

年が明けて、京都の朝の空気も少しだけ引き締まってきました。
いつもコトスタイルに関わってくださっている皆さま、本当にありがとうございます。出店者さま、テナントオーナーさま、そして現場で一緒に汗をかいてくださる協力会社の皆さまのおかげで、私たちは今年、創業15周年という節目を迎えることができました。
今週の火曜日、社内ミーティングの場で、社長から「これから会社としてどこへ向かうのか」という事業方針の話がありました。普段はそれぞれの現場や案件で手一杯になりがちなんですが、こういうタイミングで一度立ち止まって、同じ方向を見ておくことって、すごく大事だと思っています。
この記事では、その内容を社外向けに整理しながら、今年のコトスタイルが大切にしたい“約束”としてお届けします。
派手な宣言というよりも、出店者さま・オーナーさま・協力会社の皆さまにとって、少しでも安心につながる文章になれば嬉しいです。
今年の方針(結論)|「一件一件の成功確率」を上げる
いきなり結論からいきます。
今年のコトスタイルは、ここに集中します。
「一件一件の成功確率を、これまで以上に上げる」
店舗づくりって、正直“かっこいい内装”だけで終わらないんですよね。物件選び、契約、資金計画、工事、オープン後の運営。どこか一つでも判断がズレると、あとから取り返すのが難しくなる。
だから私たちは今年、規模の話より先に、まずは支援の質を上げます。そのために、体制も仕組みも、発信も、もう一段整えていきます。
15周年の節目に、あらためて向き合った「変化」
15年前と今では、仕事の形が本当に変わりました。
開業の選択肢も増えたし、情報も増えた。便利になった分、迷いやすくもなっている。出店って、夢のある話なんです。でも同時に、現実的な判断の連続でもあります。だからこそ会社としては、「今まで通り」を続けることが一番怖い。当たり前に変化し続けることが、今の時代の“当たり前”だと思っています。
そしてもう一つ。
社外から見ると、コトスタイルの取り組みは少し広がって見えるかもしれません。
「店舗づくりだけじゃないの?」
「空き家のこともやってるの?」
「ブランディングも?」
はい、やっています。
ただ、私たちの中ではずっと一本の線でつながっています。“思いが、ちゃんと形になる”ために必要なことを、入口から出口まで整える。それがコトスタイルの仕事だと思っています。
コトスタイルが目指す未来|小さな場が重なり合う街づくり
僕らがこの15年でやってきたのは、言ってしまえば「お店をつくる仕事」です。でも、現場を積み重ねていくほどに、だんだん見えてきたことがあります。
お店って、一軒だけで完結しないんですよね。
もちろん「この店を出したい」という思いがあって、その思いを形にするのが僕らの仕事なんですけど、その一軒ができた瞬間から、街に何かが起き始める。
人が歩くようになって、近所の空気がちょっと変わって、「次は自分もやってみたい」って人が出てくる。そういう連鎖が起きる街って、やっぱり強いです。
“きれいでわかりやすい街”だけが正解じゃない
最近は、全国どこへ行っても便利で整った景色が増えました。大きな複合施設ができて、動線が整理されて、店も揃っていて、安心感がある。それはそれで、すごく良いと思います。
でも一方で、街を歩いていてふと感じるのが、
「どこも同じ顔になってきたな」ってことです。
街って本来、もうちょっと雑多で、もうちょっと余白があって、看板も、階段も、路地も、店のクセも含めて“街の表情”になっていたはずなんですよね。観光のために、見栄えのために、投資のために、街を“きれいでわかりやすい箱”にしてしまうと、その街が持っていた生命力が弱くなってしまうことがある。
僕らは、そこにすごく慎重でいたいと思っています。
街の魅力は「目的地」より「途中」に宿る
僕自身、街が好きです。
お店が好きというより、街で遊ぶのが好きなんですよね。
「この店に行くぞ!」って決めて行く日もあるけど、本当に楽しいのは、だいたいその途中です。歩いてたら気になる店があって、入ったらたまたま知り合いがいて、そこから次の店が決まっていく。
京都って、そういう“偶然の出会い”が残っている街だと思います。それって、たぶん小さな場が点在していて、ゆるくつながっているから起きるんですよね。大きな正解を一個つくるより、小さな正解がいくつも重なって、街になっていく。
僕らがやりたいのは、こっちです。
小さな場が重なると、街は「エコシステム」になる
街の強さって、賑わいの数だけじゃないと思っています。
もっと言うと、映えとか話題性でもない。僕が大事だと思うのは、「続いていく仕組みがあるかどうか」です。
ここでよく使う言葉が、エコシステム。
ちょっと横文字なんですけど、意味はそんなに難しくありません。エコシステムって、本来は生態系(せいたいけい)のことです。森を想像するとわかりやすくて、木があって、虫がいて、鳥がいて、土が育って…みたいに、いろんな存在が支え合って、全体が回り続けている状態を指します。
街も、実はこれと似ています。
- 小さなお店があって、
- そこに通う人がいて、
- 店主さんがいて、
- 物件を支えるオーナーさんがいて、
- 現場をつくる職人さんがいて、
- 少しずつ会話が増えて、
