飲食店 サボ様

この夏にオープンしたカフェ「サボ」があるのは、

京都市役所の裏に広がる住宅街、それも細い石畳の続く路地の奥。

千葉県出身のオーナーの大塚憲司さんがお店を開いたのは、

そんな、ちょっと好奇心をくすぐられる場所でした。

ふと訪れた京都にハマって、数年前からは年に何度も京都を

訪れていたといいます。

そんな大塚さんが、どうやって京都でお店を始めるに至ったのか?

大塚さんにあれこれお話を伺ってきました。

 

(2017年10月18日取材)

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関東から京都へ、

職を変えて自分でお店を開くまで

 

インタビュアー:

大塚さんがお店を自分で始めようと思われたのは、いつからですか?

 

大塚さん:

元々カレーが好きで、自分でもスパイスを取り寄せて独自に配合して

オリジナルカレーを作るなどしていたので、カレー屋さんを

したいとは考えていたんです。

 

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自分のお店を始めるまでは、コーヒー店に勤務していて、

ストアマネージャーをしていました。コーヒーを入れることは

もちろん、人材育成をしたり、店舗の運営も任されていたりしたので、

店舗マネジメントについては多少の知識はあったと思います。

 

当時は関東で働いていて、5〜6年前くらいから将来のことを

ぼんやり考えていたのですが、2010年に大阪に旅行に来たときに、

関東にはない大阪の文化にものすごく衝撃を受けたんですよ(笑)

 

それで大阪からも近い京都にも足を運んでみたら、京都にすっかり

ハマってしまって。

翌年から1年に3〜4回は京都に来ていましたね。職場は全国に店舗が

あったので、異動の希望を出し念願叶って2014年から京都へ。

 

02

 

京都に来て以来、観光で来るのとはまた違う京都の魅力に触れ、

京都での生活をものすごく満喫していたのですが、しばらくして

違う店舗に異動しなければならなくなったんです。

 

異動先の滋賀県で働いているときに「この先、異動のリスクを

受け入れながら勤め続けるのか」と考えたときに、じゃあ思い切って

自分でお店をやってみよう! って思ったんですよね。

 

インタビュアー:

そうだったんですね。お店のあるこの場所は、路地の奥にあって

隠れ家的なところがすごく魅力的だと思うのですが、すぐに

見つかったのでしょうか。

 

03

 

大塚さん:

お店を始めるにあたっては、物件探しが一番大変でした(笑)

街中を自転車と歩きでくまなくみて回っていたのですが、

なかなか理想の物件が見つからず、半年か一年くらいは

探し続けないといい物件には出会えないだろうなぁと

思っていました。

 

引っ越しの経験はありましたが、物件探しは初めてで、また全然

違うんだなというのも、探しながら思っていましたね(笑)

 

物件探しを始めて運よく4ヶ月ほどでここがみつかったのですが、

完全に「家」の状態でした(笑)

でも、いかにも「お店」というような内装にはしたくなかったので、

コトスタイルさんには、そのままの雰囲気を生かしたリフォームを

お願いしました。

 

04

 

インタビュアー:

確かに靴を脱いで上がるスタイルや、お部屋のような空間は、

お店というよりも誰かのお家に遊びに来たかのような雰囲気ですね。

 

大塚さん

ええ。最初は、お客様には靴を履いたまま上がってもらおうと

思っていたんです。

そのため、畳だったところをオーク材に張り替えてもらって、

土足に耐えられるようにオイルを2回繰り返して塗って

万全にしていました。

 

でも、オープン前に何人かの友人たちにお店に来てもらって

感想を聞くと、靴を脱ぐ面倒臭さはあるけれど、脱いで

上がれた方がリラックスできるという意見もあって、

変更したんです。

 

05

 

そのオイル塗装はコトスタイルさんにお願いせず全部自分で

やったんですよ。

真夏に作業をしたので、すーごく暑かったんですけどね(笑)

 

雰囲気はクラシカルなまま

設備は最新の環境に

 

インタビュアー:

床以外の改装についてはいかがですか?

