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AIファーストで未来を描く—分解と再構築から始まるビジネスの見直し—

「今のやり方」を一度壊してみる

テクノロジーと戦略についての学びを深めるプチ連載。少しずつ読み進めながら「今のビジネスをそのまま効率化するだけでは不十分」という理解が深まりまってきます。表面的な改善や効率化などではなく、もっと本質的な問題は何か?という問いを持つこと。その解を見つけるために、現在のサービスを一度アンバンドル(分解)することが必要だと記載されていました。

過去の成功体験や常識と思っていたものを一度脇に置いて考え直す。その上で、これからの時代に本当に必要とされる価値を見出し、再構築(リバンドル)する。今までは難しかったことが、実は今テクノロジーの進化で可能となっているといった事を見つけ出すことが、まさにテクノロジーと戦略についての解を紐解く方法なんだと理解しました。

顧客体験とエコシステムから見えてくる新しい形

アンバンドルしていくなかで最も大切なのが、「顧客体験価値」に目を向けること。お客様はどの瞬間に課題を感じ、どのような形で解決されることを本来は望んでいるのか?これを見つけることは容易ではありませんが、これを見つけられるかが重要であるということは間違いありません。

それが見つかることでようやく、その解決策は果たして今の提供方法で可能なのか?といった先に進める事ができます。そして、そのような価値を提供することにおいて、自社の中だけで完結させるのではなく、もっと広い視野でエコシステム的な発想を持つことが大切だと記されています。

自分たちの手元にあるリソースだけで何とかしようとせず、他社や他業界とのつながりの中でより良い顧客体験を生み出せる形を模索する。自社のみで解決するのではなく、関わりのある人たちと協力した解決の形を目指す。テクノロジーといった人同士のつながりが容易なシステムを利用するからこその考えだと思います。大きくビジネスのあり様が変わってきている事がうかがえます。

AI時代に向き合う思考の柔軟性

さらにこうしたビジネスを再構築するプロセスにおいてはAIの存在は無視できないとあります。AIは単なるツールではなく、戦略の設計段階から組み込まれるべき存在となっている。それがAIファーストの時代という意味です。

従来の価値基準や判断軸とは全く異る思考が必要になっているという状況です。AIによって「人のバイアスを超えた予測」が可能になり、無意識に抱いていた常識やルールが解体されていく。だからこそ、私たち自身が思考の柔軟性を持ち、今の自分のレンズを一度外して未来を見ようとする。今までのサクセスストーリーをいったん手放し、「これから」にフィットする答えを自らの手で探しに行く。そんな姿勢が問われているのだと感じます。

変化を楽しみながら進んでいくこと

しかし、こうした思考の切り替えは、頭がふらふらになります。今やるかやらないかで大きく将来に影響されることだと思います。だからこそ、あまり肩に力を入れすぎず、少し軽やかに、楽しみながら取り組む姿勢も大切にしなければいけません。自分は「HIPPO(Highest Paid Person’s Opinion)」にならないように気をつけて、トップダウンで考えを押しつけるのではなく、現場やチームの声も聴きながら、対話的に未来をつくっていきたい。そんな風に思いました。

テクノロジーと戦略に対するビジネスの作り方は、「ふりかけ型」から「炊き込みご飯型」へ。上から味を加える程度のものではなく、素材を混ぜ合わせ、内側から一体となって深い味わいを出す。そんな風に変化しています。

だからこそAIを含む新しいテクノロジーの波が来る中で、自分たちが本当に提供したい価値は何なのか? 改めてそこをしっかりと抑え、自らのビジネスをもう一度見直す時期なんだと思います。そう考えたら、ものすごく楽しい時代の真っ最中。だからこそ、焦らず、そして着実に、進まないといけません。