1. HOME
  2. NEWS
  3. 店舗開業ガイド物件探しテクニック
  4. 【京都の店舗物件探し】失敗しない立地選びと出店相談の基礎知識|物件選びで店舗設計の成否が決まる

【京都の店舗物件探し】失敗しない立地選びと出店相談の基礎知識|物件選びで店舗設計の成否が決まる

先日、西大路のマンションから少し歩いて、五条あたりをぶらぶらしていました。路地に入ると、表通りからは想像もできないような静かな空間が広がっていて、古い町家の一角にこじんまりとした雑貨屋さんが店を開けていた。看板は小さくて、通りから見えるかどうかギリギリのラインです。でも、店の中をちらっと見たら、丁寧に選ばれたものが並んでいて、「ここ、めっちゃいいやん」と思わず足が止まりました。

おそらく、ふらっと通りかかって入ってくる人よりも、「あのお店に行こう」と目的を持って来る人の方が多いんだと思います。そういうお店の立地の選び方って、実はすごく考え抜かれているんですよね。

私はコトスタイル株式会社で、京都での店舗の物件探し・立地選定から店舗設計・施工まで出店をワンストップでサポートしています。これまで300件以上のお店づくりに関わってきました。宅建士とインテリアコーディネーターの資格も持っているので、物件選びと店舗設計の両方の視点で見られるのが、私たちの強みのひとつだと思っています。

結論から言います。
「どこに出店するか」という立地の選択は、お店の成否の半分以上を決めます。
それくらい重要な決断なのに、「なんとなく人が多そうだから」「家賃が予算内だったから」という理由で決めてしまう方が、残念ながら少なくありません。今日はその話をしていきたいと思います。

【立地と店舗設計の関係】京都の出店で立地は「広告費ゼロの集客装置」になる

まず最初に伝えておきたいことがあります。大手チェーンはテレビCMや大規模な広告を打って、お店の存在をお客さんに知ってもらうことができます。でも個人の小さなお店が同じことをするのは、現実的に無理です。お金もないし、そもそも規模が違う。

だからこそ、個人店にとっての立地は「広告費ゼロの集客装置」になりえます。歩いていたら目に入った、車で通りがかったら気になった、そういう「自然な認知」を立地で作り出すことができれば、それは毎月お金を払い続ける広告の代わりになります。

逆に、立地で集客できない場所を選んだ場合は、SNSや口コミで補うだけの圧倒的な独自性が必要になる。「路地裏の隠れ家カフェ」や「看板のないお店」というコンセプトは素敵ですが、それを成立させるには相当な商品力と発信力が前提です。基本的には、お客さんの目に触れやすい場所を選ぶことが、事業を早期に軌道に乗せるための王道だと私は思っています。

【京都の店舗物件選びの4つのポイント】物件探し・相談前に確認すべきチェックリスト

では具体的に、何を基準に立地を選べばいいのか。私がいつもお伝えしている4つのポイントを話していきます。

① ターゲットとなるお客さんの生活圏に近いか

これが一番大事です。あなたのお店に来てほしいお客さんは、普段どこで生活していますか?どういう動線で動いていますか?

例えば「仕事終わりにふらっと立ち寄ってほしい立ち飲み居酒屋」であれば、烏丸や四条周辺のオフィス街や主要駅の近くが向いています。一方で「近所のお母さんたちが毎日通うオーガニックの惣菜屋さん」であれば、家賃の高い中心部よりも、生活感のある住宅街の方が圧倒的に有利です。

京都は、通りを一本入るだけで街の雰囲気がガラリと変わります。烏丸通と室町通でさえ、歩いている人の層が違う。だから図面だけ見ていてもわからないことが多くて、実際に足を運んで感じることがすごく大事です。

② 人や車の通りが「量」だけでなく「質」も合っているか

「人が多ければいい」というわけではないんです。これ、意外と見落とされがちなポイントです。

2026年現在、四条通や東山エリアはすさまじい人通りがあります。でもその多くは海外からの観光客です。もし「地元の人に長く愛される定食屋」を目指しているなら、そこに出店してもターゲット層はほとんどいません。

大事なのは「あなたのお店に来てほしい人が、その通りをどれくらい歩いているか」です。曜日と時間帯を変えて、自分の目で確かめてください。平日の昼、土曜の夕方、日曜の朝——同じ通りでも全然違う景色が見えてきます。

③ そのエリアのターゲット層は、今後増えそうか減りそうか

これは少し未来の話になりますが、長くお店を続けるためには避けて通れない視点です。

京都市内でも、マンション建設が進んでファミリー層が増えているエリアもあれば、少子高齢化で単身高齢世帯が中心になっているエリアもあります。JR丹波口駅周辺や地下鉄東西線沿線なんかは、ここ数年で人口構成がかなり変わってきている印象です。

「今そこにお客さんがいるか」だけじゃなくて、「5年後もそこにいるか」を考えてみてください。

④ 近くに同じような個性的なお店が集まっているか

競合が近くにいると聞くと怖くなるかもしれませんが、実はこれが集客の相乗効果を生むことがあります。

「あの辺りに行けば、面白いお店が何かある」という街のブランド力が、人を引き寄せてくれるんですよね。京都で言えば、一乗寺・恵文社周辺のエリア、四条大宮や西院の飲食エリアなんかがそれに当たります。個性的なお店が集まっているエリアに乗っかるのは、実はすごく賢い立地戦略のひとつです。

