1. HOME
  2. NEWS
  3. オミセツクルコラム店舗デザイン
  4. 【京都の店舗デザイン施工事例】業種別・おしゃれな内装デザイン集|カフェ・美容室・古民家リノベからオフィスまで徹底解説

【京都の店舗デザイン施工事例】業種別・おしゃれな内装デザイン集|カフェ・美容室・古民家リノベからオフィスまで徹底解説

京都で「選ばれる」お店をつくるために

「京都で店舗デザインをお願いしたい。でも、どこに相談すればいいのか分からない。」

これは、これまで何百件と開業相談に向き合ってきた中で、最も多く聞いてきた言葉のひとつです。検索してみると、施工会社やデザイン会社はたくさん出てくる。でも、実績を見比べても違いが分かりにくい。写真はきれいだけれど、自分の店に合うかどうかは判断しづらい。そんな状態で、時間だけが過ぎていく。決して珍しい話ではありません。

特に京都での店舗づくりは、他のエリアと比べても難易度が高いと感じています。理由のひとつが、景観条例や地域ごとのルールです。看板の大きさ、外壁の色、照明の見え方ひとつで、行政との協議が必要になるケースもあります。また、町家や古民家を活用した物件では、梁や土壁、既存の構造をどう活かすかが、空間の完成度を大きく左右します。単に「おしゃれ」にするだけでは通用しない。京都ならではの文脈を理解した上で設計する必要があります。

最近では、「和モダン×インダストリアル」「町家×ミニマルデザイン」といったテイストの融合も増えてきました。ただ、トレンドをなぞるだけでは、数年後に古く感じてしまうことも少なくありません。大切なのは、そのお店のコンセプトや立地、客層と、デザインがきちんと噛み合っているかどうかです。そこを見誤ると、内装はきれいでも集客につながらない、という状況が起こります。
私たちコトスタイルが大切にしているのは、

「空間づくりを、経営視点で考えること」

です。
見た目のデザインだけでなく、家賃、立地、動線、工事費、将来の改装リスクまで含めて、一緒に考える。物件探しから設計、内装工事、開業後のフォローまでをワンストップで行っているのも、そのためです。途中で業者が分かれると、どうしても責任の所在が曖昧になり、無駄なコストや手戻りが発生しやすくなります。

このブログでは、「京都で施工事例を探している方が、迷わず比較検討できること」をゴールにしています。業種別に、どんな考え方で空間をつくったのか。どこに悩み、どう判断し、何を決め手にしたのか。そのプロセスも含めて、できるだけ具体的にお伝えします。きれいな写真を見るだけでは分からない、現場のリアルを感じてもらえたらと思います。

第1章:飲食店(カフェ・レストラン・居酒屋)のデザイン事例

京都での店舗開業を考えるとき、飲食店の内装工事・施工事例はやはり一番参考になります。理由は単純で、席数・厨房・客動線・照明の効かせ方まで、判断が連鎖するからです。しかも京都は、通りの表情や町並みとの距離感ひとつで「入りやすさ」が変わる。

ここではコトスタイルが手がけた実際の施工事例をもとに、物件の条件を“欠点”ではなく“個性”として拾い上げるための視点を整理していきます。京都 店舗デザインを比較するとき、写真の印象だけで決めずに「どこに意図があるか」を掴めるように、ポイントを言葉にしていきます。

1-1. ルフージュ 様(フレンチ・ビストロ)…街並みに溶け込む「温かみ」のある空間設計

ルフージュ様は、京都市北区の住宅街に位置する、約12.7坪(1階店舗部分)のフレンチビストロです。移転オープンにあたり、「落ち着いた立地」という環境に合わせたファサードデザインが採用されました。北区の住宅街って、派手さよりも“ちゃんと続いていく店”の気配が似合う。ここは、その空気を崩さないことが最初の判断軸になります。