- 気づいたら“また来たくなる理由”が増えていく。
こういう関係が重なっていくと、街はだんだん「一回うまくいったら終わり」じゃなくて、自然に回り続ける場所になっていきます。
逆に、箱の中だけが完璧に整っていて、外の街と切り離されてしまうと、そこは一時的に賑わっても、どこか“テーマパーク”みたいになってしまうことがある。僕らがつくりたいのは、そういう場所じゃなくて、人も店も仕事も、ちゃんと循環して、街が街として続いていく状態です。小さな場が重なるっていうのは、つまり、街の中に「回り続ける仕組み」を増やしていくことなんだと思っています。
空き家活用やテナント開発は「出店支援のその先」にある
空き家や空き区画が増えているのは、現場でも感じます。
でも同時に、「やりたい人」は確実にいる。ただ、そこで止まってしまう人も多い。何から始めていいかわからない、相場がわからない、誰に相談したらいいかわからない、失敗したら怖い、、、
この“入口の不安”が大きいほど、街の可能性は眠ったままになります。だから僕らは、出店支援だけじゃなく、空き家活用やテナント開発にも踏み込んでいます。
それは新しいことをやりたいからじゃなくて、街の余白を、次の挑戦につなぐためです。
僕らがつくりたいのは「街をきれいにする仕組み」じゃなくて「街が続く仕組み」
街って、きれいにすれば良くなるわけじゃない。むしろ、整えすぎると消えてしまう魅力がある。僕らが大切にしたいのは、
- 小さなお店が挑戦できる余白があること
- ローカルのプレイヤーが主役でいられること
- “入れ替え”じゃなく“更新”が続くこと
- そこで働く人も、暮らす人も、ちゃんと幸せになれること
この条件が揃って、はじめて「小さな場が重なり合う街」になると思っています。僕らは今年も、一件一件の現場を大事にしながら、その先にある“街の続き方”まで考えて仕事をしていきます。
パーパス・ミッション・バリューを、言葉にし直しました
今回、私たちは会社としての軸をあらためて整理しました。
パーパス
「人の思いがちゃんと形になる社会をつくる」
不動産や建築の現場って、情報の差が出やすいんです。本当はもっと良くできるのに、知らないまま進んでしまう。少し整えるだけで変わるのに、条件のせいで不利な選択をしてしまう。そういう“もったいない”を減らしたい。これは綺麗ごとじゃなくて、現場で何度も見てきたからこそ、心から思うことです。
ミッション
「不動産と建築を、人の思いに開かれた仕組みに変えていく」
私たちが物件探しから関わるのは、契約の前に“判断材料”を揃えたいからです。契約してから「思ってたのと違う」が起きると、出店者さんもしんどいし、オーナーさんもしんどい。現場も苦しくなる。だから入口から一緒に整理して、納得して進める状態をつくる。それが私たちの役割だと思っています。
バリュー(行動指針)
優しくまっすぐ向き合う
謙虚に学び共に作る
自分らしく仕事を楽しむ
昨日より少しだけ進む
派手な言葉じゃないかもしれません。でも、この積み重ねが信頼をつくると、私たちは信じています。
コトスタイルの強み|“両面”から支えられること
コトスタイルの特徴は、出店者さま側だけでなく、テナントオーナーさま側の視点でも考えられることです。
- 出店者さまには「開業の成功確率」を上げる提案
- オーナーさまには「資産の次の価値」につなぐ提案
- そして現場には「無理のない段取りと品質」を守る設計
この3つがつながると、判断がブレにくくなります。結果として、関わる人全員が“納得して前に進める”状態をつくりやすくなる。これが、私たちが15年かけて磨いてきた強みだと思っています。
今年、社外のみなさまへお伝えしたい「3つの約束」
最後に、立場の違う皆さまへ、それぞれ約束を残します。
出店者さまへ
最初の一歩がいちばん不安だと思います。物件探しからオープンまで、焦らず、無理なく、納得して進めるように伴走します。「ここ、誰に聞いたらいいんだろう?」というところからで大丈夫です。
テナントオーナーさまへ
空き家や空き区画は、“問題”だけじゃなく“可能性”でもあります。貸す/売るだけではなく、活かし方の選択肢を一緒に整理します。大切な資産が、次の挑戦につながる形を丁寧に考えます。
協力会社のみなさまへ
現場が気持ちよく回ることが、いちばん大事です。段取り、安全、品質。ここを守りながら、良い現場を増やしていきます。いつも本当にありがとうございます。今年も一緒に、良い仕事をしたいです。
最後に|相談の入口を、もっと開いていきます

コトスタイルは今年も、店舗づくりを「工事」で終わらせません。そのお店が続いて、街に根づいて、人が集まって、次の挑戦が生まれる。そこまで含めて、私たちの仕事だと思っています。15周年は、通過点です。ここから先も、関わる皆さまにとって“安心できる存在”でありたい。
「思いが、ちゃんと形になる」
そのために、一件一件、丁寧に。
今年もよろしくお願いいたします。
出店相談:
物件探し/開業計画/設計施工まで、最初の段階からご相談いただけます。
物件相談(オーナーさま):
空き家・空き区画の活用、貸し方の整理からご一緒します。
協力会社さま(職人・施工パートナー):
現場づくりを一緒に支えてくださる方は、お気軽にお問い合わせください。





