人気観光スポットの二条城から徒歩5分ほど。2019年4月、静かな住宅街の一角に「炭火と天ぷら 二条えん」がオープンしました。
店主は、和食を中心に20年以上のキャリアを持つ水本正智さん。独立に至るまでの経緯や、改装工事についてお話しを伺いました。
前後編に分けてご紹介します!
国内外の名店で経験を積み
さまざまなご縁を得て独立へ
――水本さんは、今回の独立まではずっとお料理一筋で来られていたのでしょうか。
水本さん:
はい、17歳のころから20年以上、ほとんど和食ばかりですね。うどんすきで有名な大阪の「美々卯」からスタートし、異動があって京都でも働いていました。その後、海外の客船内での和食部門や、東京のホテルのレストランなどを経験し、京都に戻ってからは「葱や平吉」の店長兼料理長をさせていただいたり、最後は高台寺にある京料理店「羽柴」でも料理長をさせていただきました。
ほとんどが厨房でのお仕事でしたが、「料理だけができても商売はできないだろう」と考えて、大手飲食チェーン店で店舗マネージャーをさせていただいたこともあります。
――数々の名店で料理の腕を磨きつつ、お店の経営についても考えておられたのですね!独立するにあたって、どんなお店にするかという構想はお持ちだったのでしょうか。
水本さん:
「葱や平吉」時代にカウンターでお客様とお話しながら料理をしていまして、その時にカウンターの面白さを教えてもらった気がしたんです。なので、自分のお店をするならカウンターをメインにしたいと考えていました。それともう一つ、私は日本酒がとても好きでよく飲みに行くのですが、バーだとあまり食事ができないことが多いんです。日本酒が美味しくて、ご飯もしっかりしたものが食べられる店がやりたいとも思っていました。
――なるほど。たしかに、メニューを拝見すると、京都のものを中心に日本酒が20種類ほどあって、天ぷらや炭焼、牛ホホ肉の煮込みまで、お料理も多彩ですね。
お店づくりはどんなことから始められましたか。
水本さん:
最初はあいまいなイメージではありましたが、物件探しはしていました。当初は木屋町周辺で物件を探したのですが、とある物件をご案内いただいている際に、隣の建物が工事をしていたんです。工事中の看板を見てみると、コトスタイルさんが担当されていて、問合せ先が書いてあったんですよ。ご案内いただいた不動産屋さんもコトスタイルさんをご存知だったので、気になってホームページで施工実績を調べました。とてもお洒落で自分好みなお店を手がけられていましたし、店舗づくりを一括でされていることにも惹かれましたね。物件が決まったらぜひここにお願いしようと思っていました。
――コトスタイルを見つけていただいたのは、そのような経緯だったのですね!
では、この物件はどのように見つけられたのでしょう?
水本さん:ここは、元は沖縄料理店をしておられたのですが、閉店されることになり次の入居者を探しておられたんです。そこで取引をしていた酒屋さんから、私がよく行く日本酒バルのオーナーにお話しがあり、私に紹介があったというわけです。実は、その酒屋さんも私の知人だとあとでわかったのですが(笑)。
実際に見てみると、競合の飲食店が少ないエリアですし、居抜きで使えるのは魅力的でした。ここを担当しておられる不動産屋さんも、元の入居者である沖縄料理店のオーナーさんもとてもいい方で、開業にあたってすごく協力していただきましたね。
――すごいご縁ですね!では、今の物件が決まってから、コトスタイルにご依頼いただいたのですね。
水本さん:いえ、実はこの物件が決まる前に、先ほどお話しした木屋町のとある物件でお話しが進んでいたんです。コトスタイルさんからすでにデザインのご提案やお見積をいただいてから変更をお願いしたので、とても心苦しかったですね…。
ただ、ここを見ていただいて、「たしかに、こちらのほうがいい」と社内でお話ししてくださっていたそうです。条件がすっかり変わってしまってからも、最後までお付き合いいただいて本当に感謝しています。
――そんなことが!オープンまで、妥協せずにお店づくりをされたのですね。
次回は、実際のリフォームがどんなものだったのか、詳しく伺っていきます。