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【前編】2026年のMEOはこう変わる。AI時代の『見つけられる店』のつくり方


※本Blogでは、ローカル検索(MEO)における最新の動向を整理するにあたり、2025年11月にWhitespark社が発表した「Local Search Ranking Factors 2026予測」報告書を主要な参照資料としています。本記事はその調査を踏まえた上で、京都で店舗開業を考える方々にとっての実務的な「2026年版MEO統合モデル」をご紹介するものです。
※本記事には、コトスタイル株式会社のグループ会社である株式会社グッドランプ が提供している Uberall に関する記述が含まれます。グループ内サービスへの言及ですが、中立性を保ちつつ、ローカル検索の最新動向をわかりやすくお伝えする目的で記載しております。

京都の朝は、気温よりも先に空気の表情が変わります。宝ヶ池で次男のサッカーの試合を見ていると、芝の湿り具合だけで「季節が少し進んだな」とわかります。高校時代の僕と同じポジション。でも、当時の僕よりも前が見えてるし、たいしたもんです。ちなみに長男もSB(サイドバック)後ろから全体を俯瞰して見る。そしていざというときは前線に走り込む。ほんま子供が同じポジションだと見入ってしまします。ちなみに娘は、家でずっとステップを踏んでいます。キッチンから戻ると、リビングが“舞台”みたいになっている日があって、これもまた僕が大学の頃にやってたころ。3人を見ていると、「上手くなる」というのは、昨日できなかったことが今日ほんの少し自然にできるようになる、その積み重ねなんだろうなと思いますし、まだまだ自分もって思います。笑

世界の変化もきっと同じで、大きな音はしないのに、気づいたら当たり前が変わっている。ローカル検索のルールもその一つで、特にMEOは2026年を境に大きく姿を変えようとしています。

これまでの感覚だと、

「とりあえずGoogleビジネスプロフィール(GBP)をちゃんとやっておけばOK」

みたいな空気、ありましたよね。

でも、AI検索(SGE / AI Overviews)が前提の世界 に入ると、その感覚だと正直かなり置いていかれます。これからは、GBPだけじゃなくて「レビュー」「Webサイト(オンページ)」「外部評価」をまとめて設計しないと勝てないゲームになっていきます。

今回はその全体像を、「データの話」と「実務でどう動くか」の両方から、ちゃんと整理してみます。

1.2026年のローカル検索は「4つの領域の総合戦」

このグラフは、2018年から2026年までの8年間で「Googleがローカル検索の順位を決めるときに、どの要素をどれくらい重視してきたか」を示したものです。見ていただくと分かるように、GBP(Googleビジネスプロフィール)はずっと重要なまま ですが、同時に オンページ(Webサイト)やレビューの重要度が年々じわじわ上がってきている ことがわかります。

一方で、リンクやサイテーションなどかつて主要だった要因は少しずつ影響が薄まり、ローカル検索の評価軸が“より総合的”になっていることがこのグラフだけでも伝わってきます。まず、ざっくり結論から言うと…

2026年のMEOは
「GBP × レビュー × オンページ × 外部評価」
の4つをいっしょに育てないと、
結果が出にくくなる。

息子のサッカーで言えば、昔は「チームにめちゃくちゃ上手い子が1人いればなんとかなる」みたいな時代もあったんですが、今はそうじゃない。
守備の連携
・ボールの受け方
・ビルドアップ
・プレスのかけ方

全部が噛み合って、やっと“強いチーム”になる。MEOもそれに近くて、「GBPというエース」だけに頼る戦い方から、そろそろ卒業しなきゃいけないフェーズに来ています。

1-1. データで見る「何がどれくらい効いているのか」

※このグラフは、2026年にGoogleがローカル検索の順位を決める際に、どの要素をどれくらい重視すると予測されているか をまとめたものです。左から
・ローカルパック/Googleマップ表示
・ローカルSEO(通常検索)
・AI検索(SGE)での可視性
の3つに分かれていて、領域ごとに“評価のされ方が違う”ことが分かります。

■ Local Pack(左側:Googleマップ)
GBP:32%
レビュー:20%
オンページ:15%
ビヘイビア(クリック・経路案内など):9%
リンク:8%
サイテーション:6%

■ Local Organic(通常の検索結果のローカル版)
オンページ:33%
リンク:24%
ビヘイビア:10%
パーソナライズ:8%
GBP:7%

■ AI検索(SGE / AI Overviews)
オンページ:24%
レビュー:16%
サイテーション:13%
リンク:13%
GBP:12%
ソーシャル:9%

このグラフを見ると、Googleが2026年に何を重視しようとしているかがひと目でわかります。
マップ表示はやっぱりGBPが主役。でも、AI検索に関しては、「Webサイトの中身をしっかり読んで判断しますよ」 という姿勢がはっきり出ています。いわば、マップは“顔つき”、AI検索は“中身”を見ているそんなイメージに近いです。

