物件の決め手とは-京都で店舗の仕事をしている人から見たヒビノコト-

 

今日はちょっとまじめな話をしたいと思います。

なぜ、弊社がテナント仲介と店舗デザイン設計施工を行っているかという事について。

ちょっと長くなるかもしれませんが、是非これからお店を出したいと思っている方に

読んでいただきたいと思って書かせていただきます。

 

実は私の本職は店舗デザイン設計施工です。

大学卒業後、東京で店舗デザイン設計施工の会社に勤めて修行させて頂きました。

飲食店をはじめ美容室、エステ、オフィスなど多種多様な商業空間に対して

お客様のニーズをヒアリングさせて頂き、その先のお客様を一緒に創造し

お店の内装デザインを考えて、そのイメージや想いを職人さんに伝えて

完成まで工事を管理するという仕事です。

 

そのため、営業から設計、デザイン、積算、工事管理、引渡しと

一軒のお店がオープンするまでの過程を、じっくりと経験させて頂く事ができました。

通常ゼネコンさんや工務店、デザイン事務所さんであれば

分業される実務を一貫して、すべて経験させて頂いた事は貴重な財産だと自負しています。

 

しかし、その一貫した実務でも、どうしても変えられないのが物件だったのです。

原則として、物件を契約または仮押さえされた段階で

相談にお越しいただくケースがほとんどでした。

 

その為、当たり前のように決められた物件にプランを入れて

希望の額で、理想の出店ができるように積算を行い続けていました。

しかし、やはり物件のコンディションが決まっているため

工事内容を減らすことが困難故に、希望の額に近づける事が難しいことが多々ありました。

 

そんな時に思ったのが、「何故この物件を選ばれたのか」という事だったのです。

総予算を踏まえてプランニングを行う事と同じくらいに物件を決める事が重要だと思ったのです。

もちろん物件を選ぶ条件はたくさんあります。家賃であったり、保証金等の初期費用

エリアだったり、ロケーションなどなど、こだわればキリがありません。

 

しかし、総予算を超えてしまえば、その他の条件があっていても

開業まで進める事が出来ないのです。

安易とは言いませんが、不十分な計画性で物件を決めてしまい

後に戻れない状況に陥ってしまうケースにも遭遇しました。

 

 無念さを噛み締めて思ったのは、何故そのような物件に

手を出してしまったのかという事でした、そしてこれには、

不動産業と建築業が分かれているという古い商習慣が問題ではないかと

気づいたのです。

 

不動産会社の方は物件を紹介するプロですが、お店を作るプロではないのです。

しかし、物件を紹介するという事は、その場で重要な決定に付き合うという事なのです。

よく考えてみると我々のような建築のプロが物件をご紹介できる体制を整えれば

最適なタイミングでアドバイスが行えると気づいたのです。

 

コンディションも物件を決める重要な要素です。

安易に決定される前に、まずはプロジェクトが完結できるか

しっかりと確認できる体制を内覧時にご準備いただけると良いかと思います。

 

開業を決意されれば、まずは物件探しからではなく

開業準備の入口として、しっかりスタートが切れる物件探しを行ってください。

まずはご相談だけでもお気軽にこちらからお問合せ頂けると

お役にたてる事があるかもしれません。

 

  

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