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伝える力は、店舗デザインにも効く──京都・大阪・滋賀でテナント仲介から内装デザインまで

出店前の「なんとなく不安」を言葉に変える──経営大学院で学んだ思考術をお店づくりに活かす

2021年、グロービス経営大学院の単科生として学び始め、2022年に正式入学。2024年にMBA(経営学修士)を取得し、2025年の今も継続して授業に通い続けています。全6回、毎回3時間の授業に向けて予習・講義・復習を繰り返す日々は、経営を“知識”としてではなく“実務”に引き寄せて考える機会になりました。

もともとは、自分自身が経営をあらためて学び直したいという思いでスタートしたのですが、学びを重ねるうちに「これは絶対、出店者の方々にも届けるべき内容やな」と強く感じるようになりました。

そこで今回から、連載という形で、僕自身の復習も兼ねながら、店舗開業を考える方々に少しでも役立ててもらえるような内容を噛み砕いてお届けしていきます。

ピラミッド・ストラクチャーは、現場でも使える

この連載の第1回は、「伝える力」というテーマからスタートです。これは、経営大学院の中でも最初に学ぶ「クリティカル・シンキング」という授業の中で、最後に扱われる内容でもあります。

中でも印象的だったのが、「ピラミッド・ストラクチャー」という考え方。主張と根拠を三角形のセットで積み重ねていくことで、相手に伝わりやすい構造にしていく手法です。

たとえば、「京都でカフェを開業したい」とご相談いただいたとき。僕たちは、物件の候補や過去のデザイン事例をいくつか提示します。でも、それをただ並べるだけでは、相手にとっては情報が多すぎて判断しにくい。

「この立地にはこういう特徴があるからこの業態が向いている」とか、「この予算感でこのデザインを実現できる背景にはこういう工夫がある」といった理由と根拠を明確にセットにして伝えることで、初めて“納得感”が生まれます。

つまり、頭の中で整理できていることを、相手の立場に立って“構造化し直すことが必要になるわけです。

京都の現場に学ぶ「伝え方の設計」

この「構造を組み直す」という感覚は、まさに設計の現場でも日々感じていることです。

一度完成した図面でも、現場に立ってみると「もう少し入口の位置をずらした方が流れがよさそうだな」とか「お客様の動線がこうなった方が注文しやすいかも」といった発見があります。これは、伝え方にもまったく同じことが言えると実感しています。

私たちコトスタイルは、京都を中心に、店舗開業・店舗設計・内装施工をワンストップで支援しています。土地勘を活かした物件提案はもちろん、大阪や滋賀でも地域の特性にあわせたアプローチを行っていて、それぞれの街に合った伝え方・届け方の違いも日々感じています。

伝えることは、相手への敬意

6回にわたるクリティカル・シンキングの授業の中で、最後のテーマとして扱われたのが「伝える力」でした。

その中でも特に心に残っているのが、「伝えるという行為は、相手の感情に対する敬意でもある」という言葉。

いくら論理的に正しい説明をしても、それが相手にとって“届く言葉”になっていなければ意味がない。お店をはじめようと考えている方にとって、物件や工事、設計の話は未知のことが多く、不安があって当然です。

だからこそ、その感情にきちんと寄り添いながら、専門用語をなるべく使わず、順序やトーンも含めて「伝える設計」を考えることが大切だと、あらためて感じました。

ピラミッドで考えると、提案が変わる

最近では、物件のご提案や設計の打ち合わせでも、「この話、ピラミッドになっているかな?」と頭の中で問いかけながら話すようにしています。

  • どんな課題に対しての話なのか
  • どういう視点・枠組みで考えているか
  • どんな選択肢があって、なぜその案をすすめるのか

こうして構造を意識することで、話に筋道が通り、相手の納得も得やすくなると感じています。

まとめ──お店づくりの前に「伝え方」を整える

お店を開くということは、人生の中でも大きな決断です。だからこそ、最初の一歩では不安が多くて当たり前。でも、その不安を少しずつ言葉にして、誰かに相談できるようになったとき、プロジェクトはゆっくりでも確実に前に進みはじめます。

この記事は、経営大学院で最初に学ぶ「考える力」の授業──クリティカル・シンキングをもとにした連載の第1回です。

次回は「論理の三角形」というフレームを使って、考えをどう整理するかについてお話ししようと思います。

京都・大阪・滋賀で、開業に向けて「何から考えたらいいのか分からない」と感じている方がいたら、少しでもヒントになるように。そして、伝える力そのものが、出店準備の“支え”になっていくことを願っています。