おはようございます。コトスタイルの穴澤です。気がつけばもう12月。ついこの間、新年のご挨拶に回っていたような気がしますが、本当に1年は早いですね。
今年もたくさんのお店づくりに関わらせてもらいましたが、ありがたいことに、年末ギリギリまで新しい現場が続きます。今朝は大徳寺殿町で始まった天ぷら屋さんの工事に立ち寄ってきました。担当はムラカミくんです。
物件探しの頃からお付き合いしてきたお客様
こちらのお客様とは、物件探しのタイミングからご相談をいただいていました。最終的に物件は他社さんで見つけられたのですが、「デザインと工事はコトスタイルにお願いしたい」とご指名いただきました。
創業当初から、「物件は他社で見つかったけれど、お店づくりはお願いしたい」というケースは本当に多くて、僕自身とても嬉しく感じています。物件探しの間もずっとお店の話を一緒にしながら進めるので、自然と信頼関係が育っていくのだと思います。
今回は相見積もりで複数社比較される進め方で、もちろんそれも大歓迎です。しっかり比較したうえで選んでもらえるほうが、お客様自身も納得して進められますからね。
ただひとつだけ、毎回お願いがあります。
デザイン・レイアウトだけ持っていくのは、やめてください。
僕たちは「デザイン料を最初に請求する」というやり方はあえてしていません。理由はシンプルで、“まずはお店の全体像を一緒に描きながら、納得してもらいたい”からです。
ただ実際には、レイアウト案をつくり、見積もりをつくり、その裏では職人さんに積算してもらい…と、かなりの時間がかかっています。
職人さん達は本業の工事が終わったあとに時間をつくって数字を出してくれたりします。「コトスタイルのお願いやしな」と、睡眠を削って協力してくれることもある。ほんまにありがたい話ですし、その分こちらも誠意を持って向き合わなければと思わされます。
だからこそ、デザインとレイアウトだけ他社に渡して工事をされるというのは、本当にやめてほしいお客様にとっても、僕たちにとっても、職人さんにとっても、誰にとってもプラスにならない行為だと本気で思っています。
「店舗工事はカオス」という固定観念
現場には水道屋さんも来てくださっていて、朝から少し話をしました。店舗工事って職人さんの間では“あまり良いイメージが持てない”という空気が強いそうです。
理由はとてもシンプルで、
- 工期が短すぎる
- 段取りが不十分
- 職人が同時に入って作業場所の奪い合いになる
- 品質が落ち、クレームにつながる
- 気持ちも荒れ、誰も得しない
こうした“悪循環の現場”をたくさん経験してきた職人さんほど、「店舗工事＝やりづらい」という印象がどうしても残ってしまう。
そんな話の流れの中で、水道屋さんが言ってくれました。
「コトスタイルの現場は工程がきっちりしてるし、スタッフさんが丁寧に管理してくれるから、本当は全部行きたいくらいなんです。」
こう言ってもらえるのは、本当にありがたいことです。
現に、スタッフ同士が日程を調整しようと「この日に来てもらえるように」となんとか予定を確保しようとする結果取り合いになっているようで。それでも予定がどうしても合わず、お断りしないといけない現場も出てくるみたいで申し訳ないとおっしゃってくださいました。
さらに水道屋さん自身も、
「他の水道屋にも、コトスタイルの現場やりやすいって勧めてるんやけど、店舗工事のイメージがどうしても離れへんみたいで…」
と言っていました。
これは、僕たちがいくら丁寧にやっていても、業界全体のイメージが変わらない限り簡単に解決する話ではありません。だからこそ、段取り・工程管理を丁寧に積み重ねることが、僕たちの使命だなと改めて感じました。
（水道屋さん、絶賛急募です。ほんまによろしくお願いします…！）
居抜きだからこそ、精度が問われる工事
今回の工事は、居抜き物件をベースにした“表層リニューアル”が中心です。
- 壁・天井クロス張替え
- カウンターの高さを2cmアップ
- カウンターの天板を突板で変更
- 厨房レイアウトに合わせて排水位置の調整
- 天ぷらを揚げる位置をカウンター裏へ移動
- その他細かな調整 などなど
厨房の奥では水道屋さんが排水の調整を行い、ムラカミくんは既存で利用する高級石のタイルを丁寧に養生してくれていました。
こういう細部の積み重ねが、お店全体の空気を決めると本当に思います。
椅子の高さも決定済みで、ここまで具体的に整えてから現場を動かしているのは、ムラカミくんの段取りの良さがあってこそです。
大徳寺殿町の角地。きっと良い店になる。
場所は、今出川新町を下がった大徳寺殿町という場所で元誓願寺通りとのの角地です。落ち着いたエリアですが、飲食店がぽつぽつと増えていて、きっと地域の方にも愛されるお店になると思います。オープンに向けて、また進捗をレポートしますね。
店舗デザイナー募集中です
これからの時代、デザインだけできてもキャリアとしては厳しくなると思っています。コトスタイルは「デザイン × 建築 × 不動産」を扱えるようになる珍しい会社。
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