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「内装 費用 抑える」ならDIY?どこまで自分でやるべきかプロが判断

はじめに:DIYブームの光と影

ゴールデンウィークや連休になると、ホームセンターがにぎわいます。「自分のお店だから、できることは自分でやりたい」──そう思う気持ちは、すごくわかるんです。僕もお店をつくる現場に立つなかで、「この壁、自分で塗ってみたいんです」「棚はDIYしてみます」とおっしゃる方にたくさん出会ってきました。

ただその一方で、最近こんなニュースもありました。

「破片が鼻の付け根貫通」も… DIY人気で電動工具の事故増加(国民生活センター)

これは、電動グラインダーの砥石が割れて、破片が顔に飛んだという事故。鼻の付け根を貫通する大けがに至ったケースもあるとのことです。ほかにも、丸ノコで指を切ったり、木材の跳ね返りで足をけがしたり……。5年で186件の事故情報が寄せられ、その8割が40歳以上の男性だそうです。


「破片が鼻の付け根貫通」も… DIY人気で電動工具の事故増加 約8割が40歳以上の男性 国民生活センター | TBS NEWS DIG (1ページ) : https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1873311?display=1

DIYには楽しさも達成感もありますが、「安全性」と「仕上がり」まで考えると、やはりプロに任せるべき部分がある──これが僕たちのスタンスです。

このblogでは、どこまで自分でやるべきで、どこからプロに頼んだほうがいいのか。その判断軸と、コトスタイルが実際にご提案しているDIYプランも含めて紹介していきます。


DIYで費用が抑えられるのは本当か?

「業者に頼むと高くつくから、DIYで節約したい」。その発想は自然ですが、材料代や道具代、失敗のリスクを考えると、意外と安くないことも。
たとえば壁を塗装する場合でも、塗料の価格、ローラーやマスキングテープなどの消耗品、養生にかかる時間……プロなら1日で終わる作業が、DIYだと2〜3日かかることもあります。

時間が読めない=スケジュールに影響が出る。つまり、コストは「お金」だけじゃなく「時間」でもあるという視点が必要です。

事故や失敗が起きやすい「要注意ゾーン」

国民生活センターが注意喚起しているように、特に電動工具は事故が多いです。

危険性が高いDIY作業例

  • 電動グラインダーでの金属切断
  • 丸ノコやジグソーでの木材加工
  • 高所作業(天井塗装や照明設置)
  • 電気工事(資格が必要)
  • 水回りの配管変更(漏水リスクあり)

これらは「怪我をしたらどうするか」ではなく、「怪我をしないためにどうするか」を考える必要があります。

プロが考える「DIYに向いている作業」

逆に、比較的安全で、仕上がりに大きな差が出にくいのは以下のような作業です。

DIYでもおすすめできる作業例

  • 壁面のペンキ塗り(低所、目立たない場所)
  • 店内装飾(黒板メニューやアート系塗装)
  • 棚の組み立てや設置(市販品のカスタム)
  • グリーン(植物)のディスプレイ
  • 看板デザイン(ただし設置は要相談)

重要なのは、「機能」ではなく「演出」に関わる部分にとどめることです。

プロと組むからこそ実現できるDIYプラン

では、実際に「費用を抑えたい」と考える開業希望者が、どう現実的なDIYとプロとの役割分担を組み立てていけばいいのか。ここからは、具体的な判断ポイントと、僕たちコトスタイルがどう伴走できるかを紹介していきます。

自分でやる/プロに任せる、判断の3つの基準

  1. 安全性が担保できるか
    構造に関わる工事や電気・ガスといったライフラインの取り扱いは、必ず資格者が行うべきです。たとえば「壁を抜きたい」というDIYは、その壁が耐力壁であれば建物の強度に直結しますし、無資格者が電気工事をすると感電や火災のリスクも高まります。
  2. 営業許可に関係するか
    飲食店などでは、保健所の許可や消防の届出が必要になる工事があります。「シンクの設置位置」「換気扇の排気経路」「非常灯の数や場所」など、細かいけれど無視できない条件があり、これを知らずに進めてしまうと“やり直し”が発生します。
  3. 仕上がりとブランディングに関わるか
    「手作り感」が魅力になる業態なら、塗装や家具づくりなどは積極的にチャレンジすべき。ただし、「素人っぽい」印象になってしまうと、ブランド価値に直結します。照明の角度、什器のレイアウト、色のトーンなど、細部にプロの目が入ることで全体のクオリティが安定します。

コトスタイルが提案する“ハーフDIY”という考え方

美容室 BRICK 様

僕たちが最近よく取り入れているのが、「ハーフDIY」的な提案です。これは、重要な構造や設備まわりはプロが施工し、それ以外の装飾や塗装など、仕上げに近い部分をお客様がDIYするというスタイルです。

実際の事例として、ある珈琲店では、以下のような分担をしました

プロの施工部分:間仕切り壁の設置、電気配線、厨房機器の設置
DIY部分:壁面のペンキ塗装、家具の組み立て、サインの設置

この分担のポイントは、DIY部分を“施工の終盤”に持ってくることで、工程上のトラブルを避けることです。

このほかに美容室 BRICK様では自宅のベランダで壁の木を切って塗装し、貼り付けを行い、それまでの電気の仕込みなどの貼る前の下地工事の打ち合わせをコトスタイルで行いました。
美容室 BRICK様の施工事例

その他DIYを取り入れた施工事例はこちらからご覧いただけます

DIY | コトスタイル|コトスタイル : https://www.kotostyle.co.jp/contents/archives/category/case/?post_type=post&category=case&s=DIY

DIYを成功させるためのサポート内容

コトスタイルでは、お客様のDIY希望を叶えるために、以下のようなサポートも行っています。

DIY希望箇所の相談とアドバイス:
最初の打合せ時点で「何をDIYしたいか?」をヒアリングし、安全性や工期、コストに基づいて判断します。

材料の手配や事前加工:
たとえば塗装用の下地処理や、サイン取付けのための下穴加工など、DIYがしやすくなるように準備を整えます。

ワークショップ型の塗装サポート:
オープン前の週末にスタッフやご家族・友人と一緒に壁を塗る「DIYイベント」を実施。思い出として残るだけでなく、店舗への愛着にもつながります。

コストだけじゃない、DIYの価値とは?

ここまで読んで「やっぱりDIYは難しそう」と感じる方もいるかもしれません。たしかに、簡単ではありません。でも、「自分の店を自分でつくる」という行為には、数字では測れない価値があります。施工に参加したお客様が、「この壁、自分で塗ったんです」と語るときの誇らしさ。そこに共感するお客さんが、「なんかいいお店ですね」と言ってくれたときの手応え。そうした“感情のストーリー”こそが、DIYの本質かもしれません。

まとめ:「プロに任せるDIY」という選択肢

DIYで費用を抑える。それは大いにアリだと思います。
でも同時に、「何を」「どこまで」「どうやって」やるかを間違えると、費用も、仕上がりも、思い出も、全部が中途半端になってしまうこともあります。だからこそ、DIYに挑戦するなら“信頼できるパートナー”と一緒に進めてほしい。
僕たちコトスタイルは、DIYを否定しません。むしろ、それを活かせる設計や工事のあり方を一緒に考えることで、お店づくりの喜びを最大化できると思っています。
「この壁、自分で塗ってみたい」 「サインは友達と一緒に作りたい」
そんな想いがあるなら、ぜひ最初の相談のときから聞かせてください。

▶︎ [ 店舗開業の相談はこちら ]