

前半は店舗が検索の場にきちんと立つための基礎体力づくり——GBPの整備やレビューの質を高める部分を中心にお伝えしてきました。ただ、本当におもしろいのはここからです。2026年のローカル検索は、必要な道具をそろえただけでは結果につながりにくくなっています。人の印象が服装だけで決まらないように、店舗の“本当の姿”は Webサイトの中にこそ表れるからです。
息子のサッカーで言えば、ただ走れるようになった後に身につく、試合全体の“流れを見る力”のようなものです。娘のダンスでいえば、振り付けを覚えたあとに出てくる、その子らしい“表情”の部分に近いと感じます。
ここからの後半では、2026年のMEOで最も評価が動く要素——オンページ(Webサイト)と外部評価について、少し深く掘り下げていきます。
4.オンページ(Webサイト)が2026年の「エース」になる
ここからが、2026年最大のポイントです。
4-1.AI検索は「あなたのサイトを“教材”にして答えを作る」
息子のサッカー用のスパイクを探すとき、ぼくはつい、「小学生 芝用 スパイク」とか入れて検索してしまうんですが(笑)、最近の検索結果って、AIがブログ記事やレビューをまとめて“答え”を作って返してくる ことが増えました。これと同じことが、飲食店・整体院・美容室にも起きます。
AI検索は、
- 店舗サイトのサービス説明
- FAQ
- ブログ記事
- 構造化データ(LocalBusiness / FAQ / Product等)
このあたりをまとめて読み込み、
「この店は、こういう特徴があって、こういう人におすすめです」
という“文章”を組み立てます。
「書いていないことは、存在しないのと同じ」問題
つまり、サイトに書いていない情報は、AI検索では存在しない。
- 「どんなメニューがあるか」
- 「どんな悩みの人に合うのか」
- 「なぜこの技術で効果が出るのか」
- 「料金はいくらか」
- 「駅からどう行くのか」
ここをすっ飛ばして、「トップページとアクセスだけ」みたいなサイト構成だと、2026年以降はかなり厳しい戦いになります。
京都の整体院でいえば、
●●整体院京都市中京区の整体院です。
だけではなく、
「慢性的な肩こりと猫背に悩んでいる方を中心に、姿勢写真による分析と、日常動作を変えるためのアドバイスをセットで行う整体院です。」
みたいな、「誰のための店なのか」が一文で伝わる説明を、サイトの中にちゃんと置いておく必要がある。
5.外部評価(リンク・サイテーション)が“AIの裏取り”になる
最後のピースが、外部評価です。
5-1.第三者に「そういう店だ」と言われているかどうか
AI検索が発達すると、Googleは1つのサイトだけを見て判断するのではなく、
- 地域メディア(○○タイムズ、○○新聞Web)
- 商店街の公式サイト
- 観光協会のページ
- 業界ポータルサイト
- 食べログやホットペッパーなどのレビューサイト
こうした複数のソースを見比べて、「この店の情報はどこまで信用できるか」を判断するようになります。娘がダンスの歴史を調べてレポートを書くとしたら、1冊の本だけじゃなくて、何冊かを照らし合わせますよね。AIもそれと同じことをしているイメージです。
5-2.京都らしい外部評価の取り方
京都の場合、特に効きそうなのが、
- 商店街の公式サイト(新京極商店街、寺町、出町桝形など)
- 観光サイト(京都観光Navi等)
- 地域の情報サイト(○○エリアのグルメ情報)
- 行政系(京都市の事業者紹介ページなど)
こうしたところからのリンクや店名の言及。Uberallのサイテーション管理は、ここの「モレをなくす」動きと相性がいい。地味ですが、2026年からはここがじわじわ効いてきます。
6.2026年版 MEO統合モデル(まとめフレーム)
ここまでの話を、一度整理します。
6-1. 4つのレイヤー
1.GBP最適化
・NAP / カテゴリ / サービス・商品 / 営業時間 / CTA導線
2.レビュー戦略
・自然文+具体的な体験
・質の高い返信
・来店直後の依頼動線
3.オンページ最適化(Web)
・店舗ページの設計
・構造化データ
・FAQ
・専門性のあるブログ
4.外部評価(リンク・サイテーション)
・ローカルメディア
・商店街・行政サイト
・業界サイト
・評判サイト・SNS
6-2.どう動けばいいか(順番)
1.土台:GBPをまず整える
ミスがない状態、古くならない状態を作る。(Uberallの本領)
2.レビュー:仕組み化して“自然に増える状態”へ
紙のアンケートだけに頼らず、QRやSMS・LINEで導線をつくる。
3.オンページ:店舗サイトを“AIに読まれる前提”で作り直す
どのページに、どんな情報を、どういう順番で載せるか。ここは正直、まだ多くの店舗が手つかずの領域です。※WEBサイトの製作もできますのでお気軽にご連絡ください。
4.外部評価:一気に全部は無理なので、「取れるところから」やる
商店街のサイトに載っているか?地域情報サイトで紹介されているか?こういうところから、一つひとつ積み上げていく。
7.京都の現場から見える「もう始まっている変化」
最後に、京都ならではの話を少し。
北山エリアのカフェで、サイトのメニューをきちんと書き直して、構造化データも設定してみたところ、AI検索上の紹介文が明らかに変わった、というケースがありました。
それまでは、
「京都市のカフェです」みたいな、どこにでもある説明だったのが、
「北山エリアで、季節のデザートと自家焙煎コーヒーが楽しめるカフェ」
といった表現に変わり、「北山 カフェ デザート」といったキーワード経由のアクセスがじわじわ増え始めた。息子のサッカーも、娘のダンスも、“見せ方”が変わると評価され方が変わる。店も同じで、「どう見せるか」「どう伝えるか」 をちゃんと設計すれば、AIの評価も変わっていきます。
8.2026年、AIが“候補を選び”、人が“選択する”時代へ
帰り道、息子の泥だらけのソックスを眺めつつ、コンビニの前でホットコーヒーを飲みながら、ふとこんなことを思いました。これからの「店選び」は、人がゼロから探すのではなく、AIが候補を3〜5個くらい出してくれて、そこから人が選ぶ形になっていくんだろうな、と。そのとき、「AIに候補として挙げてもらえるかどうか」 が勝負になります。そこに効いてくるのが、今回のblogでずっと話してきた
・GBP
・レビュー
・オンページ
・外部評価
の4つの領域。2026年のMEOは、もはや「テクニックを知っているかどうか」ではなく、店舗の世界観・専門性・地域とのつながりを、デジタル上でどう“翻訳”できるか の勝負になっていきます。Uberallとしては、その翻訳作業の“通訳”役として、お店の人の言葉と、AIが理解できる情報のあいだをつないでいきたい。
AI検索時代のMEOは、難しく見えるかもしれません。でも、一歩ずつ分解していくと、やるべきことは案外シンプルです。
- 1.プロフィールを整える
- 2.お客さんの声をちゃんと受け止める
- 3.自分たちが何者か、言葉にしてWebに載せる
- 4.「あの店いいよ」と言ってくれる第三者を増やす
それを、息子のリフティング練習みたいに、娘のアップとダウンの練習みたいに、少しずつ積み上げていく。2026年、その先のローカル検索で、あなたの店がAIに“真っ先に紹介される店”になるための、ひとつの地図になれば嬉しいです。





