

― 年のはじめに「お金と手続き」をちゃんと整理する ―
はじめに|2026年、年始にあらためて考える「開業」という選択
あけましておめでとうございます。
2026年が始まりました。
年末年始、少しゆっくりできた方もいれば、気づけばいつも通り仕事モードに戻っている方もいると思います。この時期、事務所でも自然と増えてくるのが、こんな相談です。
「今年こそ、お店のことをちゃんと考えたいんです」
「でも、何から手をつければいいのか分からなくて」
新しい年のはじめって、不思議なもので、やりたい気持ちと、不安が同時に大きくなるタイミングでもあります。特に飲食店の開業相談で多いのが、
- いくらあれば足りるのか分からない
- 融資って難しそう
- 行政手続きがややこしそう
この3つが頭の中でぐるぐるして、
結局、動けなくなってしまうケース。
でも正直なところ、最初から全部分かっている人なんて、ほとんどいません。だからこそ、このコラムでは「正解を教える」というより、全体像を一度、一緒に整理することを大事にしています。
京都で飲食店を始めるとき、まず知っておきたい「お金の全体像」
飲食店の開業費用というと、どうしても「内装工事費」が一番に浮かびます。もちろん大きな割合を占めますが、実際にはそれだけでは足りません。京都で飲食店を開業する場合、主に必要になるのは次のような費用です。
- 物件取得費(保証金・礼金・仲介手数料など)
- 内装・設備工事費
- 厨房機器・什器備品
- 開業前の準備費(広告、求人、試作など)
- 運転資金(最低でも3〜6ヶ月分)
ここでよくあるのが、
「工事費だけ見て予算を組んでしまう」という失敗。
オープンまでは何とかたどり着いたけど、その後の数ヶ月が苦しくなる。これは本当によく見てきました。
京都の飲食店、実際どれくらいかかるのか
あくまで目安ですが、京都市内で10〜15坪ほどの飲食店の場合、総額で800万〜1,500万円前後このあたりに収まるケースが多いです。
内訳のイメージとしては、
- 物件取得費:150〜300万円
- 内装・設備工事:400〜800万円
- その他準備費+運転資金:250〜400万円
居抜きかスケルトンか、重飲食か軽飲食かで上下しますが、大事なのは金額そのものより、「どこに、どれくらいお金がかかるのか」を知ること。
自己資金と融資、よくある勘違い
「自己資金はいくら必要ですか?」
この質問も本当によく聞きます。
ひとつの目安としては、総額の3割前後。
たとえば1,000万円なら、自己資金300万円ほど。
これがあると、融資の通りやすさも、条件も、かなり変わります。
「自己資金ゼロでもできますか?」
と聞かれることもありますが、正直に言うと、かなりハードルは高いです。無理に進めて、あとから苦しくなるより、一度立ち止まって組み立て直す方が、結果的に早いこともあります。
京都で使われることの多い融資制度
飲食店開業でよく使われるのは、
- 日本政策金融公庫の創業融資
- 京都信用金庫・京都銀行など地域金融機関
特に公庫の創業融資は、京都でも利用実績が多い制度です。ここで大切なのは、立派な計画書を書くことではありません。見られているのは、
- 売上の根拠は現実的か
- 家賃・人件費・原価のバランス
- 生活費も含めて返済できるか
かなり「生活感」のある視点です。
前編のまとめ|まずは「全体像」をつかむことから
前編では、
- 開業資金の構造
- 自己資金と融資の考え方
ここを中心に整理しました。
ここまで読んで、「思ったより現実的だな」と感じた方もいれば、「やっぱり簡単じゃないな」と思った方もいるかもしれません。
でも、それで大丈夫です。
次回の後編では、
京都ならではの行政手続きと、つまずきやすいポイントを、もう少し具体的に見ていきます。
「ここを知らずに工事してしまうと、あとで大変」
そんな話も含めて、続けていきます。