外観は、木目を活かしたデザインと、やわらかな質感の左官壁を組み合わせ、街並みに自然と馴染む佇まいを演出しています。特に、通りから店内の気配をやさしく伝える「丸窓」や「行灯風の照明」が、通行人の興味を惹くアクセントとなっています。強く呼び込むのではなく、歩いている人の足を一瞬ゆるめる。京都の内装工事は、こういう“弱い強さ”が効いてきます。

店内設計においては、以前のお店の雰囲気や使い勝手を大切にしつつ、カウンターとテーブル席の距離感や照明計画を見直しました。これにより、お客様が料理と向き合う時間をゆったりと楽しめる、居心地の良い空間へと再構成されています。あたたかみのある色合いと素材感が、地域に根ざしたお店の魅力を引き立てている好例です。施工事例を見比べるときは、「何を足したか」だけじゃなく、「何を残したか」も、案外その店らしさを決めます。この事例は、「何を残したか」が空気を決める、京都らしい内装工事の形だと思います。写真や素材感、丸窓・行灯風照明の見え方まで確認したい方は、ルフージュ様|京都市北区 フレンチビストロの内装工事 施工事例 もあわせてご覧ください。

1-2. 蔵代醗彩 様(醗酵料理専門店)…京町家の歴史とストーリーを紡ぐ設計

蔵代醗彩(くらだいはっさい)様は、京都市中京区にある味噌と発酵料理の専門店です。1階約11.2坪、2階約7.6坪の京町家を活用した事例です。古民家リノベや町家のリノベーションは、正解がひとつじゃない分、設計側の“姿勢”が空間に出ます。ここは、町家の時間を急かさない設計が選ばれています。

この店舗のデザインテーマは、「発酵食」という文化を伝えるための空間づくりです。大正期から残る土壁をあえて残し、間接照明で照らすことで歴史ある素材感を演出しています。また、建具やアンティーク家具も京町家で使われていたものを取り入れ、新しさの中に懐かしさを融合させました。和モダンという言葉で片付けると軽くなってしまいますが、実際は「素材が語る情報量」をどう扱うか、そこに尽きると思っています。

照明にもこだわり、京都の職人が手がけた「豆腐のような柔らかな印象の和紙照明」を特注で採用しています。さらに、町家ならではの坪庭には、実際に味噌蔵で使われていた味噌樽を配置し、お店の背景にあるストーリーを静かに語りかけるような見どころをつくりました。限られた面積ながら、カウンター、半個室、吹き抜けのある2階席と、場所ごとに異なる表情を楽しめる構成となっています。京都 店舗デザインで“記憶に残る店”って、派手な意匠より、こういう「理由のある置き方」が効くことが多いです。町家や古民家リノベは、正解が一つじゃない分、設計側の姿勢がそのまま空間に出ます。土壁の残し方や和紙照明、坪庭の“理由のある置き方”をもう少し具体に見たい方は、蔵代醗彩様|京都市中京区 京町家(古民家)リノベーション 施工事例 も参考にしてみてください。

1-3. Cafe Celeste(カフェ)…商店街の空気を変える「青」と「白」のコントラスト

Cafe Celeste様は、京都市下京区の松原通沿いにある、約9.5坪のカフェです。以前は洋菓子店だった物件で、前入居者が丁寧に使われていた部分を活かしながらリノベーションを行いました。カフェ 内装は、広さよりも“印象の輪郭”が大事になりやすい。9.5坪というサイズ感は、その勝負ができる面積でもあります。

外観の最大の特徴は、以前のモルタル仕様から一新された「濃いブルーの左官材」です。この深い青色が、商店街の中で視認性を高めるお店の顔となっています。一方、店内は真っ白を基調としたシンプルな空間とし、外観とのコントラストを演出しています。外で惹きつけ、内で落ち着かせる。入口から最初の3秒で、体験の方向を決めにいっている設計です。

