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京都・店舗デザインの現場で考える、AIファーストの時代におけるビジネスの見直し

分解と再構築から始まる、新しい価値づくりのヒント

僕たちコトスタイルは、店舗デザインという仕事を通じて、お客様の想いが詰まった場をカタチにするお手伝いをしています。
お店が街に生まれることで、そこに集まる人の景色が変わっていく。
そんな瞬間に立ち会えるのが、この仕事のやりがいでもあり、大切にしている軸です。

そんななかで最近は、テクノロジーと戦略を学ぶことが、日々の仕事にも新しい視点をもたらしてくれていると感じます。

今回のプチ連載、5冊目は『AIファースト・カンパニー』。 読み進めるなかで改めて、「今のやり方」を一度壊してみることの大切さに気づかされました。

「今のやり方」を一度壊してみる

本書では、今のビジネスをそのまま効率化するだけでは不十分だと語られています。
表面的な改善ではなく、もっと本質的な問題は何か?という問いを持つこと。

そのためには、今のサービスを一度アンバンドル(分解)して考え直すことが必要だとありました。

過去の成功体験や常識と思っていたものを一度脇に置いて、これからの時代に本当に必要とされる価値は何かを見出し、再構築(リバンドル)する。

今まで難しかったことが、テクノロジーの進化によって実現可能になっていることも少なくない。
こうした思考の切り替えが、これからのビジネスづくりには欠かせないと感じました。

顧客体験とエコシステムから見えてくる新しい形

アンバンドルして考えるなかで、一番大切なのは「顧客体験価値」に目を向けること

お客様は、どの瞬間に課題を感じ、どんな形で解決されることを本当に望んでいるのか。
これを見つけるのは簡単ではありませんが、そこを見つけられるかどうかが勝負の分かれ目になると改めて思いました。

そして、その価値を届ける方法として、エコシステム的な発想を持つことが大切だという話もとても印象に残りました。

自分たちの手元のリソースだけで完結させようとせず、他社や他業界とのつながりのなかでより良い顧客体験を生み出す。
これはまさに、僕たちの店舗デザインという仕事にも当てはまる考え方だと感じました。

設計・施工だけでなく、まちとの関係性、周囲のお店との連携、そういった広がりの中でどう価値を届けられるか。
そんな視点がますます重要になってくる気がしています。

AI時代に向き合う思考の柔軟性

こうしたビジネス再構築のプロセスにおいては、今やAIの存在は無視できないともありました。
AIは単なるツールではなく、戦略の設計段階から組み込まれるべき存在。

それが「AIファースト」の時代という意味なんだと理解しました。

AIによって「人のバイアスを超えた予測」が可能になる。
だからこそ、私たち自身も思考の柔軟性を持って、今の自分の見方を一度外して未来を見ようとする姿勢が問われている。

これは店舗づくりの現場でも同じ。
お客様がどんな体験を求めているのか、その予測とフィードバックをもっと柔軟に取り入れられる場づくりが求められていくんだと思います。

変化を楽しみながら進んでいくこと

こうした思考の切り替えは、正直頭がふらふらになるほどエネルギーが要ります。
でも今やるかやらないかで、将来に大きな差がつくのは間違いない。

だからこそ、あまり肩に力を入れすぎず、軽やかに、楽しみながら取り組む姿勢も大事にしていきたい。

僕自身、トップダウンで考えを押しつけるのではなく、現場やチームの声をしっかり聴きながら、対話的に未来をつくっていきたいと思っています。

テクノロジーと戦略の考え方は、「ふりかけ型」から「炊き込みご飯型」へ
上から少し味付けを加えるのではなく、素材そのものに深く浸透させて一体化させる
そんなふうにビジネスのあり方が変わってきていることを、今回改めて実感しました。

AIを含む新しいテクノロジーの波が来るなかで、自分たちが本当に届けたい価値は何なのか
改めてそこをしっかりと見つめ直して、店舗デザインという仕事にも活かしていきたい。

ものすごく面白い時代に生きているんだからこそ、焦らず着実に、でも一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。

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京都・店舗デザインの現場で考える、AIの進化とこれからの時代

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