから安く済むと思っていたのに、設備の状態が悪くて修繕費がかかった。保証金が想定より高かった。内装工事が始まってから追加工事が発生した。開業してすぐ資金が底をついて、広告も打てない状態になった。

これは能力や準備の問題ではなく、「知らなかった」という一点に集約されます。供託金を知らずに選挙に出ようとしていたのと、構造は同じです。

では、具体的にどんな費用が見落とされやすいのか。私が現場で感じてきたことを整理してみます。

店舗開業で見落とされがちな費用6つ

① 造作譲渡料(居抜き物件)

居抜き物件には、前のお店の設備や内装がそのまま残っています。これを引き継ぐときに発生するのが「造作譲渡料」です。厨房機器・カウンター・照明・エアコンなどをまとめて買い取る費用で、物件によっては数十万円から100万円を超えることもあります。

「居抜きだから工事費が浮く」と思っていたのに、造作譲渡料を含めると結局スケルトンからやるのと大差なかった、というケースがあります。居抜きを検討するときは、造作の金額を最初に確認することが大事です。

② 設備修繕・更新費

居抜きで引き継いだ設備が、必ずしも使える状態とは限りません。換気設備の劣化、グリストラップの詰まり、給排水の老朽化。前の入居者が使っていた設備をそのまま使い続けようとしたら、開業後すぐに故障した、というのはよくある話です。

内見のときに設備の状態をきちんと確認せず、後から修繕費が発生することがあります。プロの目で設備を見てもらう機会を、物件を決める前に設けておくことをおすすめします。

③ 保証金・礼金

店舗物件の保証金(敷金)は、住宅と比べてかなり高い傾向があります。家賃の6〜12ヶ月分を求められることもあり、物件によってはそれだけで数百万円になることがあります。

事前に「保証金は家賃の何ヶ月分か」を確認しておかないと、予算の大部分がそこで消えてしまうことがあります。礼金についても同様です。資金計画を立てる段階で、物件コストの全体像を把握しておくことが重要です。

④ 原状回復費用(退去時費用の積み立て)

退去するときには、物件を元の状態に戻す「原状回復」の費用がかかります。スケルトン渡し(何もない状態)で借りた物件ならスケルトン状態に戻す必要があり、工事費用が発生します。

これは開業時には遠い話に感じるかもしれませんが、退去時に数百万円の工事費が突然発生することがあります。長期的な資金計画の中に、退去コストの概算を入れておくと安心です。

⑤ 開業後の運転資金

開業前にかかる費用ばかりに目が向きがちですが、開業後にも費用は続きます。家賃・光熱費・人件費・仕入れ・消耗品。売上が安定するまでの期間、これらを賄うための運転資金が必要です。

飲食店の場合、開業から売上が安定するまでに3〜6ヶ月かかることが多いと言われています。その期間の生活費と運営費を合わせた金額を、開業前に手元に残しておく必要があります。内装工事にお金をかけすぎて運転資金が不足する、というケースを私は何度も見てきました。

⑥ 保健所・消防・各種申請費用

飲食店を開業するには、保健所への営業許可申請が必要です。業態によっては防火対象物使用開始届や消防設備の設置も求められます。申請自体の手数料は数千円程度のことが多いのですが、消防設備の設置工事が必要になった場合は別途費用がかかります。

また、食品衛生責任者の資格取得(受講料が必要)や、業態によっては深夜営業の許可申請なども必要になります。これらの手続きや費用を把握しておかないと、開業直前になって慌てることになります。

「知らなかった」を減らすことが、開業を安定させる

供託金の話に戻りますが、これは知っている人には当たり前の知識です。でも、知らない人にとっては「選挙に出ようとしたら急に300万円が必要だった」という事態になりかねない。

開業も全く同じです。知っている人には当たり前のことでも、初めて出店する人には盲点になりやすい費用がたくさんあります。

大事なのは、「気になったことを調べる」姿勢を開業準備の段階から持ち続けることだと思います。物件を見に行くのが面倒だと思っている人も、「なぜこの物件はこの家賃なのか」「前のお店はなぜ閉めたのか」「この設備は使えるのか」と疑問を持ち始めると、物件探しが少しずつ面白くなってくる。

好きこそものの上手なれ。開業にかかる費用を一つひとつ調べていくうちに、「自分のお店をどうつくりたいか」というイメージがクリアになっていく、かもしれません。

開業資金の全体像を把握するために、まずやること

費用の全体像を把握するには、ざっくりでいいので「何にいくらかかるか」を一覧にしてみることが有効です。頭の中だけで考えていると、どうしても抜け漏れが出ます。

私がお客様に最初にお伝えしているのは、費用を大きく3つに分けて考えることです。

開業前にかかる費用(初期費用)

物件取得費(保証金・礼金・仲介手数料)、造作譲渡料、内装設計費、内装工事費、設備購入費、各種申請費用、広告・販促費(オープン告知など)。これらを合計したものが初期費用です。居抜きかスケルトンかによって、内装工事費と造作譲渡料の比重が変わってきます。

開業後にかかる費用(運転資金)

家賃、人件費、光熱費、仕入れ、消耗品、広告費など、毎月かかる費用です。売上が安定するまでの期間(最低でも3〜6ヶ月分)を手元に用意しておくことが目安になります。

不測の事態への備え(予備費)

工事中の追加費用、設備の修繕費、開業直後のトラブル対応費など。総初期費用の10〜15%程度を予備費として確保しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

この3つの合計が、開業に必要な資金の全体像です。物件を決める前の段階でこの数字を概算しておくと、どの物件なら無理なくスタートできるかの判断基準が明確になります。

物件探しを「好き」になると、見えてくるものが変わる

物件探しに嫌気が差してくる方は多いです。何件見ても「ここじゃない気がする」「条件が合わない」を繰り返すうちに、疲れてきてしまう。

でも、物件を見続けることで確実に積み上がっていくものがあります。エリアの相場感、物件ごとの個性の見方、「使えそうな設備」と「そうでない設備」の見分け方、家賃と立地のバランス感覚。これは物件を見た数だけ身につく、実践的な知識です。

自分の家を探す以上に大事な判断です。嫌々探すのではなく、一件一件に「なぜこの物件はこういう条件なのか」と興味を持って見ていくと、同じ時間で得られる情報量が全然違ってくる、かもしれません。

好きこそものの上手なれ。物件探しも、費用の調査も、最初は億劫に感じるかもしれないけれど、調べれば調べるほど「自分のお店」の解像度が上がっていく。そのプロセス自体を楽しめると、開業準備はぐっと前に進むと思います。

わからないこと、気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。一緒に整理します。

開業資金・費用のご相談はコトスタイルへ

物件探しから内装設計・施工まで、開業にかかる費用の全体像を一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

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