内装には、温かみのある木目の床を採用し、安心感のある雰囲気に仕上げました。特に目を引くのは、新たに造作されたショーケースです。タイルと天板を組み合わせたデザインは、外からの視線を引きつける象徴的な存在となっています。壁や棚には間接照明を設置して空間にメリハリを生み出し、テーブルとベンチ席でゆったりとした時間を過ごせる環境を整えています。写真映えって、派手さのことじゃなくて「光がきれいに落ちる場所がある」ことなんですよね。もう少し具体の写真や全体のバランスも見たい方は、Cafe Celeste様|下京区 松原通 カフェ内装の施工事例 もあわせて参考にしてみてください。

1-4. Restaurant USAGI 様(カジュアルフレンチ)…居抜き物件を再生した「上品さと温もり」

Restaurant USAGI様は、京都市上京区にある約10.8坪のカジュアルフレンチレストランです。元々洋食店だった居抜き物件を活用しましたが、厨房の油汚れなどが激しかったため、厨房設備はほぼ新たに造作し直しています。居抜きの内装工事は、使えるものがある反面、見えない負債も出てくる。だからこそ、残す・替えるの判断がすごく大事になります。

デザインのテーマは「上品さと温もり」です。壁には濃いめに着色した木材を貼り、ブラケットライトの柔らかい光を当てることで、落ち着いた上品な雰囲気を演出しました。一方で、床はお施主様自らがDIYで磨き上げることで、空間に手作りの温かさをプラスしています。上品さを“素材の質感”でつくり、温もりを“手の痕跡”で足す。この組み合わせは、10坪前後の店に特に効きます。

既存のものを活かす工夫として、カウンターは元々あったタイルを再利用し、居抜き物件ならではの味わいを残しました。また、機能面ではトイレ前にお客様の視線を遮る衝立(ついたて)を設置し、プライバシーと動線にも配慮した設計となっています。小さな工夫に見えて、こういう“気まずさを消す設計”が、また来たくなる理由になったりします。居抜きの内装工事は“使えるもの”と“見えない負債”が混ざるので、残す・替えるの判断が肝になります。厨房の再構成やタイル再利用、衝立での視線配慮まで見比べたい方は、Restaurant USAGI様|京都市上京区 居抜き再生 レストラン内装工事 施工事例 も参考になります。

1-5. 酒場らいと 様(酒場)…街に開かれた「行灯」のような透明感

酒場らいと様は、京都市下京区の四条通と油小路通の角地に位置する、1階・2階合わせて約29坪の店舗です。ガラスで囲われた外観は、まるで街を照らす「行灯」のような存在感を放っています。居酒屋の施工事例って、店内の写真だけ見ても判断しにくいことがあるんですが、ここは外観の意図がはっきりしているので比較しやすいと思います。

「街に開かれた酒場」を目指し、外観には温かい雰囲気の木材を使用するとともに、入口扉をフルオープンにできる仕様を採用しました。店前にベンチを設けることで、季節の風を感じながら飲食を楽しめる、開放的なファサードを実現しています。角地の強みを「視認性」だけで終わらせず、「滞在できる余白」に変えているのがポイントです。

店内1階は、お客様とのコミュニケーションを重視してカウンターの形状を変更し、しっくい壁やグリーンのタイルで親しみやすさを演出しました。2階は壁を撤去して間取りを変更し、スタッフが客席全体を見渡せるようにカウンターを配置。8人掛けの大テーブルには、杉板の表面を削って木目を浮き上がらせたオリジナル材を使用するなど、素材の質感にもこだわった空間となっています。透明感のある店って、実は“全部見える”店じゃなくて、「見えてほしい場所だけ、ちゃんと見える」店なんですよね。ファサードの開放感や1F/2Fのカウンター配置、素材の使い分けを確認したい方は、酒場らいと様|京都市下京区 四条油小路 居酒屋リノベーション 施工事例 もご覧ください。

飲食店の施工事例を見ていくと、業態ごとに重視すべきポイントがまったく違うことが分かります。では、観光客や通行量を意識する必要がある物販・小売店では、どのような設計視点が求められるのでしょうか。次はその点を具体的に整理していきます。

