御幸町通、という通りがある。
寺町や新京極の一本西側。繁華街の喧騒からほんの少しだけ距離を置いた、大人っぽい空気が漂う通りだ。町家を改装したカフェや洋服屋、雑貨店が自然な顔で並んでいて、歩いているだけで「ここで何かやりたいな」という気分になる。
この通りに、東京・大阪で行列をつくっていた「幸せのパンケーキ」が京都上陸を果たした。場所は御幸町蛸薬師上ル。この選択は、立地を仕事にしている自分からすると、かなり理にかなっていると思った。
京都のパンケーキ、その多様さ
まず、京都のパンケーキ事情を少し整理しておく。


ふわふわ系、しっとり系、トッピングで選ぶスタイル。京都でもすでに多くのお店が展開していて、一過性のブームというより完全に定着した食文化になっている。それぞれ個性が違って、どのタイプが好きかで通うお店が変わる。




「幸せのパンケーキ」が御幸町を選んだ理由
御幸町蛸薬師上ル。この住所を聞いたとき、「なるほど」と思った。
京都の飲食出店で悩ましいのは、四条河原町や烏丸周辺の賑わいエリアに入るか、少し外れた通りを選ぶかという判断だ。賑わいエリアは集客力がある分、家賃も競争も高い。外れすぎると認知が難しくなる。
御幸町通はそのちょうど間にある。新京極・寺町から一本西に入るだけで、空気がガラッと変わる。観光客も歩くが、地元の人も普通に使う通り。どちらかに偏りすぎていない、バランスのいい立地だ。
しかも、mumokuteki cafeや町家改装のセレクトショップなど、すでにある程度の「通り格」が形成されている。新しいお店が入ったときに「浮かない」土台ができている、ということが大事で、そこに集客力のある専門店が入ると、通り全体の引力が上がる。
お店の顔は、通りとの対話で決まる
御幸町通のお店を見ていて感じるのは、ファサード(店の正面)の「声の大きさ」が揃っていることだ。大きな看板で叫んでいる店はない。かといって見えないほど小さくもない。「知っている人は来てね」くらいの、ちょうどいい声量で通りに向き合っている。
「幸せのパンケーキ」のような知名度があるブランドなら、看板を小さくしてもそれが「クール」に映る。ブランド力のある店ほど、入口を小さく構えたほうが逆に際立つ、ということがある。御幸町通の空気感はそういうトーンに合っている。
御幸町通で出店を考えるなら
この通りで出店を考えるとき、意識してほしいのは「何を持ち込むか」より「通りの空気に馴染むか」だと思っている。
ターゲットは幅広い。観光客・地元の若い世代・ちょっと大人な客層が混在する。その分、業態の選択肢は広いが、「観光地向けに振り切った」お店は逆に浮く。御幸町らしさは、少しおとなっぽくて、押しつけがましくない雰囲気だ。
カフェ・スイーツ・セレクトショップ・小さなギャラリー兼店舗。そういう業態との親和性が高い。飲食なら、テラスや外向きの席が設けられると、通り全体との一体感が出る。外からお店の中が少し見える設計にするか、あえて見えないようにするか、どちらを選ぶかでお店の「顔」の個性がはっきりと変わってくる。
御幸町エリアで物件をお探しの方へ
コトスタイルでは、御幸町通を含む京都市内のテナント探しから内装設計・施工まで一貫してサポートしている。「この通りに出したい」という段階から相談に乗っているので、まずは気軽に話を聞かせてもらえれば十分だ。
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