ニッタベーカリーに見る、共感される店舗デザインのヒント
テレビで話題の「セブンルール」とは？
毎週火曜夜に放送されているドキュメンタリー番組「セブンルール」は、様々な分野で活躍する女性たちの“７つのルール”を通して、その人の価値観や日常の美学を丁寧に描き出す番組です。親近感のある女性たちが、自分らしい働き方や暮らしを見せてくれることで、多くの共感を集めています。
そんな中、ある回で取り上げられたのが、京都・東山区の「ニッタベーカリー」さん。テレビ放送をきっかけに、行列のできる人気店として注目されるようになりましたが、そこにはただのメディア効果では語りきれない、丁寧に設計された“店舗づくりの姿勢”がありました。
テナント再出発の背景と地域とのつながり
「ニッタベーカリー」は、もともと地域で親しまれていたパン屋さん。先代の店主が亡くなられた後、一度は閉店しましたが、5年の時を経て、三姉妹の手で再オープンされました。
店舗があるのは、六波羅蜜寺の近く、東山開睛館のすぐそば。
観光客も地元の方も行き交うエリアで、“まちのパン屋さん”として親しみやすい立地です。再出発にあたり、彼女たちは単にパンを焼くのではなく、地域に合った店構えや、誰でも立ち寄れる店舗デザインを工夫してきました。京都という伝統的な町並みの中に溶け込むような、どこか懐かしくあたたかな雰囲気が特徴的です。
セブンルールが映し出す「働き方の美学」
番組では、三女・里奈さんの掲げる７つのルールが紹介されました。
たとえば、
- 「パンの味は多数決で決める」
- 「“カッコイイ”髪型にする」
といった一見ユニークなルールが並びます。でも、これらはすべて、日々を健やかに働くための“選択”であり、“信念”でもあるのです。
その姿勢は、テナントとしての在り方にもつながっています。
どんなお店にしたいのか、どんな人に来てほしいのか。こうした視点を日々言語化しているからこそ、ニッタベーカリーさんの店舗は“個人経営のパン屋さん”という枠を超え、訪れる人に「また来たい」と思わせる魅力を持つのかもしれません。
京都でのテナント運営に活かしたい視点
今回、現地を訪れて印象的だったのは、店舗のあり方がとても“ちょうどいい”ということ。洗練されすぎず、かといって雑でもなく、店内の空気感や見せ方がとても自然で、地域と共に生きている感覚が伝わってきました。
京都でテナントを運営する上では、この“街との調和”が大きなカギになります。観光地という側面だけでなく、日常の延長として地元の方にも受け入れられること。それを実現するための店舗デザインが、ここにはありました。
自分のルールを言語化してみる
番組の公式サイトでは、「あなたのセブンルール」を自分で作成できるコンテンツもあります。実際に試してみると、当たり前になっている行動や考え方を言葉にすることの難しさに気づかされます。
ですが、店舗を運営する上では、この“ルールを言語化する力”がとても重要です。
たとえば、
- お客様にとって居心地のよい空間とは？
- どんなペースで働きたいのか？
- 自分が大切にしている価値観は何か？
こうしたことを明確にすることで、ブレない空間づくりや、共感されるブランドの形成にもつながっていきます。
まとめ：セブンルールから学ぶテナントづくりのヒント
ニッタベーカリーさんの姿から学べるのは、店舗デザインやパンの味といった目に見える要素だけではありません。その根底には、“どんな自分でありたいか”をきちんと考え抜き、それを形にしていく力があります。
京都でテナントを開業しようとする人にとって、こうした姿勢はとても参考になるはず。空間や商品、サービスに「自分なりのルール」を込めることで、訪れる人にとっても記憶に残る場所になるのではないでしょうか。
さて、あなたのセブンルールは何ですか？