第2章:物販・小売店の店舗デザイン事例

飲食店の次に多くの方が気になってくるのが、物販・小売店の施工事例です。ただ、京都で物販をやろうとすると、最初に必ずぶつかるのが「景観条例」や「保存地区」という壁です。外観を自由に変えられない。派手な看板も出せない。写真でよく見るような店舗デザインが、そのまま使えない。ここで一度、構想が止まる方も少なくありません。

でも実際の現場では、この“できないことの多さ”が、そのまま設計の軸になります。どうやって目立つか、ではなく、どうやって違和感なく見つけてもらうか。どう主張するか、ではなく、どう溶け込むか。その発想に切り替えられたとき、京都らしい物販店は一気に強くなります。ここでは、そうした制約と正面から向き合った代表的な施工事例をご紹介します。

2-1. MUSASHI JAPAN 京都清水店様【物販店/京都・東山区(清水)】…約5.5坪の極小空間で魅せる「伝統×モダン」の演出

MUSASHI JAPAN 京都清水店様は、京都観光の要所である二寧坂と産寧坂が交わる場所に位置する、和包丁の専門店です。このエリアは「伝統的建造物保存地区」に指定されており、外観に関しては「ほとんど手を入れられない」と言っていい条件でした。ここで無理に目立たせようとすると、すぐにルールとぶつかります。

だから最初の打ち合わせでも、「何を足すか」より「何を触らないか」から考えました。建物の持つ時間の重なりや、通りの空気感を壊さない。その前提に立ったうえで、どうやって“見つけてもらう店”にするか。ここが、この案件の出発点でした。

外観の制約を逆手に取る「暖簾(のれん)」の力

外観の大掛かりな改装ができないため、ファサードの演出は「暖簾の設置のみ」に絞られています。看板も照明も、大きく主張できない。だからこそ、暖簾一枚に情報を集約する設計になりました。この暖簾には、「何屋なのか」「どんな空気なのか」「価格帯の雰囲気はどうか」といった要素が、さりげなく込められています。派手さはありませんが、通りを歩く人の視界に自然に入る。京都では、この“気づかれ方”がとても重要です。強く呼び込まない。でも、見逃されない。その絶妙な位置を狙っています。

「鏡張りの天井」と「照明」で視線を奪う

暖簾をくぐった瞬間、外観とはまったく違う世界が広がります。ここで一気に印象が切り替わる。その仕掛けが、鏡張りの天井と照明計画です。約5.56坪(18.37㎡)という極小空間は、何もしなければ圧迫感が出やすいサイズです。そこで天井に鏡を張り、視線を上に逃がすことで、実際以上の広がりをつくっています。そこに、温かみのあるオレンジ系の照明を重ねることで、包丁の金属感をやわらかく包み込み、冷たさを感じさせない空間に仕上げています。外は控えめ、中は印象的。このギャップが、記憶に残る店舗体験をつくっています。観光地の物販では、この“切り替え”があるかどうかで、滞在時間が変わってきます。

▶ 「手に取りたくなる」ディスプレイと体験の設計

物販店で最も大切なのは、「触れるまでの距離」です。どれだけ良い商品でも、手に取るまでに心理的な壁があると、購入にはつながりにくくなります。ここでは、壁面にマグネット式のディスプレイを採用し、お客様が迷わず包丁を手に取れる構成にしています。外して、持って、戻す。この一連の動作が自然にできる。細かいようですが、こうした設計が購買率に影響します。背面には間接照明を仕込み、商品が浮かび上がるように演出しています。高級感を出しつつ、過剰にならない。そのバランスが、この店舗の品の良さにつながっています。

さらに、中央には「試し切り用の台」を設置しています。狭小店舗で中央スペースを割くのは、正直、勇気が要ります。ただ、この“体験の場所”があることで、包丁が単なる商品から「道具」へと変わる。購入の決断が、一段深いところで起こるようになります。この台の天板には左官材を使用し、中国から取り寄せたタイルと現場で色合わせを行っています。既製品では出せない質感を、手間をかけてつくる。その積み重ねが、空間の説得力になります。

