

(京都のテナント契約で、あとから慌てないための保存版)
契約書を読むのが苦手。これ、全然めずらしくないです。難しい言葉、細かい文字、ページ数の多さ。それに「もう物件決まったし、あとはオープンに向けて走るだけやん…!」っていう高揚感。そりゃ、細部まで読み込むのはしんどい。むしろ自然です。
でも、京都で店舗づくりに関わってきて痛感しているのは、開業の後悔って、工事の失敗より前に“契約”で決まってしまうことが多いということです。とくに「違約金」「原状回復」みたいな“終わりの話”は、始まりの時点では考えたくない。分かります。ぼくも同じです。
ただ、いざ撤退や移転が必要になったとき、契約書のたった一行が、数十万〜数百万円の負担になって戻ってくることがあります。これは脅しじゃなくて、現場で何度も見てきた現実です。
この記事では、専門知識がなくても使えるように、「契約前にここだけは確認してほしい」チェックポイントを20項目にまとめました。読むだけで疲れると思うので、全部覚えなくて大丈夫。必要なところを、必要なタイミングで見返せる“保存版”として使ってください。
【京都 テナント 契約】なぜ契約書は「落とし穴」になりやすいのか
チェックリストに入る前に、まず“構造”を一回だけ共有させてください。ここを分かっているだけで、契約書を見る目が変わります。
「書いてあるのに聞いてない」現象の正体
トラブルのとき、借主さんがよく言うのが「そんな説明、聞いてないです」。一方で仲介側は「重要事項説明で読み上げました」と言う。ここにズレが生まれます。重要事項説明は“概要”であって、“あなたの店の事情”までは踏み込みきれないことが多いんです。さらに、現実の現場では、オーナー側の前提が「言語化されていない」ケースもあります。つまり、契約書に書かれていない“空気”が存在する。
この「言語化されていない前提」が、あとから効いてきます。
京都特有の「慣習」と「曖昧さ」
京都は個人オーナーが多く、昔からの慣習も残ってます。契約書の中に「協議の上」「別途相談」みたいな表現が混じると、借主は“話し合えば何とかなる”と思いがち。でも現実は、話し合いの主導権を持ってる側の解釈に寄りやすい。これが揉める原因になります。さらに京都は古い建物が多い。町家や築古ビル、リノベ済み物件。見た目はきれいでも、設備や構造の“前提”が新築とは違うことがあります。これが、原状回復や修繕負担で火種になる。
結論はシンプルで、契約前に「具体的な質問」を投げて、条件を“言葉と書面”で固めること。そのためのリストが、ここからの20項目です。
【違約金で泣かないために】賃貸契約の徹底チェックリスト20項目
(京都のテナント契約/飲食・物販・美容など共通で使える)
使い方のおすすめ:
内見時の質問リストとして → 申込前 → 契約書案チェック → 重要事項説明の場
の順に、同じ項目を何度でも使ってください。
「一回聞いたからOK」じゃなく、書面に落ちたかを確認するのがコツです。
1.解約予告期間は何ヶ月前か(3ヶ月?6ヶ月?9ヶ月?)
見落としがちな理由:住宅感覚で「1〜2ヶ月前」と思い込む。
起きがちなこと:移転先の家賃と“二重払い”期間が伸びる。
確認の一言:
- 「解約予告は最低何ヶ月前ですか?」
- 「短縮したい場合、違約金や条件はありますか?」
2.中途解約の違約金ルール(残存期間分?定額?)
要注意ポイント:契約期間の途中で解約したら、何が起きるか。
確認の一言:
- 「途中解約の違約金は、どう計算しますか?」
- 「“満了時の解約”と“途中解約”で条件は変わりますか?」
3.定期借家か、普通借家か(更新できる前提でいい?)
ここは超重要:定期借家は“更新がない”前提です。
確認の一言:
- 「この契約は定期借家ですか?普通借家ですか?」
- 「再契約の可能性と条件は、書面で残りますか?」
4.契約期間と更新条項(自動更新?更新手続きが必要?)
見落としがちな理由:「自動更新でしょ」と思い込む。
確認の一言:
- 「更新は自動ですか?それとも手続きが必要ですか?」
- 「更新できないケースって、どんな場合ですか?」
5.更新料の有無・金額・タイミング(京都は要チェック)
京都は更新料文化が残る物件もあります。長く続けるほど効く固定費。
確認の一言:
- 「更新料はありますか?家賃何ヶ月分ですか?」
- 「支払うタイミングは更新時だけですか?」
6.賃料改定条項(いつ、何を基準に上がる?)
「協議の上、改定できる」みたいな文言は、曖昧な分だけ揉めます。
確認の一言:
- 「改定のタイミングと基準は決まっていますか?」
- 「“協議”の具体例(物価連動、相場、固定年数など)を教えてください」
7.共益費・管理費の改定条件(家賃以外の値上げ)
家賃が固定でも、共益費が上がることがあります。
確認の一言:
- 「共益費は固定ですか?改定条項はありますか?」
- 「内訳(清掃、設備点検など)は確認できますか?」
8.初期費用の“総額”の内訳(敷金・礼金・保証金・償却)
見積もりの段階で、言葉が混ざりがちです。
確認の一言:
- 「預けるお金(保証金等)で、戻らない部分はありますか?」
- 「償却・敷引き・解約引きって、どれに当たりますか?」
9.敷金・保証金の返還時期(いつ戻る?何を引かれる?)
