

2025年4月9日、阪急西院駅から徒歩4分ほどの静かな通り沿いに、「やきとり来蕾鳥」がオープンしました。
店主の上阪喜代志さんは、大阪で6店舗の焼き鳥店を経営。20年以上のキャリアの中で、初めて京都への出店を果たしました。
限られた予算の中で「売れるお店」を作り上げるために、どんな準備をすればいいのか。いくつもの繁盛店を手がける上阪さんならではのノウハウを存分に発揮しつつ、大阪や京都との商習慣の違いに戸惑うこともあったといいます。オープンまでの道のりはどんなものだったのでしょうか。じっくりお話を伺いました。
前編・後編の2回に分けてご紹介します。
——まずは、上阪さんのこれまでのご経歴を教えていただけますか。
上阪さん:24歳のときに大阪で最初のお店を立ち上げて以来、
焼き鳥は最初はフランチャイズのお店から始めて、その後オリジナルの店舗
それからは数年ごとに新しい店を作って、現在は大阪で焼き鳥店を
——すでに6店舗も!なぜ今回は京都に出店されたのでしょうか。
上阪さん:実は家族の事情で、大阪から京都に引っ越すことになったんです。通勤時間が長くなってしまうので、それなら大阪の店舗は従業員に任せて、個人で新しい店をやろうと物件を探し始めました。
——物件探しはどのように進めていかれたのでしょうか。
上阪さん:自宅から通いやすい、西院から大宮あたりを中心に探していました。広さは10坪から15坪くらい、駅から近いこと、家賃が予算に合うことが条件でした。
物件探しにあたって、時間帯によって人の流れがどうなるのか、エリア内の飲食店の数がどのくらいあるのか、見込める客数や競合する焼き鳥店の動向といった市場調査も自分で進めました。
——やはり、7店舗目ともなると独自のノウハウをお持ちですね!物件探しはスムーズに進みましたか?
上阪さん:いえ、実はこの物件に決まるまで思っていた以上に時間がかかり、1年ほどかけて探しました。京都は保証会社の審査の仕組みが違っていたり、契約までの流れが大阪とは違ったりと、商慣習の違いに当初は戸惑いましたね。
——同じ関西でも、そんなに違うものなのですか。お店をオープンされた西院エリアは、上阪さんにとってどんな魅力がありますか?
上阪さん:西院は以前から出店している大阪・福島に似ているという印象を持っています。繁華街からの距離がほどよく、中継地点として電車やバスのアクセスもいいですね。注目度が高いエリアなので、路地のような目立たないところにお店があっても、インターネットで集客しやすそうだと感じました。
実は、西院では福島に店舗を持つ焼き鳥店が複数出店しています。「この店でこのくらい集客できているから、自分でやるならこのくらいの売上になるだろう」と見込みが立てやすかったです。
——なるほど!この物件を選んだ決め手を教えていただけますか。
上阪さん:コトスタイルさんへは、最初は別の物件で問い合わせをして内覧をしました。その後、コトスタイルさんが所有している今回の物件へ改めて問い合わせて、物件を見学させてもらいました。
広さがちょうどよく、駅から近いロケーションが魅力でした。ただ、家賃は予算オーバーだったので、そこは交渉させていただきました。
——家賃交渉はどのように進められたのですか?
上阪さん:まず、このエリアの同じような条件の物件の購入価格調査をしてみたのですが、コトスタイルさんが提示された金額は少し高いように感じました。
家賃は売上の10%程度に抑えるべきだと考えていて、見込める売上額からすると予算オーバーでした。コトスタイルさんに少し下げてほしいとお願いし、話し合いの結果、こちらの希望の満額は叶いませんでしたが双方が納得できる価格にはなりましたね。
——開業後の経営のあり方をしっかり見据えたお店づくりを進めていかれたのですね。
後編では、工事の内容について詳しくお聞きしていきます。
「やきとり来蕾鳥」様
所在地:〒615-0012 京都府京都市右京区西院高山寺町1−4