この事例から学ぶ「京都の物販店デザイン」のポイント

この事例を整理すると、京都で物販店をつくるうえで、特に参考になるのは次の3点です。

  • 保存地区では「つくる」より「整える」発想が重要になること
  • 狭小物件でも、鏡・照明・壁面設計で体感面積は大きく変えられること
  • 商品を“試せる場所”を用意すると、滞在と購買の質が上がること

派手な装飾がなくても、人は「理由のある空間」に惹かれます。MUSASHI JAPAN様の事例は、そのことをとても分かりやすく教えてくれる施工事例だと感じています。保存地区は「つくる」より「整える」発想が強くなるので、設計の引き算がそのまま品質になります。暖簾の見せ方、鏡天井と照明、試し切り台の素材感まで押さえたい方は、MUSASHI JAPAN 京都清水店様|東山区(清水)物販店内装 施工事例 もあわせてどうぞ。

第3章:サロン・整骨院の清潔感と安らぎのデザイン

次はサロン・整骨院の施工事例です。ここは飲食や物販と違って、お客様が“身体の情報そのもの”を預けに来る場所です。痛み、不安、焦り、疲れ。そういったものを抱えて扉を開ける人がほとんどです。だから空間には、「治療の場としての信頼感」と、「身を委ねられる安心感」の両方が求められます。この2つのバランスをどう取るか。それが、サロン・整骨院の内装工事における最大のテーマになります。

きれいにすればいいわけでも、温かくすればいいわけでもない。清潔すぎると緊張する。柔らかすぎると不安になる。その微妙な境界線を、素材・色・光でどう引くか。ここが、施工事例を比較するときの大事な視点になります。

3-1. ひなたぼっこ鍼灸整骨院様…「黄色」の安心感と、無機質さを消す“木と緑”の配色

ひなたぼっこ鍼灸整骨院様は、京都市北区の堀川北大路近くにある、約14坪の整骨院です。もともと整骨院として使われていた居抜き物件を活用した開業事例になります。設備が残っている分、初期コストは抑えやすい一方で、「前の院の空気が残る」という難しさもあります。そこをどう乗り越えるかが、最初の設計テーマでした。

▶ 「見つけやすさ」が安心感に変わるファサード

地域密着型の整骨院において、最初のハードルは「この場所にあると知ってもらうこと」と「入っても大丈夫だと思ってもらうこと」です。この2つがそろわないと、どれだけ腕が良くても、最初の来院につながりません。この事例では、遠くからでも認識しやすい「黄色」を外観と看板に採用しました。黄色は目立つ色であると同時に、心理的には“警戒心を下げやすい色”でもあります。通りを歩く人の視界に自然に入り、「なんとなく安心できそうだな」と感じてもらう。その第一印象をつくるための色選びです。京都の街並みの中でも浮きすぎず、それでいて埋もれない。そのラインを狙っています。

▶ 医療空間に“体温”を持たせる素材選び

院内のデザインで強く意識したのは、整骨院にありがちな無機質さをどう和らげるか、という点でした。白い壁、蛍光灯、ビニール床。これらは清潔ですが、どうしても「緊張する空間」になりやすい。そこで、受付スペースの天井には木目を取り入れ、床にはやわらかなグリーン系カラーを採用しています。白一色で清潔感を出すのではなく、自然素材やアースカラーを組み合わせることで、空間に“体温”を持たせる設計にしています。入った瞬間に、肩の力が少し抜ける。その状態をつくれるかどうかが、リピートにつながるかどうかを左右します。照明についても、影を強く出さず、顔色が自然に見える光を意識しています。こうした積み重ねが、「なんとなく落ち着く院」という印象を形づくっています。