資金繰りに直結します。
確認の一言:
- 「返還は解約後何日以内ですか?」
- 「控除項目(修繕費・未払など)の基準は何ですか?」
10.“敷引き/解約引き”の有無(関西で多い)
「預けてるから戻るはず」が通用しない契約もあります。
確認の一言:
- 「敷引き(解約引き)はありますか?金額はいくらですか?」
- 「長期入居で減額されますか?」
11.原状回復の範囲(“原状”っていつの状態?)
店舗は住宅と違って、スケルトン戻しが前提になりやすい。
確認の一言:
- 「原状回復の“原状”はいつの状態ですか?」
- 「スケルトン返しの場合、床・壁・天井の最終状態はどこまで?」
12.スケルトン返しの具体条件(ダクト・配管・床のはつり)
「厨房機器だけ撤去」では終わらないことがあります。
確認の一言:
- 「撤去対象を“設備ごと”にリスト化できますか?」
- 「排気ダクトやグリストラップは撤去対象ですか?」
13.指定工事業者の縛り(退去工事・原状回復工事)
指定業者縛りがあると、費用が読みづらくなります。
確認の一言:
- 「原状回復は指定業者ですか?」
- 「相見積もりは可能ですか?条件は?」
14.退去時の立会い・査定のルール(言い値にならないために)
立会いが“形式だけ”だと揉めやすい。
確認の一言:
- 「退去立会いのチェック項目はありますか?」
- 「入居時の状態確認(写真・チェック表)を残せますか?」
15.居抜き物件の設備の扱い(誰の資産?誰が撤去?)
居抜きはお得に見えて、責任が曖昧だと危険です。
確認の一言:
- 「この残置物は貸主設備?前テナントの残置?」
- 「退去時に撤去義務があるのはどれですか?」
16.“現状貸し”の範囲(壊れても借主負担?)
エアコン・給湯・換気など、壊れたときの負担で揉めます。
確認の一言:
- 「設備の修繕負担はどちらですか?」
- 「保証や点検履歴はありますか?」
17.雨漏り・躯体不良など“建物由来”の修繕責任
「借主負担」と一括りで書かれていると怖い。
確認の一言:
- 「雨漏りなど躯体起因の場合でも借主負担ですか?」
- 「建物側の修繕範囲を明確にできますか?」
18.工事期間中の家賃(フリーレント/日割り)
売上ゼロの期間に家賃が発生すると、資金が一気に削られます。
確認の一言:
- 「工事期間のフリーレントは相談できますか?」
- 「家賃発生日はいつからですか?」
19.用途制限(軽飲食/重飲食、臭い・煙・音の条件)
「飲食可」でも、何でもOKではありません。
確認の一言:
- 「重飲食は可能ですか?ダクト条件は?」
- 「臭い・煙・音のクレーム対応はどうなりますか?」
20.“協議の上”条項の具体化(曖昧さを残さない)
京都の個人オーナー物件ほど、この言葉が強い。
確認の一言:
- 「“協議の上”は、どんなケースを想定していますか?」
- 「条件を“具体的に”書面化できますか?」
【京都 テナント 契約】チェックリストを“効かせる”コツ
(読んで終わりにしないための3ステップ)
ここ、めっちゃ大事なので短くまとめます。
- 1)質問は口頭で終わらせない
- (メールでもいいので記録に残す)
- 2)“書面に落ちたか”を確認する(契約書・覚書・特約)
- 3)工事とセットで考える
- (原状回復=退去時だけの話じゃない)
契約って、怖いのは「相手が悪い」より、認識がズレたまま進むことなんですよね。悪意がないからこそ、ズレが修正されず、最後に爆発する。
だから、たった一言でいい。
「これって、具体的にはどういう意味ですか?」
この質問ができるかどうかで、未来が変わります
まとめ|全部覚えなくて大丈夫。立ち止まれるかどうかが分かれ道
20項目、正直、読むだけでも疲れたと思います。ほんまに。
でも、暗記しなくていいです。むしろ暗記しないでいいように作っています。大事なのは、契約書の前で、“全部お任せ”にせず、一回立ち止まれるか。それだけです。
開業って、気持ちが前に進むぶん、契約の“冷たさ”を見落としがちになります。テンションが上がるほど、細かい文字が見えなくなる。これ、人間として当たり前です。だからこそ、この記事を「契約前に開くための栞(しおり)」として置いておいてください。
【無料相談】契約書の“引っかかり”を、一緒にほどきます
「この条文、なんかイヤな予感する」それ、だいたい当たってます。
・契約書を読んでいてモヤっとする
・原状回復がどこまでか分からない
・違約金の計算が怖い
・京都特有の慣習(敷引き・協議条項など)が不安
こういう段階で、気軽に相談してもらうのが一番いいです。
コトスタイルは設計・施工の実務をやっているチームなので、「契約の一文が工事と運営にどう影響するか」を現場目線で整理できます。
事務所(京都市下京区/四条周辺)で、気軽に話せます。
〒600-8494 京都府京都市下京区傘鉾町54 光月堂ビル2F
「まだ決めきれてない」「資料が揃ってない」でも大丈夫です。むしろ、その状態の相談が一番多いです。
必要なら、このチェックリストを使って、一緒に“質問文”まで作ります。胸を張ってハンコを押せる状態にしてから、前に進みましょう。