 

大塚さん:

天井ははがして高くしてもらっています。おかげで狭かった

部屋の印象も広く感じられるようになりました。トイレは一旦部屋の

外へ出てもらわないといけなくて、雨の日も濡れないように、

中庭には屋根もつけてもらいました。

 

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インタビュアー:

お庭に屋根がついてるんですね? 

庭に面した窓から明るい光が入ってくるので、

屋根の存在は感じられないですね。

 

大塚さん:

お店自体は路地の奥まった場所にあるのですが、

小さな中庭があるおかげで、ガラス越しに光が差し込んで

わりと明るいんです。

屋根はコトスタイルさんに提案していただいて

透明の波板にしたので、光が遮られることもなく気持ちいいですね。

 

インタビュアー:

なるほど。透明な屋根なら雨は遮って、かつ、光は通して

くれますもんね。トイレも綺麗にされたんですね。

 

大塚さん:

トイレで一番見てもらいたいのが、女優ライトのついた鏡です!

 

インタビュアー

あ、ホントですね! 眩しいくらいですね(笑)。なぜこれを?

 

06

 

大塚さん:

女優ライトのついた鏡って、普段あんまり見ないですよね。

カフェに来た方に面白がってもらえたらいいなと思って(笑)

 

インタビュアー

そうなんですね。特に女性のお客さんは嬉しいかもしれないですね(笑)

トイレの設備は最新ですが、スイッチはレトロなデザインですね。

 

大塚さん:

それはアンティークなものを探して付けてもらいました。

設備は最新式でも、レトロな雰囲気は楽しんでもらえたら

いいなと思っています。なので、庭に面したガラス戸や、

入り口の戸も全て、自分でアンティークショップで

探してきたものです。

 

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自分が気に入ったデザインで、かつ、ここのサイズに合う

建具というのがなかなか見つからなくて苦労しました。

ようやく見つけたのが、今はもう作っていないけれど、

在庫があったガラス戸です。それを譲ってもらって

職人さんに開け閉めがスムーズにできるように

調整してもらいました。

 

インタビュアー

建具はどれも元からあったかのようにしっくりくる印象でしたが、

新しく見つけてきたものだったのですね!

 

大塚さん:

はい。職人さんのおかげでぴったりはまっています。

 

インタビュアー

さすがですね〜。

次に、厨房の使い勝手はいかがですか。

 

大塚さん:

少し狭い印象だったのですが、一人で作業をするので手が

届くところに何でもあって効率はいいですね。棚は作り付けで、

高さやサイズについては、こんなやり方がありますよ、

こんなのはどうですかと細かく教えてもらいながら

決めていきました。

些細なことも確認しながら進めてもらったので、トータルで

不満は何一つないんですよ。

 

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インタビュアー

そうなんですね。仕上がりに何の不満もないというのは

素晴らしいですね!

そんな中でもここは大変だったというところはありますか?

 

大塚さん:

壁の色を決めるときでしょうか。部屋の一面だけブルーに

しているのですが、青は青でもどんな青にするのか、

色合いを決めるのが難しかったです。

職人さんが色を混ぜて作ってくれるのですが、

実際に壁に塗ってみないとイメージが湧かないですし、

小さなスペースに塗ってみただけではどんな風に

仕上がるかも印象が掴めず。

 

でもいろいろと試行錯誤してもらった結果、すごくいいブルーに

仕上げていただきました!

 

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インタビュアー

そこもやはり、細かく相談できたという点が、満足につながったのでしょうね。

今日はお忙しいところお時間いただき、ありがとうございました!

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お店に入ってすぐのところに置いてあるショーケースも、

物件が決まってから大塚さんが見つけてきたもの。

まるで誂えたかのようにぴったりと収まっています。

 

ケースの中には珍しいスパイスも並び、

カレー好きな人が購入していくそうです。

 

オープンから4ヶ月、店頭には新しくCDを置く棚が付け加えられたり、

少しづつ進化もしているようです。

住宅街の路地の奥のお店、ぜひ行ってみてくださいね。

 

大塚さん、どうもありがとうございました!

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