居抜きを活かす動線計画

約14坪というコンパクトな空間で、かつ居抜き物件であるため、大幅な間取り変更は行っていません。その代わり、施術ベッドの配置や通路幅、視線の抜け方については、現地で何度も確認を重ねました。入口から受付、待合、施術スペースへの流れが滞らないか。ベッドに横になったときに、人の視線が気にならないか。こうした細かい部分を一つずつ潰していくことで、ストレスのない動線が出来上がります。既存設備を活かしながら、表層デザインで空気を入れ替える。その結果、「根本から治す」という院のコンセプトにふさわしい空間へと再構成された事例です。
整骨院は「清潔」だけでも「温かい」だけでも足りなくて、その間のバランスが信頼感になります。黄色のファサード、木目とグリーンの配色、居抜き動線の整え方まで見たい方は、ひなたぼっこ鍼灸整骨院様|北区 堀川北大路 整骨院内装 施工事例 を参考にしてみてください。

第4章:機能性とデザインを両立するオフィスデザイン

最後はオフィスデザインです。特に士業や相談業務を行うオフィスでは、「信頼感」と「機能性」が同時に求められます。働く側にとって使いやすいこと。相談に来る側にとって安心できること。その両立は、意外と簡単ではありません。

さらに現実的な問題として、オフィス改装はコストとの戦いでもあります。全部つくり替えれば理想に近づきますが、予算は有限です。だからこそ、「どこにお金をかけて、どこを我慢するか」という判断が、空間の質を大きく左右します。

4-1. 西村・塚﨑法律事務所 様…既存設備を活かしつつ、知性と重厚感を演出する空間づくり

西村・塚﨑法律事務所様(大阪市北区)は、事務所拡張に伴い、約19.5坪のスペースに新たな打合せスペースを設けるための改装工事を行った事例です。限られた面積の中で、「相談の質を上げる空間」をどうつくるかがテーマでした。

▶ コストと機能のバランスをとるレイアウト戦略

オフィス改装で予算を圧迫しやすいのが、空調・照明・配線の移設工事です。これを動かし始めると、想定以上にコストが膨らみます。この物件では、エアコンや照明の位置は原則そのまま活かす方針を取りました。その制約の中で、間仕切壁の位置やガラスの使い方を工夫し、視線と動線が整理されるようレイアウトを設計しています。「全部変える」のではなく、「変えない前提で最適解を探す」。この姿勢が、賢いオフィスリノベーションにつながります。

「濃い木目×黒」でつくる信頼の空間

法律事務所に求められるのは、「落ち着き」と「知性」の両立です。そこで内装の素材選びでは、濃い木目のクロスと黒系タイルカーペットを軸に構成しています。視覚的に空間を引き締めつつ、重くなりすぎないバランスを狙いました。また、既存の家具や収納との調和も重視しています。新設部分だけが浮くと、空間全体の説得力が下がってしまうからです。カラーコーディネーター資格を持つスタッフ様と共に色決めを行い、機能性と美意識を両立させた執務空間へと仕上げました。結果として、「話しやすい」「落ち着く」という評価につながりやすい設計になっています。
士業オフィスは「安心して話せる空気」と「機能性」を同時に作る必要があります。移設コストを抑えたレイアウト判断や、濃い木目×黒のトーン設計まで確認したい方は、西村・塚﨑法律事務所様|法律事務所のオフィスデザイン 内装工事 施工事例 もご覧ください。

ここまで、飲食、物販、サロン、オフィスと見てきましたが、こうした設計の考え方は、実は店舗に限った話ではありません。次章では、この視点がそのまま活きる、マンションや住宅のリノベーション事例へとつなげて整理していきます。

第5章:マンション・住宅のリノベーション事例

ここまで、飲食店、物販、サロン、オフィスと見てきましたが、現場でよくいただくのが、「この店舗づくりの考え方って、住宅にも使えるんですか?」という質問です。これは、本当によく聞かれます。

