

こんにちは、コトスタイルのイケダです。
最近の京都は、朝晩ぐっと冷え込むようになってきましたね。先日ひさしぶりにゴルフに行ってきたんですが、スタート時は寒すぎて手が動かず、昼頃には太陽が出てきて汗ばむくらいで… 結局「暑すぎるのもイヤやけど、寒すぎるのもちょっとなぁ」とか言いながら、気温と闘うラウンドになりました(笑)。そんなことをブツブツ言いながら、帰り道にふと思ったんです。店舗を開業するっていうのも、ちょっと似てるなって。暑すぎても寒すぎてもダメ。つまり、「条件が良すぎる物件」にも、「安さが魅力の物件」にも、実は落とし穴があるかもしれへんという話です。
今回は「デザイナー目線」で、店舗開業を考えている方に向けて、物件選びで気をつけてほしいポイントをお伝えします。後編では、ブランドとの相性や空間づくりの話にも触れていく予定ですので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
1.「立地が良さそう」に潜む落とし穴

よく「人通りが多い=良い物件」と考えがちなんですが、それだけで判断するのは危険です。たとえば──
「観光地のすぐ近くにあるし、集客力は抜群やと思ったんです。でも、実際は生活客と観光客の導線が交差してしまって、店内がごった返して落ち着かない空間に…」
こんな話もよく聞きます。
観光エリアに近いと人通りは確かに多い。でも、それが「自分たちが想定するお客さん」なのか、よく見極めないといけません。それともう一つ、「交通量の多さ」。車の通行が激しすぎて横断歩道まで遠回り、坂道が多くてベビーカーが入りづらい…。こういう物件って、来店ハードルが思った以上に高くなるんですよね。
あと、地元の生活圏から外れたエリアにある物件も要注意。賃料は安くても、通りに人がいなければ意味がない。安いからって飛びつく前に「お客さんはどうやってここまで来るんやろ?」って視点を忘れずに。
2.居抜き物件にひそむ“改装トラップ”

「前の店舗の設備がそのまま残ってる=おトク」と思っていませんか? 居抜き物件って、一見お得そうに見えるけど、実は手間と費用が余計にかかることもあります。
「厨房は残ってたけど、配管の位置がうちの導線と合わなくて、結局全部やり直し。スケルトンの方が早かったかも…」
こんなケースも、実際にあります。逆にスケルトン物件なら、自分たちの理想に合わせてゼロから作れる。ただし、何もないところからつくるので、そのぶん費用と工期はかかる。つまり、「どっちがお得か」は、事業計画や使い方次第なんですよね。
大切なのは、「どんな改装が必要で、どこにお金がかかるか」を事前に見極めること。コトスタイルでは、現地調査の段階で「壁を壊さないといけないかも」「この配線だと空調効率が悪そう」みたいなチェックを細かくやります。それによって、見えてくる全体予算も大きく変わってきます。
3.動線と視認性、ナメたらあかん

これは店舗デザインに関わる人間として、めっちゃ言いたいことのひとつ。とくに飲食店や美容サロンなどは、「お客さんがどう動くか」と「スタッフがどう動けるか」で、日々の業務効率も売上もぜんぜん違ってきます。
通路が狭すぎる → スタッフ同士がぶつかる → 接客の質が落ちる
座席の配置が悪い → お客さんが落ち着かない → 滞在時間が短くなる
こんな小さなことの積み重ねが、「あのお店、なんか居心地悪いよね」に繋がってしまう。もったいないですよね。それに、視認性も超重要です。たとえば、ちょっと奥まったところに入口があるだけで、通行人から見えづらくなる。看板の位置や照明の当て方ひとつで、見つけてもらえるかどうかが変わるんです。
「なんか入りにくいな〜」って思われる物件って、意外と多い。せっかく素敵な商品やサービスを用意してるのに、それが伝わらないのは本当にもったいないと思います。
後編では
「集客の落とし穴」
「ブランドと空間デザインの不一致」
「照明や素材の選び方のミス」
など、より“デザイン的視点”を交えて深掘りしていきますね。「物件選び」って、実は開業準備の中でいちばん重要で、でも見落としやすいポイントなんです。この記事が、どこかの誰かの「やっぱり、ちゃんと見といてよかったな」に繋がれば嬉しいです。





