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「失敗しない立地選びのコツ」で実現する!京都の隠れた名店に学ぶ集客戦略

祇園祭がある京都の7月。四条界隈にはいつもよりずっと人が多くなる。そんな通りを歩きながら、ふと細い路地を覗くと「え、こんなところに?」っていう名店がぽつんと現れたりする。
京都という街は、ときどきそういう“意表を突く”ロケーションに名店が隠れている。それも決して偶然やなくて。そこには「選び取った理由」がある。
僕自身、京都で生まれ育って現在44歳。大学も就職も建築の道を選び、今は「コトスタイル」という店舗づくりの会社を経営して14年。学生の頃から見てきた四条烏丸や五条通、堀川や御池周辺が、まったく違う風景に変わっていくのを間近で見てきた。店舗がどこに集まって、どんな人たちが出店して、どうやって人を呼び込むか。そういう動きを、ずっと“現場”で見てきた。
だからこそ、声を大にして伝えたい。「京都でお店を開くなら、“表通り”にこだわりすぎないで」と。

今回は、「京都における立地の選び方」をテーマに、あえて“目立たない場所”にあえて出店して人気店になった事例や、エリアの変化を見越して成功したケースなどを交えて、「立地の真髄」に迫ってみようと思う。

「目立たなさ」が武器になる場所もある

「ここって人通り、そんなに多くないですよね?」っていう場所なのに、なぜかお客さんが絶えない。そんなお店を見たことないですか?
たとえば、五条通から少し入った住宅街の中。観光客が通るようなルートではない。でも、地元の人にとっては「落ち着いて食事ができる」「子ども連れでも入りやすい」といった理由でファンになる。
もうひとつは、御幸町や麩屋町のような“裏通り系”。パッと見は静かだけど、実は「歩いて楽しい通り」として人気が出る。実際、僕が学生だった頃は、まだ御幸町にはそんなに店がなかった。でも、今は雑貨屋やカフェ、小さなギャラリーまで並んで、休日にはカップルや家族連れがぞろぞろ歩いている。
つまり、「立地の価値」は“表通りかどうか”だけじゃない。どんな人が来て、どう使って、どう居心地を感じるか。その体験価値”を見抜けるかどうかが大事だ。

コトスタイルが見ている“土地の表情”

うちはデザイン会社やけど、不動産屋と同じくらい、いやそれ以上に物件の動きに敏感やと思う。というのも、僕たちが扱うのは「店舗をつくる場所」やから。お客さんにとっては、立地と内装は切り離せない。
たとえば、「この場所、坪単価は安いけど、角地で間口が広いから看板が効く」とか、「駅から離れてるけど、駐車場つきの物件だから地域密着型には向いてる」とか。そういう情報は、ただのスペックじゃなくて、そこに集まる“人の気配”や“時間の流れ”とセットで見てる
特に京都の場合、「賃料が安い=穴場」とは限らない。住宅地にぽつんと空いた物件でも、近所の大学の帰りに寄る学生が多かったり、観光シーズンにだけ人が押し寄せたりと、“一時的な賑わい”があるエリアもある。
立地を見るときは、そういう“波”も読む。だから、「ただの不動産屋さん」じゃ伝えきれない視点があるんです。

地図では見えない「お客様の流れ」を読む

お店って、“立ってる場所”よりも“流れてくる人”で決まる。
Googleマップやストリートビューで見ただけではわからない、季節や時間帯によって変化する「人の流れ」がある。
たとえば、同志社大学の周辺は平日のお昼前後がにぎやかだけど、土日は落ち着いている。逆に嵐山や祇園のような観光地は、季節によってまるで別の街になる。春や秋は人があふれていても、真夏や真冬は静まり返る。
そのリズムをつかむには、紙の地図じゃなく“自分の足”で歩くこと。
どんな人がどんなスピードで歩いてるか。カップルなのか、ファミリーなのか、外国人観光客なのか。その観察をしていると、「この通り、何か始まりそうやな」っていう直感が湧いてくる。
実際、最近の例でいうと、七条通の南側。以前は飲食店が少なかったのに、ここ数年でカフェやクラフトビールのお店が点々と出てきてる。こういう“小さな波”に気づけるかどうかで、店舗の可能性は大きく変わる。

京都の立地選び、最後は「誰に届けたいか」

立地って、つまるところ「誰に来てほしいか」を明確にする作業なんです。
地元の常連さんに愛される店を目指すのか。 一見さんでもSNSで話題になればOKなのか。 家族づれやベビーカーも想定するのか、それとも大人向けの静かな空間を作りたいのか。
それによって、選ぶべき場所も、導線のつくり方も、内装のあり方も変わってくる。
店舗づくりは「箱」だけの話じゃない。土地、人、時間、空気。そういう見えない要素をまるごと読んで、組み合わせていく“編集作業”なんです。

まとめ:地味な立地にも光を当てる“編集者”として

京都でお店を始めるなら、表通りじゃなくても大丈夫です。 いや、むしろ“地味な場所”にこそ、伸びしろがあることも多い。
ただし、その場所の「文脈」を読めるかどうかが鍵になります。
僕らコトスタイルは、京都の街を歩き尽くし、物件の表情と、そこに集まる人たちの気配を見てきたからこそできる提案があります。
「この場所、ありやな」そう思ったら、ぜひ一度相談いただければと思います。

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