結論から言えば、無理に当てはめる必要はありません。ただ、店舗づくりで培ってきた“空間を編集する視点”は、住まいや収益物件のリノベーションにおいても、結果的に役立つ場面が多いのは事実です。どこを残し、どこを変えるか。どこにお金をかけ、どこを抑えるか。その判断軸は、用途が変わっても共通しています。

住宅の場合は「住みやすさと愛着」、賃貸物件の場合は「選ばれる理由」。ゴールは違っても、既存建物のポテンシャルをどう引き出すかという点では、同じ問いに向き合っています。ここでは、そうした視点が反映されたリノベーション事例をご紹介します。

5-1. マンションリノベーション N邸様…予算配分と素材選びで叶えた“猫と暮らす”こだわりの空間

N邸様は、京都市中京区にある築49年のマンションをご購入され、ご夫婦と猫ちゃん2匹のための住まいへとリノベーションされた事例です(約19.7坪)。物件探しの段階で決め手になったのは、室内から見える抜群の眺望でした。多少古くても、この景色は替えがきかない。その価値をどう活かすかが、設計の出発点でした。築年数が経ったマンションの場合、「全部やり替えるべきか」「使えるものは残すべきか」で悩まれる方が多いですが、この事例もまさにその判断が重要でした。

▶ 既存を活かして、こだわりたい部分に予算を集中する

通常、フルリノベーションでは水回りの移動や配管更新に大きなコストがかかります。ただ、この物件では、前住人の方がすでにキッチンやトイレを改装されており、設備の状態も比較的良好でした。そこで、「無理に替えない」という判断をしています。使えるものは活かす。その分、内装デザインや造作家具にしっかり予算を回す。結果として、全体の満足度が高まる配分になりました。全部を新しくするより、メリハリをつけた方が“納得感のある住まい”になるケースは多いです。

▶ 現場でつくり上げる“質感”のある暮らし

この住まいで特に重視したのは、日々の暮らしの中で「触れる部分」の質感です。キッチンの壁面にはレトロな雰囲気のタイルを採用しましたが、色味や艶感は現場で何度も照明と合わせながら確認しました。カタログだけでは分からない部分を、現地で詰めていく作業です。
リビングには存在感のあるテレビボードをオーダーで造作し、ご夫婦の趣味のアイテムを飾れるスペースとして設計しています。また、猫ちゃんの動線や居場所にも配慮し、段差や窓際の使い方まで細かく検討しています。古いマンションの味わいを残しながら、自分たちらしい要素を丁寧に足していく。その積み重ねによって、「帰るのが楽しみになる家」に仕上がった事例です。

リノベは「全部新しくする」より、既存を活かして“効かせたい所に集中”した方が満足度が上がるケースが多いです。タイル選定や造作家具、猫と暮らす前提の工夫まで追いたい方は、N邸様|京都市中京区 マンションリノベーション 施工事例 も参考にしてみてください。

5-2. リノベーション F邸様・F邸別邸様…「採光の確保」と「断捨離」という異なるテーマへの回答

F邸様とF邸別邸様は、京都市上京区の伝統的な街並みが残るエリアで、同じ施主様の「本邸」と「別邸」を手がけた事例です。同じ方の住まいでも、目的が違えば、設計の考え方は大きく変わります。この案件では、「光をどう取り込むか」と「暮らしをどう軽くするか」という、まったく異なるテーマに向き合いました。

【F邸様】京町家の“暗さ”を解消する逆転の発想

本邸であるF邸様は、約20坪の京町家です。町家特有の課題として、1階に光が入りにくい点があります。周囲との距離が近く、どうしても暗くなりがちです。
そこで採用したのが、「生活の中心を2階に持ってくる」という逆転の発想でした。リビングやダイニングを2階に配置し、1階は水回りと寝室に割り当てています。これにより、日中の明るさを最大限に活かす構成になりました。
玄関の大きな土間も特徴です。トップライトと吹き抜け階段によって、縦方向に光を落としています。将来的な使い方の変化も見据え、配線や照明位置をあらかじめ調整している点も、実務的な工夫です。既存の大黒柱や梁を活かしながら、モダンな外壁と組み合わせたことで、地域性と現代性を両立させています。

