

今日は、テナントの開発を進めている仏光寺の現場へ。
デザイナーのフクダと一緒に撮影に行ってきました。
もともと古民家だった建物をスケルトンにして改修を進めているプロジェクトで、
以前「解体直後の様子」をブログで紹介していました。
今回は、どんなふうに現場が進んでいるかといったテナント開発のイメージを
少しでもお伝えできるように、撮影に伺ってきました。
お店づくりをやってきたから見えた、僕たちがやるべき新しい仕
コトスタイルはこれまで15年間、
出店者に向けたワンストップサポートを続けてきました。
物件探しからデザイン、施工までを一貫して手がける中で、
いつも感じていたのは——
「空いている建物がたくさんあるのに、募集が出ていない」という京都の現実。
魅力的な建物がたくさんあるのに、
その多くが閉ざされたままになっているのを見て、
「もし僕たちがその物件をテナントとして貸せたら」と思うようになりました。
そんなとき、ある所有者の方から相談をいただきました。
「この古民家をテナントとして貸せないか?」と。
理由を聞くと、
「これだけの物件を扱えて、デザインも施工もできる会社は他にない。
だから、コトスタイルさんにお願いしたい。」
と言ってくださったんです。
正直、最初から不動産事業をやろうと考えていたわけではありません。
でもその言葉を聞いて、すぐに“点と点がつながった”ような感覚がありました。
物件を貸したい人と、出店したい人。
その両方にとって意味のある循環がつくれるんじゃないかと。
ワンストップがぐるっと循環するビジネスモデルへ
デザイナーのタナカさんからも当時、
こんな話をもらいました。
「これまで“出店者に向けたワンストップ”だったものが、
今度は“所有者側に向けたワンストップ”になる。
それによってぐるっと循環するビジネスモデルができるんじゃないですか。」
この言葉を聞いたとき、ほんまにその通りやなと思いました。
僕たちがずっとやってきた“お店をつくる仕事”が、
“物件を活かす仕事”へとつながっていく。
その循環こそが、京都という街に必要な流れなんだと感じました。
精華大学からつながったご縁
この仏光寺のプロジェクトを紹介してくださったのは、
僕とタナカさんが建築を学んだ京都精華大学の先生です。
最初は「マンションに建て替える」という選択肢もあったそうですが、
「せっかく残っている建物を活かしたい」とお考えになり、
僕たちにご相談をいただきました。
提案したのは、今ある建物を残しながら収益化できるテナント開発という形。
利回りが圧倒的に良い上に、
なによりも“町の景色を守りながら活用できる”という点と、
“大切にしている場所を、夢に挑戦する人たちに使ってもらえる”という考えを
気に入っていただけたようです。
現場で感じた「いよいよ、ここから」
解体が終わり、土間打ちまで進んだ現場に立つと、
いよいよここからはじまっていくなあという実感がありました。

撮影の前にタナカさんから
「スリッパを持って行ってくださいね」と言われていて、
正直“なんでやろ?”と思っていたんですが、現場に着いて納得。
めちゃくちゃきれいなんです。
うちの現場はいつも整理整頓されていますが、
今回は特に、どこを見ても丁寧で気持ちがいい。
「こんな現場で仕事できるって、ほんまにありがたいな」と感じました。

撮影中、夕方になって少し涼しくなってきた頃。
気づけば、蚊がすごい(笑)。
慌てていたら、現場の隅に蚊取り線香が置かれていました。
タナカさんに連絡してみると、
「私の私物です。置いといたほうがいいかなと思って」とのこと。
なんだかその言葉が嬉しくて。
職人さんやスタッフが快適に仕事できるように、
こうして小さな配慮が自然にできている。
現場を“ただの工事場所”ではなく、“人の手で守られている場所”にしてくれている。
そんなことを改めて感じました。
テナント開発という“次の景色”

今回の撮影は、小規模事業者持続化補助金の取り組みの一環として行いました。
パンフレットや動画などを制作し、
空き家をテナントとして活用する仕組みを、もっと多くの人に知ってもらうためです。
完成は来年の春から夏にかけてになりそうですが、
「空き家を貸す」という行動が、
京都のまちの未来を少しずつ変えていく——。
そんなことを感じながら撮影を終えました。
現場はまだはじまったばかりですが、
どんなお店がここに生まれるのか、今から楽しみです。
このブログでも進捗を発信していきますので、
ぜひチェックしてみてください。
また、
「うちの空き家もテナントとして貸せるかな?」
という方がいらっしゃいましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。
現場の進め方や課題、収益化のイメージを丁寧にご説明いたします。