数字を全部暗記する必要はありません。ここで押さえておきたいのは、たった2つ。

  • 1.ローカルパック(マップ)では、まだGBPが一番大事
  • 2.AI検索では「オンページ(Webサイト)」がいちばん効く

つまり、

「マップで選ばれる店」「AIに紹介される店」

この2つの条件が、だんだんズレてきている、ということです。このギャップを埋めるのが、2026年版MEO戦略の肝になります。

2.GBP最適化は“土台”。でも、2026年は「深さ」が問われる

京都でお店をされている方と話していると、

「GBPは一応登録しているけど、そこから先はあんまり触れてないんですよね」

という声、けっこう聞きます。写真だけ増えていくけど、情報設計としてはずっと放置、みたいな。でも2026年以降、GBPはただ「ある」だけじゃ足りなくなります。大事なのは、“どれくらい丁寧に運用されているか”

2-1. 2026年のGBPで押さえたいポイント

ざっと挙げると、こんな感じです。

● NAPの完全一致
店名・住所・電話番号が、Webサイトや他媒体と微妙に違っていないか?
(よくあるのが、番地表記や建物名の異なる表記)

NAPとは、以下の3つの情報の頭文字です。
N:Name(店舗名)/A:Address(住所)/P:Phone(電話番号)。つまり 店舗の“基本情報”のことです。
❌ 例:表記ゆれ
コトスタイル株式会社
コトスタイル(株)
KOTOSTYLE

❌ 住所の微妙な違い
京都市中京区 ○○1-2-3
京都府京都市中京区 ○○1丁目2-3
中京区 ○○1-2-3(番地省略)

❌ 電話番号の揺れ
075-123-4567
0751234567
075-1234-567

GoogleはAIで情報を統合しているため、これがバラバラだと 「同じ店かどうか確信が持てない」 と判断します。→ その結果、検索順位が下がる原因 になります。

● カテゴリの最適化
「レストラン」で一括りにするのではなく、
「焼肉店」「蕎麦屋」「カフェ」など、検索ニーズに近いカテゴリに絞る。

● サービス・商品情報の登録
メニュー、コース、メニュー写真、料金——
ここをサボると、「どんな店か」がAIに伝わらない。

● 営業時間と特別営業日の更新
年末年始、臨時休業、夏季休業…
ここが放置されているプロフィールは、ユーザーからもGoogleからも信頼されにくい。

● CTAボタン(電話・予約・経路案内)の導線
クリックされやすいように、写真やレビューの位置とのバランスを考える必要がある。

息子のチームで言うと、「ストレッチしないまま全力で走り出している」 ような状態の店が、まだまだ多い印象です。足が速い(=口コミが多い、人気がある)としても、ケガしやすいし、安定しない。Uberallとしては、まずここを自動で・漏れなく整える仕組みを提供することが、2026年も変わらずベースになります。

3.レビュー戦略:量よりも「中身」と「返信」の時代へ

娘のダンスを見ていると、ふと思います。ステップそのものより、「表情」と「見せ方」で印象はこんなに変わるのか と。レビューもまさに同じで、★5のレビューがただ並んでいるだけでは、2026年のGoogleには刺さりません。

3-1.良いレビューは「ストーリーとキーワード」が両方ある

AI検索は、レビューの中身をちゃんと読みます。

  • どんな悩みを持っていた人か
  • どんな体験をしたのか
  • どこが印象に残ったのか
  • どんな言葉で店を表現しているか

たとえば、整体院の場合——

「とても良かったです。また来ます。」

よりも、

「京都で猫背を直したくて整骨院を探していて、姿勢の写真を撮ってくれたり、自宅でできるストレッチも教えてくれました。」

こういうレビューのほうが、「京都 猫背 整骨院」で検索した人にとって、AIが“引用したくなる文章”になります。

3-2.返信は「お礼+一言」から、もう一歩踏み込む

レビュー返信も同じです。2026年以降は、

「ご来店ありがとうございました。またお待ちしております。」

だけでは、もったいない。

  • レビューに出てきた悩み(肩こり、猫背、カラーの持ちなど)に一言触れる
  • 店の強みや取り組みを軽く添える
  • 次回提案や、自宅ケアの一言を加える

それだけで、画面越しに伝わる空気が変わります。
京都の飲食店で言えば、

「●●様、このたびはご来店ありがとうございました。鴨川沿いの夜風、昨日は少し冷たかったですね。その分、〆のお出汁をいつもより少しだけ熱くしてご用意しました。」

みたいな返しができると、「レビュー欄がただの評価一覧」から「店主とお客さんの会話が見える場所」に変わっていく。Uberallとしては、ここをAIでサポートして、“らしさ”は残したまま負担を減らすという役割が取れます。

そんなわけで、ここまでが2026年MEOの“前半戦”。
息子のサッカーで言えば、とりあえず走り方とボールの持ち方を整えた段階。これだけでも試合には出られるけれど、まだ“チームを動かす選手”にはなれない。店も同じで、GBPやレビューが整えばひとまず「ちゃんとした店」として検索には映る。でも、順位がグッと動くのはここから先の話となります。

後半では、2026年、Googleが最もよく見ている“オンページ(Webサイト)”の中身と、店の外側からどう評価されているかという“外部評価”の話 をしていきます。娘のダンスでいえば、“ステップを覚えたあとに必要な表現力”みたいなところ。

次のBlog後半では、その核心部分を、京都の街の空気感のなかでお伝えします。