▶ 【F邸別邸様】モノを持たない“ミニマリスト”のための設計

一方、F邸別邸様では、「なるべく持たない暮らし」を前提に設計を行いました。生活機能はすべて1階に集約し、2階は畳敷きのフリースペースにしています。
収納をあえて最小限に抑えることで、「入る分だけ持つ」という生活リズムが自然に生まれます。最初は不安に感じる方も多いのですが、結果的に暮らしが整いやすくなるケースも多いです。空間の余白が、心の余白につながっていく。その好例と言えます。

町家は光の取り込み方ひとつで、住まいの印象がガラッと変わります。2階リビングの考え方や土間・トップライト、別邸のミニマル設計まで見比べたい方は、F邸様F邸別邸様|京都市上京区 京町家リノベーション 施工事例 をご覧ください。

5-3. マンションリノベーション 西院賃貸マンション 様…築36年の1室を“光と開放感”で再生

京都市中京区、四条通沿い、西院エリアに近い築36年の賃貸マンションのリノベーション事例です。学生や若手社会人の需要が多いエリアだからこそ、「平均的な部屋」では選ばれにくくなっていました。Beforeでは、細かく仕切られた間取りと古い内装によって、やや暗く重たい印象があったと想定されます。ここをどう変えるかが課題でした。

▶ 部屋を「ゆるくつなげる」開放感

リノベーションでは、壁を減らし、空間同士をゆるくつなげています。完全なワンルームにせず、視線だけを抜く。このバランスが、生活のしやすさと開放感の両立につながります。自然光が奥まで届くようになり、昼間は照明に頼らなくても明るい室内になりました。内見時の第一印象が大きく変わるポイントです。

▶ 清潔感と機能性の両立

内装は、薄い木目をベースに構成し、清潔感と温かみを両立させています。壁紙も場所ごとに貼り分け、単調さを避けています。賃貸でも「ちょっといい部屋」に見える工夫です。水回り設備は一新し、収納も拡張しています。「すぐ住める」「荷物が収まる」という安心感は、成約スピードに直結します。デザインだけでなく、実用性を担保した収益物件リノベーションの好例です。

賃貸リノベは「ちょっといい部屋」に見える理由を、光と素材と間取りで作るのが近道です。空間の“ゆるいつなぎ方”や設備更新、収納の考え方まで確認したい方は、西院賃貸マンション様|西院エリア 賃貸マンション リノベーション 施工事例 もあわせてどうぞ。

京都で理想の空間を実現するために

ここまで、京都の店舗デザイン施工事例を軸に、飲食、物販、サロン、オフィス、そして住宅・リノベーションまで見てきました。用途や業種は違っても、共通しているのは「物件の可能性をどう読むか」「施主様との対話をどこまで深められるか」です。

内装工事やリノベーションは、見た目だけで判断すると失敗しやすい分野です。「なぜこの素材なのか」「なぜこの配置なのか」。その理由を共有できるパートナーと組めるかどうかが、結果を左右します。

もし、もう少し具体的に比較したい場合は、まず
▶ 施工事例一覧ページ(/contents/works/)
をご覧ください。条件の近い事例から、判断のヒントを拾っていただけます。

物件探しから一緒に考えたい方は、
▶ テナント仲介・物件探しページ
も参考にしてみてください。立地と内装を切り離さずに考えることで、無理のない計画が立てやすくなります。

「まだ構想段階だけど、少し話してみたい」という場合は、
▶ 開業相談・問合せフォーム
からご連絡いただいて大丈夫です。方向性の整理だけでも、役に立つことは多いと思います。

まずは事例を見る。次に、自分ごととして考える。必要になったら相談する。その順番で、うまく活用していただければ嬉しいです。京都での店舗づくり、住まいづくりが、納得のいく選択になるよう、これからも現場目線で伴走していきます。