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バリューセリングとプロダクトセリング──店舗づくりにも活きる価格戦略の考え方

マーケティングの視点で“価値のある店”を設計するには?

おはようございます。コトスタイルの穴澤です。

今日は、マーケティングについての復習をかねて、「バリューセリング」と「プロダクトセリング」という考え方をご紹介します。

これから京都でテナントを借りてお店を出そうとしている方や、店舗デザインの方向性を考えている方にとっても、とても大切なテーマです。

同じ「水」でも、価格はこんなに違う?

朝、何気なく買った1本の水。
自動販売機では110円、ディスカウントショップで箱買いすれば50円。

ところが、話題になった某高級レストランでは、同じ水が800円で提供されていたという話もあります。

…同じ“水”なのに、なぜこんなに価格が違うのでしょうか?

その答えが、今日のテーマにあります。

プロダクトセリング:商品そのものを軸にした販売

ディスカウントショップで売られている水は、「とにかく安く」が価値基準。
これは、同じ商品ならなるべく安く買いたいというニーズに応える販売方法です。

こういった考え方を、「プロダクトセリング(Product Selling)」と呼びます。
つまり、「商品(プロダクト)を中心に考える売り方」。

ただし、プロダクトセリングは価格競争に巻き込まれやすいというリスクがあります。
他店が10円安くすれば、こちらも下げなければならない…。利益を削る勝負になってしまいがちです。

バリューセリング:体験や価値をベースにした販売

一方、レストランで提供される800円の水。
この価格には、シェフの料理、洗練された内装、美しいテーブルセッティング、落ち着いた空間……すべてを含んだ“体験価値”が含まれています。

これが「バリューセリング(Value Selling)」です。
商品そのものではなく、価値(バリュー)を中心に価格が決まるという考え方。

同じ水でも、どこで・誰に・どんな風に提供されるかで、価格の意味が大きく変わってくるんですね。

京都での出店にこそ、バリューセリングを

京都は観光客も多く、テナント物件の家賃も比較的高い傾向があります。
そこでプロダクトセリングを軸にしてしまうと、どうしても価格競争に飲まれがち。

だからこそ、開業前に「自分のお店が届ける価値は何か」をしっかり言語化することが大切なんです。

たとえば、

  • 地元野菜にこだわった一汁三菜ランチ
  • 京都らしい町家を活かした静かな喫茶空間
  • 一人でも落ち着けるブックカフェ

そういった「らしさ」や「体験」にこそ、お客様はお金を払ってくれます。
これがバリューセリングの店舗設計です。

デザインも、バリューセリングの一部

「商品は同じでも、価値の見せ方が違えば価格は変わる」

これは店舗デザインにもあてはまります。

ただ綺麗に整えるのではなく、どんな時間を提供するか、どんな空気感を届けたいかを空間で表現する。
これこそが、バリューセリングを支える「設計」と「デザイン」です。

コトスタイルでは、テナント紹介からデザイン・施工まで一貫して行いながら、お客様の価値を“空間”に落とし込むお手伝いをしています。

まとめ|あなたのお店の「価値」を言えますか?

価格は、ただの数字ではありません。

あなたのお店が提供する「体験」や「信頼」「こだわり」をどう伝えるかで、その数字が“納得できる金額”になるかどうかが変わってきます。

「安く売る」より、「価値を伝える」──
これが、京都で永く愛されるお店をつくるための第一歩です。

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次回も、マーケティングの視点からお店づくりについて考えてみたいと思います。
お楽しみに!