【家賃と立地のジレンマ】京都の出店で「好立地=成功」とならない理由

ここで、多くの方が陥る罠の話をします。
「良い場所に出せば、必ず売れるはずだ」という思い込みです。

確かに一等地は集客力があります。でも家賃も高い。京都の中心部では坪単価が数万円を超える物件も珍しくない。無理して借りてしまうと、毎月の固定費が重くのしかかって、少し売上が落ちただけで資金繰りが一気に苦しくなります。

これ、将棋に例えると「飛車角を序盤で失った状態」みたいなもので、その後ずっと劣勢のまま指し続けることになる。身の丈に合った物件を選んで、浮いたお金を内装のこだわりやSNSの発信、商品開発に使う——これが個人店にとっての正しいお金の使い方だと思っています。

「一等地で家賃に月50万円払って黙って待つ」より、「少し外れたエリアで家賃を15万円に抑えて、わざわざ来てもらえるお店を作る」方が、小規模な個人店にとっては成功確率が高い。それが私の実感です。

【京都の実例】物件選びの判断が出店の明暗を分けた2つの相談事例

理屈より実例の方が伝わるので、私がサポートしたお客様の話を2つしますね。

成功例|あえて駅前を外して「目的来店」を作り出したカフェ

自家焙煎のコーヒーと手作りの焼き菓子を出すカフェの開業を目指していたEさん。最初は「カフェなら絶対に人通りのある駅前じゃないと」と、烏丸御池周辺の高い物件ばかりを探していました。でも、そこに絞って探すと保証金や礼金だけで予算の大半が飛んでしまう。こだわりたかった焙煎機もアンティークの家具も入れる余裕が全くなくなることがわかりました。

私は駅から徒歩15分ほど離れた、住宅街の路地裏にある古い京町家をご提案しました。家賃は駅前物件の3分の1以下です。Eさんは「こんな人通りのない場所で大丈夫でしょうか…」とかなり不安そうでした。

私はこう伝えました。「今はInstagramで、お客さんが自分でお店を探して来てくれる時代です。家賃を抑えた分、この町家の空間を誰もが写真を撮りたくなるような場所に仕上げましょう。立地のハンデは必ずカバーできます」と。

結果は大成功でした。喧騒から離れた静かな立地が逆に「隠れ家感」を演出して、SNSを通じて口コミが広がった。今では週末になると遠方からもお客さんが来て、オープン前から行列ができています。家賃の負担が軽いから、精神的にも余裕を持った経営ができているとEさんは言っています。めっちゃいいやん、と思いました。やっぱり、ですよね。

軌道修正例|人通りだけで選んで、ターゲットのミスマッチに陥ったアパレル雑貨店

手仕事で作られた上質な器やリネン服を扱うセレクトショップを計画していたFさん。ご自身で物件を探されて、「観光客がたくさん歩いていて絶対に目立つから」という理由で、東山エリアのメインストリート沿いの路面店を契約寸前まで進めていました。

相談に来ていただいたとき、私はストップをかけました。確かに人はたくさん歩いています。でも、その大半は修学旅行生や海外からの団体観光客です。彼らが求めているのは手軽な抹茶スイーツや定番のお土産。Fさんが売りたい、単価の高い作家物の器や服とは、ニーズが根本的にズレています。

「人は歩いていても、Fさんのお店のターゲットはそこにいません。このまま進むと、高い家賃だけを払い続けることになります」とお伝えして、契約を思いとどまってもらいました。その後、観光地からは離れているものの、感度の高い地元住民が散策を楽しむ「丸太町・御所南エリア」に立地を変更。Fさんの扱う商品の価値をきちんと理解してくれるお客さんに恵まれて、今も安定した経営を続けられています。

本当に間一髪でした。あのまま契約していたら、と思うと今でもひやっとします。

まとめ|京都で店舗の物件探し・出店相談はプロに頼る前にこれを読んでほしい

長くなりましたが、整理するとこういうことです。立地は個人店にとって、広告費ゼロの集客装置になりえる。

  • ターゲット層の生活圏に近いか
  • 通行人の「質」が合っているか
  • そのエリアの人口動態はどうか
  • 商業集積の相乗効果を使えるか


——この4点を確認すること。そして、好立地に無理してお金を使うより、身の丈に合った物件を選んで、浮いた分を空間と発信に使うこと。

京都という街は、通りを一本隔てるだけで街の顔が変わります。図面を見ているだけでは、その場所の本当のポテンシャルは見えてきません。「自分のお店にとって本当に最適な立地がわからない」「目星をつけた物件があるけど、ここで決めていいかプロの意見が聞きたい」——そう思ったら、契約する前にぜひ一度話しかけてきてください。

コトスタイルは、物件探しの段階からトータルで一緒に考えます。あなたのお店が京都の街の一部として長く愛されるように、一緒に考えましょう。


コトスタイル株式会社 / 京都の店舗開業ワンストップサポート 実績300件以上 / 2026年「輝く地域企業表彰」受賞