

― 京都での店舗出店に効く、マーケティングの基本 ―
こんにちは、コトスタイルの穴澤です。
今日も、店舗開業やテナント選びに活きるマーケティングの話を少し。
今回のテーマは、「バリュープロポジション」です。
マーケティングを学んだことがある方は聞き覚えがあるかもしれませんね。
バリュープロポジション=“価値の提案”
まず言葉の意味から。
- バリュー(value) =「価値」
- プロポジション(proposition) =「提案」や「提示」
つまり、バリュープロポジションとは直訳すれば「価値の提案」ですが、マーケティングの世界ではもう少し踏み込んだ意味を持ちます。
「お客様が本当に求めていて、他社では提供できない価値を、自社が提供すること」
これこそが、ビジネスの強み=差別化のコアになります。
京都でテナント開業するあなたへ:何が“選ばれる理由”になる?
たとえば、京都の街で飲食店や美容室を開業するとします。
物件選び、内装、メニュー構成…すべて準備したとしても、「なぜその店が選ばれるのか」がなければ、お客様の記憶には残りません。
ここで必要なのが「バリュープロポジション」の視点です。
以下のような3つの領域で整理してみましょう。
バリュープロポジションを図解で理解する
イメージしやすいように、3つの円を想像してください。

- ① 顧客が望んでいる価値
- ② 自社が提供できる価値
- ③ 他社が提供できる価値
この3つが重なり合う部分にこそ、ヒントがあります。
そして特に注目したいのが、
「顧客が求めていて、他社には提供できないが、自社にはできること」
──この重なりの部分こそが、バリュープロポジションと呼ばれる領域です。
ここを見つけられると、価格ではなく価値で選ばれる店舗になることができます。
実例で考える:バリュープロポジションがあるお店
たとえば…
✳︎ 例1|町家を活かした小さなカフェ
京都の観光地エリアに立地。建物は築100年を超える町家。
この「京都らしさ」「落ち着いた空間」「一人でも過ごせる静けさ」を提供できるのは、町家ならではの店舗だけです。
→ 顧客は「日常の喧騒を忘れるひととき」を望んでいる。
→ 他のカフェでは真似できない、物件の特性と設計が価値に。
→ だから高価格でも納得され、選ばれる店になります。
京都のテナント開業でこそ考えたいこと
京都には、歴史的背景や建築的制約も多く、物件ごとに個性があります。
テナントを選ぶ段階から、「この場所だから提供できる価値」を掘り下げておくことで、物件選びと店舗デザインが“価値提案”そのものになるのです。
私たちコトスタイルは、京都でたくさんの出店をサポートしてきましたが、
どのプロジェクトでもこの「バリュー」に向き合うことを大切にしてきました。
まとめ:あなたの“斜線部分”は何ですか?
バリュープロポジションとは、
「自分たちだけが提供できて、お客様が本当に欲している価値」
を、具体的に言葉にして整理することです。
マーケティングが難しく感じられる方も、
このシンプルな図解を思い浮かべながら、ぜひご自身のお店の“価値”を考えてみてください。
次回は、関連するテーマ「バリューセリングとプロダクトセリング」についてお届けします。
価値をどう伝え、価格に変えていくか――
京都で開業する皆さまにとって、ヒントになればうれしいです。
コトスタイルは京都に特化した店舗専門のテナント仲介・店舗設計施工会社です。
一緒に“価値あるお店”を形にしていきましょう。お気軽にご相談ください。